富士フイルム 上期決算(2023年4月~9月)発表 デジカメ大幅増収も供給不足の説明なし
富士フイルムが、2024年3月期第2四半期決算 (2023年7月~9月) 発表を行いました。イメージングは引き続き絶好調。しかし極度の供給不足に陥っているデジタルカメラの供給体制に関する記述は見当たりません。
資料自体は上期実績(2023年4月~9月)。イメージングは、チェキ・インスタントフォトシステム・カラー印画紙などを含むコンシューマーイメージングと、X/GFXカメラ・シネレンズ・放送用レンズなどを含むプロフェッショナルイメージングに分かれています。
イメージング上期 売上高 ※2023年4月~9月
- イメージング全体 … 2,192億円 (1,355+837)
- コンシューマーイメージング … 1,355億円
- プロフェッショナルイメージング … 837億円
イメージング上期 営業利益 ※2023年4月~9月
- 494億円
インスタントフォトシステムやデジタルカメラの販売が好調に推移し、売上⾼は、前年⽐19.5%増の2,192億円、営業利益は、前年⽐85.5%増の494億円となりました。
コンシューマーイメージングでは、インスタントフォトシステムINSTAXの販売が好調で、売上が増加しました。INSTAXは、2023年9⽉に、INSTAX“チェキ”シリーズの世界的な需要増に対応するため、チェキフィルムの⽣産設備増強を発表しました。また、2023年10⽉には、いつでもどこでも気軽に撮影できる “⼿のひらサイズカメラ”「INSTAX Pal™」を発売しました。撮影シーンや撮影体験を広げる豊富な機能を搭載し、スマホプリンター「INSTAX Link™」シリーズ等とBluetoothで接続することで、撮った画像をチェキプリントにして楽しむことができ、市場から⾼い評価を獲得しています。
プロフェッショナルイメージングでは、前年度に発売した「X-H2」 、「X-H2S」、「X- T5」に加え、2023年6⽉に発売した「X-S20」の販売も好調に推移し、⼤幅に増収となりました。2023年9⽉には、「GFXシリーズ」の最新モデルとして、シリーズ最⾼の⾼速連写・AF・動画性能を実現したフラッグシップモデル「GFX100 II」を発売しました。※決算説明会資料(ノート付き)より
イメージングは前年同期で売上高が19.5%増、営業利益が85.5%増で絶好調である事が伺えます。X/GFXカメラを含むプロフェッショナルイメージングの売上高は837億円で、前年同期比30.2%増でデジタルカメラ自体も好調である事が伺えます。
実はデジタルカメラは極度の供給不足
実績の数字自体は絶好調なのですが、X/GFXカメラは極度と言って良いぐらい供給不足に陥っており、供給不足に関する説明が一切なかったようで個人的に少し残念に思います。チェキの方は生産体制を強化しその都度プレスリリースが登場していますが、デジタルカメラの生産体制を強化したプレスリリースは一度も登場していません。
- X-S20 … 受注一時停止
- X-T5 … 受注一時停止
- X-H2 … 納期6週間
- X-H2S … 納期6週間
- X100V … 受注一時停止
- GFX100II … 納期6ヶ月
現在Xカメラの供給不足が深刻で、単に生産キャパをオーバーしているだけなのか、生産計画を大きくミスってしまったのか、依然部品調達不足に悩まされているのか、元々こういう生産計画なのか、円安なので収益重視で国内供給量を絞って海外市場優先なのか気になるところ。まだ質疑応答資料が公開されていないので、質疑応答の中でデジタルカメラの生産体制に関するQ&Aがあれば良いな~と。
富士フイルム自体そして株主が、デジタルカメラの生産体制についてチェキほど重要に考えていない可能性もあるのかなと思うことも。圧倒的にチェキを含むコンシューマーイメージングの方が儲かっている訳だし。