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海外でソニー α7シリーズ センサーマウント・IBISユニットに耐久性を問う動きあり

Lensrentalsが、ソニー α7シリーズのセンサーマウント・手ブレ補正ユニットの耐久性を指摘する記事を掲載し、dpreviewImagingResourceなどの海外映像系メディアも取り上げ話題になりつつあります。

Lensrentalsとdpreviewが、ソニーに対して今回のデータを提示し見解を求めた事がdpreviewの記事に掲載されています。dpreviewが関わってしまった為に海外では注目を集めつつあり、2020年6月14日 15:00時点でコメント数は300に迫りつつります。

元々は、フランジ距離が調整可能なシネマカメラのセンサーとフランジの距離(ズレ)を図る企画記事の第2弾としてフォトカメラも測定してみた記事で、ソニー α7シリーズの一部機種で変動が大きなデータを示したため調べてみたところ今回の事が分かったそうです。

Lensrentalsの元記事とdpreviewやImagingResourceの記事を参考に要点をざっくりピックアップしてみると…

測定結果を見る前に知っておく事

  • Lensrentalsが使用した測定機は、ニコン / 富士フイルム / ライカ / ペンタックスのカメラには対応していない
  • Lensrentalsはレンタル事業なので貸し出し前後に64箇所チェックを行うが合格し、顧客も満足していた
  • ただし " 疑わしい " 苦情は少数あった

ソニー α7シリーズ センサーマウント・IBISユニットに起きていた事

  • IBISユニットに取り付けられているプラスチック・プレートに亀裂
  • センサーを固定しているネジの外れ・緩み
  • センサーマウントの金属部分が、金属疲労なのか破損していた
  • センサーフレームが変形

これがボディ側の構造が原因なのか、マウント・ユニット側の構造によるものなか、素材やその組み合わせが原因なのか、フルサイズセンサー故に避けられない問題なのか、取り扱い方で差が出てくるのか分かっていません。貸し出し前後のチェックでは合格していたものの、中を見てみたら問題があったという事ですから、中を見てみないと分からない問題という事が伺えます。※これまでのチェックですべて合格してきたα7シリーズで落下させた履歴がない個体の模様

今回の問題には関係ないと思いますが、ソニーは、環境に配慮しバージンプラスチックの使用量を低減し、ソニーは再生プラスチックSORPLASを開発。公式サイトではすでに掲載されていないものの、2015年にα7シリーズで再生プラスチックを採用している事を明らかにしていました。

撮影自体はエラーが出る事なく可能だが…

  • フォトカメラにとってセンサーマウントが壊れていてもそれほど問題にならない模様
  • ただし画像が柔らか描写になったり、軽度にIBISが効かなくなる可能性はある
  • 今回 重大な問題になる前に発見できた可能性がある

Lensrentalsが保有しているソニーカメラの2%未満がレンズマウント周りの問題を抱えていて、これはキヤノン機とほぼ同じ割合とのこと。今回センサーマウント問題が見つかったソニー機は8台で、所有しているソニーカメラ全体の1.6%であり、α7シリーズに限って見てみれば2.8%になるそうです。ソニーカメラだけでなくあとやはり厳しい条件下の使用や、重く長い望遠レンズ使用時にぶつけたり落としたりすると損傷を受け易い事も掲載。ImagingResourceは、信用頻度が高いレンタルカメラと個人が所有するカメラは異なる事にも触れています。

元記事には、キヤノン機(デジタル一眼レフ)とマイクロフォーサーズ機も測定したデータを掲載していますが、キヤノン機は「1DX」「5Dシリーズ」などプロ・上位機種を中心としたデータで、加えてIBISを搭載していない機種になります。

これ以降は私個人の雑談…。

以前オリンパスの某機種を購入し、撮り始めからピンが少し甘めで個人的にIBISに問題があると判断しサービスセンターに持ち込んだところオリンパスの基準としては問題が無いと言われ、交渉したものの不具合ではないのでユニット交換はしない事を告げられ門前払いを喰らった事がありました。

今回の件が問題になるのかどうか現時点で分かりませんが、この手の不具合は顧客が証明する事は難しく、海外の有名どころがこういう報告を掲載した事に意味があるのではないでしょうか。