ペンタックス 新レンズ2本を開発発表 APS-C フラッグシップ ファインダー倍率 1.05倍
リコーイメージングが「CP+2020 まぼろしの参考展示PENTAX製品」をYouTubeに公開しました。開発発表済みの「デジタル一眼レフ APS-C フラッグシップ機」と「HD PENTAX-D FA★85mmF1.4ED SDM AW」の開発状況と一部詳細をはじめ、新たに新レンズ2本「D FA 21mm Limited」と「HD DA★16-50mmF2.8ED PLM AW」の開発発表も行っています。
司会進行はマーケティンググループ 川内拓氏、交換レンズ解説は商品企画部長 岩崎徹也氏、カメラ解説は商品企画部 若代滋氏が行っています。
簡単なまとめ
- HD PENTAX-D FA★85mmF1.4ED SDM AW … このレンズの一番の売りは " 像性能 " で開放から周辺までシャープな光学性能を実現し、予定通り2020年発売
- D FA 21mm Limited … 初めて " D FA " としてのリミテッドシリーズで、DCモーターを採用し、WR(防滴)構造となっている
- HD DA★16-50mmF2.8ED PLM AW … 最高レベルの性能を発揮するAPS-C スターレンズで開発中の「APS-C フラッグシップ機」にマッチするレンズ
- APS-C フラッグシップ機 … 最高のデジタル一眼レフ APS-C フラッグシップ機を開発中、最大の特徴は " 光学ファインダー " でファインダー倍率は1.05倍まで高めておりフルサイズ機「K-1」と同等の広い視野角を実現、バッテリーグリップも用意する
HD PENTAX-D FA★85mmF1.4ED SDM AW ※開発発表済み
- 現在のラインアップにはない焦点距離でとにかく早く出したかった
- 「FA★85mmF1.4」はフィルム時代にあったが、デジタルになってからはAPS-Cが中止になって以降すっかり抜けてしまった焦点距離になる
- 「FA★85mmF1.4」は使い勝手が良く凄く良い描写をするレンズだった
- 今の時代で " K-1シリーズ " で使える渾身の85mmをどのようなカタチで出すか、一生懸命検討してきた
- 単焦点において「D FA★50mmF1.4」に次いで非常に要望が高かったレンズでとてもワクワクしながら開発してきた
- このレンズは " スターレンズ " で「HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW」を開発した時、今後の一眼レフの進化に充分満足できるようスターレンズの規格をイチから見直した
- いわゆる " 新世代のスターレンズ " となる
- この新世代のスターレンズは「HD PENTAX-D FA★70-200mmF2.8ED DC AW」を含めると4本目のスターレンズとなる
- 単焦点レンズとしては " 50mm " の後となる第2弾になる
- このレンズの一番の売りは " 像性能 " となり、開放から周辺までシャープである
- 3枚のスーパーEDレンズを使っており、蛍石に似たような特殊な性能を持つ非常に高価なガラスを使っており、色収差を徹底的に低減したいので採用している
- 85mmはポートレートで使ってもらいたいと思っているが、まつ毛とか肌の縁とか紫っぽくなったり色が乗ってしまい残念に思ってしまう事あったり、肌の色がボケていくにしたがって全体的に色が乗ってしまうと雰囲気が台無しになってしまうので、徹底的に色収差を低減したいと思って開発を進めた
- 前玉は特徴的で凹(おう)レンズを採用していて、望遠系のレンズで凹レンズからスタートするの珍しい
- 前玉に凹レンズを採用する事で光をなるべく曲げないように結像するまで持って行き、色収差を低減し他の収差も低減する事が出来る
- ボケ味は、後ボケをなだらかにボカしていくように球面収差のカタチを注意深く設計をしている
- 前ボケも綺麗になるようにバランスの良いボケになるように設計し造り上げている
- 最高の85mmとなるように造り上げている
開発発表時 2020年後半の発売を予定していましたが、すでにしっかり撮影できるプロトタイプが存在し、良いモノが出来上がっているので本当にまもなく皆さんに具体的に紹介できるのではないかと思っているとコメントしています。
D FA 21mm Limited 開発発表 初公開
- 見た瞬間からリミテッドレンズでシルバーとブラックを用意している
- 「D FA 21mm Limited」は、まだ正式な名称は決まっていない
- フルサイズ向けの21mmレンズとなる
- このレンズは、スターレンズではなく、もう1つのブランドとなるリミテッドレンズ・シリーズとなる
- 今回初めて " D FA " としてのリミテッドシリーズ
- リミテッドレンズで大切にしている3つの事があり、1つ目は「数値では推し量れないその場の空気感・立体感を写し出す自然な描写である事」、2つ目は「いつでも持つことの喜びを感じる事」、3つ目は「撮影を楽しんでもらえる事」を追求したレンズ
- リミテッドレンズは、長く大切に何十年でも色褪せる事のない魅力を持ってもらえるレンズでありたい思いがある
- スターレンズは、性能や描写をとことん突き詰めた最高のレンズである
- 撮影者がリミテッドレンズの特徴をつかんで撮影する事により撮影者の目となったり手となったりして良い描写を作り上げていく
- 撮影者に馴染んていってもらいたいレンズ
- なぜ焦点距離が21mmなのか? フルサイズで使えるリミテッドレンズを出したい時に、FAリミテッドレンズを使用しているフルサイズ・ユーザー(K-1ユーザー)が多く、まずは違った焦点距離で出したかった
- リミテッドレンズは持ち歩き色々な所をスナップ撮影していくレンズなので、今回は特に " 超広角スナップ " を撮ってもらいたい
- 超広角過ぎず、かと言って24mmのような普通の広角ではなく、グっと被写体に寄って綺麗に被写体を立体的に写し出す画が撮れるレンズを出したいなと思っていた
