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キヤノン「EOS R5は革命的な製品」「普及価格帯レンズも投入する」「在庫状況が悪化」

昨日はキヤノンマーケティングジャパンの決算発表、本日はキヤノン株式会社の2020年12月期第1四半期決算発表が行われました。イメージング事業の現在と今後の方向性が決算資料(ノート付き)に掲載されているのでピックアップしようと思います。

キヤノン全体ではなくイメージングシステム(カメラ)事業のみを見て行きます。決算資料(ノート付)は決算発表時のプレゼンで語った内容が掲載されているので、こちらを参考にしています。あまり数字は追わず、今後の方向性に焦点を当ててピックアップしました。

キヤノン決算

第1四半期は大きく減収

当社の第1四半期は、カメラ市場の縮小が継続する中、新型コロナウイルス の影響でサプライチェーンに問題が生じ、製品の供給不足が発生したことで、大きく減収となりました。 今後は、サプライヤーの稼働状況を踏まえた機動的な部品調達を実施するとともに、機種ごとに生産の優先順位を明確にし、売上影響を最小限にとどめられるよう徹底していきます。 こうした供給への影響に加えて、レンズ交換式カメラの販売についても、大きな影響を受けています。

第1四半期のカメラの売り上げは714億円で、前年比で27.0%減となっています。年間の見通しも掲載されていますが、これから新型肺炎が及ぼす経済的な影響が大きく出てくると考えられるので、ほんと見通しといった感じで、今後訂正もしくは取り下げられる可能性もあるのではないでしょうか。

第1四半期のレンズ交換式カメラ販売台数は61万台とのこと。前年比で28%減となっています。あとイメージングシステム全体の利益率が大きく落ちている事が確認できます。第1四半期の営業利益が前年比で80.6%減に…。※営業利益 47億円 → 9億円

2020年のカメラ市場は、2019年よりも減少率は拡大する

ライフイベントの中止や延期が相次ぎ、カメラを使う機会は減っており、また、嗜好品であるカメラの需要は、世界経済の混乱が収束した後も回復には時間がかかると想定されるため、2020年の市場は 2019年よりも減少率は拡大すると見込まれます。 厳しい事業環境ではあるものの、当社は中長期的に収益性を維持していくために、プロやハイアマユーザー向けモデルに注力する戦略を着実に推し進めていきます。

年明けから今年のカメラ市場はさらに縮小すると言われていて、その上新型肺炎の影響でかなり打撃を受ける事が予想されます。" 回復には時間がかかる " と想定しているので、キヤノンのように大きなシェアを持っているメーカーも苦しいし、体力のないメーカーも苦しくなってくるのではないでしょうか。

今後の戦略は去年と同様に " プロやハイアマユーザー向けモデルに注力する戦略 " である事が伺えます。すでにキヤノンは「EOS R5」の開発発表を行い、今のところ「EOS R6」も噂されています。

「EOS R5」は、圧倒的に高機能で革命的な撮影体験を提供する強力な新製品

当社はフルサイズミラーレスカメラの新製品として、この第1四半期に『EOS R5』の開発を発表しました。『EOS R5』は、圧倒的な機能の高さにより、発表当初から高い評価を多数受けています。レンズ交換式カメラでの8K動画撮影に加え、従来、レンズに搭載していた手振れ補正機構をカメラ内にも搭載し、双方を協調制御することで、更に高性能な手振れ補正性能を 目指しています。静止画・動画ユーザー全てに、革命的な撮影体験を提供 する強力な新製品です。

キヤノンは相当「EOS R5」に自信を持っており、売上も期待しているのではないでしょうか。先日も8K/4K動画スペック情報を更新したばかり。「EOS R5」ハンズオン動画も登場し、そう遠くない未来に正式発表されそうな感じです。しかし発売に関しては、7月まで発売される事はなく、安定供給は10月ぐらいになるのではないか?と噂されています。

普及価格帯レンズも投入する 今年は9本を予定

さらに、フルサイズミラーレスに対応した専用レンズを今年新たに9本投入し、合計で19本にまでラインアップを拡充していきます。これまで十分にカバーできていなかった普及価格帯にも製品を投入し、ユーザーのレンズ選択の幅を大きく広げることで、カメラ本体の販売にもつなげ、フルサイズミラーレスの需要を喚起していきます。

キヤノンは「EOS R5」開発発表時に9本のRFレンズ (エクステンダー2種を含む)を計画している事を告知済み。

  • RF24-105mm F4-7.1 IS STM (4月に発売済み)
  • RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
  • エクステンダー RF1.4×
  • エクステンダー RF2×

今回の決算発表の内容を見る限り、残りのRFレンズの一部は " 普及価格帯 " のレンズである事が伺えます。キヤノンは、Lレンズを中心にRFレンズラインアップを拡充してきましたが、どうやらお財布に優しいRFレンズも今年登場しそうな気配。

在庫状況

3月末時点の在庫が増加

イメージングシステムでは、カメラが、サプライチェーンの問題から一部の部品調達が難航し、効率的な生産を行えなかったことから工場在庫が増加しました。今後は、部品の納入状況を考慮し、より柔軟に生産の調整を行っていくことで、適正化を図っていきます。

柔軟に生産調整を行うようですが、部品調達の安定をはじめ新型肺炎の影響をある程度コントロールできる状態にならないと働けないので、ある程度終息に向けた見通しが立たないとなかなか調整は難しかもしれません。

交換式レンズ比率

まずキヤノンが第1四半期決算を発表しましたが、4月末~5月に掛けて各カメラメーカーは決算発表を控えています。おそらく程度の幅は違うと思いますがキヤノンと同じように減収減益になる事が予想されます。