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ソニー VLOGCAM ZV-1 正式発表 コンセプトと仕上がり具合をチェック

ソニーが、Vlogger向けの新たなコンセプトを提案したコンパクト機「ZV-1」を正式発表しました。RX100シリーズと比べた場合、コンセプトの違いや機能面の仕上がり具合の違いをチェックしてみようと思います。

2020年6月2日(火) AM10:00より予約受付開始で、ソニーショールーム/ソニーストアの先行展示は本日5月27日(水)から開始となっています。まだ量販店の予約受付は開始されておらず正確な売り出し価格は分かっていませんが、デジカメWatchによると店頭予想価格は91,000円+税 前後、シューティンググリップキットは104,000円+税 前後になるとのこと。RX100シリーズ最新機種と比べると、価格は幾分抑えている模様。

VLOGCAM ZV-1 の背景

ここ数年ソニーは、RX100シリーズにおいてVlog用途を意識した展開を始め、ワイヤレスリモートコマンダー機能付シューティンググリップ「GP-VPT2BT」も用意していましたが、RX100シリーズは元々静止画コンセプトのコンパクト機でポップアップ式EVFを内蔵し、可動式モニタはバリアングル式を採用していました。YouTubeなどで本格的にVlog生活を送っているユーザーにとって100% Vlog用途に対応しているとは言えない状態で今回特に自撮り用途に対応した機種と言えるのではないでしょうか。

VLOGCAM ZV-1 コンセプト

まずVlog撮影を前提にEVFと内蔵フラッシュを捨てバリングル式モニタを採用。外部マイク用端子を備えているものの「指向性3カプセルマイク」と「ウインドノイズ低減機構」を独自採用しサウンドへのこだわりも伺えます。(ウインドスクリーンも付属)ちなみに静止画撮影も可能です。

VLOGCAM ZV-1 独自機能

背景ボケ切り換え機能」は特にセルフィーをはじめとする人物撮影時に効果的な機能で、 ボタンをプッシュするだけでOn/Off可能なところもポイントです。RX100シリーズと同じくコンパクト機としてはサイズが大きい1インチセンサーを搭載していますが、効果的なボケ味を演出するには被写界深度が深いので、実際どのくらい違和感なくボケ感を演出しているのか気になるところ。スマートフォンを意識した機能にも感じます。肌を明るくキレイに撮影する「美肌効果」機能も搭載。

YouTubeなどを見ているとガジェット系YouTuberが商品紹介をしている動画を見た事があると思います。こういう時、本人と商品を交互にフォーカスを切り替える必要があり、なかなかAFが元に戻らないシーンを見た事があるのではないでしょうか。素早くピントの移動ができる「商品レビュー用設定」もボタン1つで設定可能となっており、上記の公式サンプル画像を見て分かる通り効果的な事が確認できます。

VLOGCAM ZV-1 Vlog撮影に配慮した操作系 ワンプッシュ機能

ソニー ZV-1

先ほどの「背景ボケ切り換え機能」や「商品レビュー用設定」はボタン1つで切り替え可能で分かり易く、上面には大きな動画録画ボタンを配置。カメラ前面には録画中かどうか一発で分かるように " 録画ランプ " を配置しているので、うっかり録画ボタンを押し忘れたりバッテリーが切れた事に気が付かず撮影してしまう可能性が低くなるのではないでしょうか。もちろんバリアングル式モニタを採用しておりセルフィーし易く、今回グリップも採用しています。RX100シリーズは外付けグリップを装着しないと滑り易い感じなんですよね。「ZV-1」を購入するユーザーさんは、シューティンググリップ「GP-VPT2BT」もセット購入しそうな予感。※シューティンググリップキット「ZV-1G」も発売予定

Vlog用途でGoProのようなアクションカムやより特化したDJI Osmo Pocketは、基本設定の後は撮影ボタンのOn/Offで撮る事が多いと思うので、この「ZV-1」も撮影における簡素化を意識した操作系になっている印象です。実際に使用してみないと分かりませんが。

RX100シリーズ譲りの基本性能

スペック見て分かる通り「ZV-1」は、「RX100V」ベースで「RX100VII」のAF機能全部込みといった感じでしょうか。手持ちの今あるRX100技術を元に " Vlog " コンセプトのコンパクト機を作り上げたような印象。イチからすべて設計する方向性もあったと思いますが、カメラ市場は縮小しつつあり、「ZV-1」はソニーにとって新たな提案であり実際どのぐらい売れるのかどうか。RX100シリーズの基本性は低くないですから、まずは市場の反応を見たかったかもしれません。このコンセプトの需要があると判断したから市場投入したと思いますが、今後の展開を想像してしまいます。

スペックを見る限り「Zeiss バリオ・ゾナーT*レンズ 24-70mm F1.8-2.8 (レンズ構成:9群10枚)」は、RX100Vのモノを流用したと思われ、ワイド側は20mmぐらい広角な焦点距離を望むVlogユーザーさんがいるかもしれません。「ZV-1」がヒットすれば、後継機で20mmワイド(ズーム)レンズを用意する可能性が残っているのではないでしょうか。

RX100VII譲りのAF機能を搭載し、動画撮影時のリアルタイムトラッキングに対応しています。瞳AFをはじめ、自然なスキントーンや顔の明るさの自動調整する「顔優先AE」も搭載しているので、カラーサイエンス(絵作り)自体にも手が加えられている印象。

動画性能はRX100VII譲りだが、10bitには非対応

基本的に「RX100VII」の動画性能を引き継いており、4K30p XAVC S 100Mbpsに対応し、HLG撮影をはじめ、Log撮影 (S-Gamut3.Cine/S-Log3、S-Gamut3/S-Log3)に対応しています。今回の「ZV-1」は動画志向のカメラだけに " 10bit " 対応に期待が掛かりますが、8bitとなっています。

USB-CではなくマイクロUSB、ヘッドフォン端子非搭載

ソニー ZV-1

この小さいボディに全部入りは難しいですが、動画志向のコンパクト機だけにヘッドフォン端子非搭載を残念がるユーザーさんがいるかもしれません。このところカメラもUSB-Cを搭載する機種が増えてきていますが、この「ZV-1」はRX100シリーズと同様にマイクロUSBの模様。

スペックシート上の動画撮影時間は45分

  • 実動画撮影 液晶モニタ使用時:約45分
  • 連続動画撮影 液晶モニタ使用時:約75分

dpreviewのハンズオン記事13ページに「ZV-1」はRX100より少し厚くなっており放熱効果を改善しておいる事が掲載されています。しかしデフォルトの設定は(RX100VII同様に)連続撮影時間5分に設定してある模様。(※自動電源OFF温度を変更する事で発熱警告が出るまで長時間撮影可能) これから夏を迎えるので実際に屋外で撮影してどの程度連続撮影可能なのか、RX100シリーズよりも熱耐性は上がっているのかメディアレビューやユーザーレビュー待ちといった感じでしょうか。