- レンズの狙いは被写体にグっと寄って、被写体を際立たせながら背景は雰囲気を残しながらボケていく空間の雰囲気を写し出すレンズにしたい
- サイズ感は、手にしっかり馴染む大きさ
- DCモーターを採用し、WR(防滴)構造となっている
「D FA 21mm Limited」は、2021年を目標に開発を進めているとのこと。「是非期待して頂けたらと思います。」とコメント。今年のCP+2020は開催中止となってしまいしたが、来年のCP+2021は今のところ2月25日(木)~2月28日(日)開催を予定しているので期待です。リミテッドシリーズは顧客から防滴と静音の要望が高かった事も明らかにしています。
HD DA★16-50mmF2.8ED PLM AW 開発発表 初公開
- APS-C専用 DA★レンズ
- 仮称は「HD DA★16-50mmF2.8ED PLM AW」となる
- 新世代のスターレンズでペンタックスの技術をすべて詰め込んだ大口径標準ズームレンズ
- " PLM " は " パルスモーター " の略で、大口径なレンズはレンズが重いのでパルスモーターを使うのがなかなか難しいのだが、フォーカスレンズを何とかパルスモーターで動かせるようにした
- AF速度や静かさは期待してもらって良い、これに関しては私も期待している
- レンズ性能に関してはスターレンズの冠を付けているので、大口径標準ズームレンズとして最高レベルの性能になるように開発を進めている
- もちろん「デジタル一眼レフ APS-C フラッグシップ機」にマッチするレンズとして開発している
- " KAF4 " マウントなので「K-S1」以降のボディにしか対応していない
- APS-C用レンズラインアップは29本あり、揃っているが「HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW」に続きこの「16-50mmF2.8」を出す事で高性能なスターレンズと特徴のあるDAリミテッドレンズ、あとは小型で使い易いズームレンズ、このバリエーションに富んだラインアップを作っていきたい
この「HD DA★16-50mmF2.8ED PLM AW」も2021年に発売できるように開発を進めている事も明らかにしています。「APS-C フラッグシップ機」に合わせて早く出す事は出来ないのか?という質問に対して " とにかく2021年の早い時期に出せるように開発を頑張っている " とコメントしています。
将来的に小型軽量レンズも十分考えている
今回3本のレンズを紹介したものの「最近のレンズは大きいモノが多い気がするが…ファンの方は小型軽量レンズを期待されているのではないか?」という質問に対して…
- 十分考えている
- それぞれ特徴があるモノを
- 今後、小さいレンズ、使い易いレンズも開発していきたいと思っている
…と語っています。
デジタル一眼レフ APS-C フラッグシップ機 開発状況
- 「K-7」以降のAPS-C 最上位機では、トップクラスの高性能を小型ボディを凝縮する事、小型でありながら堅牢性や操作性にも優れたボディデザインにする事を大切にしてきた
- 開発中の「APS-C フラッグシップ機」でもその考えを踏襲している
- その上で我々が持っている技術を余すことなく投入する
- ペンタックス・ユーザーにAPS-C 一眼レフ カメラの中で最高!と思っていただけるようなカメラを目指して開発している
- 一番の特徴は " 光学ファインダー " で、実際の光を感じながら見たままを撮影するのが一眼レフの醍醐味
- 身持ち良く撮影が出来て、想像力をかき立てるようなカメラにしたいと考え、特に光学ファインダーの見え味にこだわって開発している
- 一般的にフルサイズの光学ファインダーの方が見易い認識がある思うが、その常識を打ち破るためにファインダー倍率を上げるべく、ペンタプリズムに加工が難しい高屈折率の硝材を採用する事にした
- もちろんファインダー倍率だけでなく、周辺までクリアである事、像の歪みが少ない事など様々な性能を兼ね備えたモノにする必要がある
- そのためペンタプリズムだけでなく、ファインダー光学系を全面的に見直している
- ファインダー倍率は一気に " 1.05倍 " まで高めようと頑張っている
- 「K-1」と同等の広い視野角を搭載する事になり、ファインダーによるピント合わせのし易さも「K-1」並みと思っていただいでも大丈夫だと思う
- デザインに関して「K-1」でフィルム時代の一眼レフの造形をオマージュしており、これをペンタックス一眼レフ共通のアイデンティティにするため開発中の「APS-C フラッグシップ機」にも採用している
- しかしながらまったく同じにする訳ではなく、開発中の「APS-C フラッグシップ機」ならではの個性を持たせている
- 動体性能もそうですし小型堅牢ボディをアクティブに使う事を意識してデザインコンセプトで " 躍動感 " を採用していおり、駆動制御系などあらゆる面で見直しが入っているので動体性能も期待してもらって良いと思う
- 背面のレバー(ジョイスティック)は " 測距点レバー " で、操作時 指掛かりが良い事、親指が痛みを感じないように形状を細かく見直しこのようなデザインを採用した
- バッテリーグリップも新規で開発中で、ボディ同様何度も試作を繰り返した
正式発表前に「APS-C フラッグシップ機 」の仕様が確定した部分に関しては、公式サイトやSNS経由で情報発信していく事も明らかにしているのでキヤノン「EOS R5」のような展開が期待できるかもしれません。
APS-C フラッグシップ機は2020年中に発売されるのか?
現状一部のサプライヤーから部品調達が遅延している話があるものの、工場の責任者からは発売を遅らせないようにありとあらゆる努力をすると力強いコメントもあり、困難な状況ではあるが2020年中に発売できると信じているとコメントしています。