ニコンが RED を買収 子会社化 業務用動画市場の開拓を目指す
ニコンが、映像業界で熱狂的なファンを抱えるRED社を買収し子会社化する事を発表しました。今後拡大が見込まれる業務用動画市場の開拓を目指すとのこと。
株式会社ニコン（社長：馬立 稔和、東京都港区）は、業務用シネマカメラの開発、製造、販売、サービスを行う米国のRED.com, LLC（President: Jarred Land、米国カリフォルニア州、以下「RED社」）の創始者であるJames Jannardならびに現社長であるJarred Landとの間で、本件の各種クロージング条件の充足を条件とした上で、RED社の持分の全てを取得することを内容とする持分譲渡契約を締結し、RED社を当社の子会社とすることに合意しました。
RED社は2005年の創業以来、映画やCM撮影などに使用されるプロフェッショナル向けのシネマカメラを手掛ける企業です。同社は、独自のRAW圧縮技術による「RED ONE 4K」や最先端の「V-RAPTOR [X]」などのデジタルシネマカメラを開発するなど、シネマカメラ市場をリードする製品を多くリリースしてきました。RED社の製品は、アカデミー賞の受賞をはじめとした数多くのハリウッド作品に選ばれており、世界中の監督やシネマトグラファーからその革新性と画質が高い評価を得ています。
今回の子会社化により、製品開発における高い信頼性や映像処理技術、ユーザーインターフェイス、光学技術などの知見を持つニコンと、独自の画像圧縮技術やカラーサイエンスをはじめとしたシネマカメラにおけるノウハウを培ってきたRED社の強みが一体化され、業務用動画機において特色のある製品開発が可能になります。双方の事業基盤やネットワークを最大限活用しながら、今後拡大が見込まれる業務用動画市場の開拓を目指します。
お客様に寄り添い、その期待を超える感動体験を提供したいという双方の想いが一致し、今回の合意に至りました。ニコンは、今後も映像表現の可能性をさらに拡げることを目指し、動画領域においても映像文化の発展に貢献します。※プレスリリースより
ここ最近のカメラ市場は静止画と動画の垣根がなくなり、コンシューマーとプロとの垣根もなくなりつつある状態。ニコンはソニーやキヤノンのようにシネマカメラをラインアップしていませんでしたが、今回 " RED " を子会社化する事によりプロ機器分野に影響力を拡大する事になるのかどうか気になるところ。
業務用動画市場の開拓を目指すとなっており、その流れの中でZマウントのREDカメラが将来的に登場する可能性はあるのでしょうか。逆に動画機能やコーデックなどニコンZカメラの方にもREDの技術が投入されるのかどうか気になるところ。あとニコンが将来的にシネレンズの開発も計画しているのかどうか。
ちなみにパナソニックはイメージング事業を統合・強化しプロ用と民生用の垣根を越える感じなので、ニコン・パナソニック・ソニー・キヤノンの映像系のビジネス展開に注目していたいところです。
両社がどのように活かしていくのか注目です。