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キヤノン EOS R5 熱問題 dpreviewが擁護し EOSHDがそれを突っ込む展開に

キヤノン EOS R5 熱問題は賛否両論ある状況が続いていますが、最近では周辺の方がヒートしつつありdpreviewが擁護し、それにEOSHDがそれを物申す展開に。個人的に「EOS R5」がどういうタイプの機種なのか、その解釈で熱問題に対する結論が違ってくる気がします。

先日簡単な内容をツイートしたんですが、なかなかライフの方で更新する時間が作れなくてようやくピックアップという感じです。

dpreview : 「EOS R5」「EOS R6」の熱問題に対するテスト記事なのですが、dpreview基準でテストを行った結果を基にして、キヤノンが発表直後に告知した動画撮影制限通りに機能するとしながらも熱対策は不十分であるとちゃんと指摘し、放熱に時間が掛かり過ぎる事を重要視。「EOS R5」は、(特に長回しする)プロの現場やウエディング用途に不向きである事もきっちり掲載。しかしキヤノンを肯定というか擁護している箇所が出てきます。

  • キヤノンは、「EOS R5」「EOS R6」をプロ仕様の動画ツールとして設計もしていないし販売もしていない事は留意すべきである

dpreviewは、おそらく世界一影響力のある映像系メディアで各カメラメーカーとも繋がりあり、きっちりメーカーのプレスリリースに目を通していると思いますが、この箇所をEOSHDが物申す展開に。

EOSHD : EOSHDは以前から「EOS R5」はリコールすべきと主張しており、今回のdpreviewの発言にまったく納得いっていない模様。理由は簡単で英国キヤノンのプレスリリースに「EOS R5」をプロ仕様の動画ツールとして提案しているからなのです。

  • コマーシャル・ドラマ・ドキュメンタリーなどのハイエンドな作品制作において「EOS R5」は、「EOS C300 Mark III」のような理想的なパートナーである

他にもハイエンドな制作ワークフローに相応しい8K30p RAW内部記録が可能である事や、「EOS R5」は何倍もの価格がするハイエンドのシネマカメラでしか搭載されてない機能を誇り、動画機能は他のミラーレス機は存在しない事などをプレスリリースに掲載していると指摘。このプレスリリースは、正式発表前のプロモーションと同じように " 8K " をプッシュしている事が伺えます。

加えてこのプレスリリースに掲載されている英国キヤノンのマーケティング シニアマネージャーのコメントも紹介していて…

  • 「EOS R5」は他のミラーレス機にはない動画機能を搭載しており、比類なき強さを示し市場に挑戦している
  • 「EOS R5」は、シネマ業界標準のフォーマットやコーデックで撮影可能で、多くのプロダクションにとって理想的であり先頭を行くカメラである
  • シネマにおけるワークフローと互換性があり、このカメラはハイエンドのプロダクションセットで快適に撮影できる

英国キヤノンが示す文言は明らかに「EOS R5」は動画志向のフルサイズミラーレス機である事をアピールしているように感じます。先程のdpreviewの擁護コメントに対して「このカメラはプロ動画ツールとして販売していないと、dpreviewのように見て見ないふりはしないように」「証拠はここにすべてあるのだから」とツッコミをいれています。※pretendという表現を使っていて、~のふりをする、~だと偽る、うそぶくなどの意味があります

以下は個人的な雑談。

「EOS R5」は実際の仕様と、売り出し方に差があり、ここが原因なのかな…と思うことも。スチルカメラ性能は前評判はすごく高く、究極のスチルカメラとして売り出して、加えて制限付きだけど8K RAWも撮れますよ~という売り出し方であれば、ここまで熱問題で炎上する事は無かった気がします。

元々「EOS 5D Mark II」が一眼動画市場を掘り起こしただけに、開発発表時のプロモーションは「EOS 5D Mark II」の夢を再びという感じで盛り上がり、多くのユーザーさんは動画志向のカメラである印象が強かったのではないでしょうか。

スチルカメラ+αで8K動画撮れるカメラ、静止画と動画性能を両立したハイブリッドカメラ、動画志向のカメラ…キヤノン「EOS R5」をどういうタイプの機種なのかその捉えた方で感じ方が変わってくるのかな~と。

すでに「EOS R5」の取扱説明書(PDF)がダウンロード可能ですが、動画撮影の項目で熱問題の事は掲載していますが、製品ページに掲載されているほどの詳細情報は掲載していません。なので元々動画撮影時の熱問題は認識していたものの、それほど重要視していなかったようにも見受けられます。※取扱説明書(PDF)は、899ページもあります