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富士フイルム チェキとチェキ(スマホ)プリンターの世界的な需要強し

先日 富士フイルムは年間決算発表を行いました。質疑応答(Q&A)書類を追加公開し、チェキのグローバル的な需要の状況と強さの詳細を語っているのでピックアップしてみました。興味深い内容となっています。

Q︓イメージングについて、販売が好調な INSTAX”チェキ”の、足元の市中在庫の水準や、地域別の販売状況は︖ 好調の要因についても教えてほしい。

A︓需要が強く、在庫は薄い状況でバックオーダーを解消できていない。地域別にはアメリカ、ヨーロッパ、 次いで中国、日本が強く、インドも伸びている。INSTAX”チェキ” が販売好調かつ高収益の要因は、スマホプリンターの「Link2」が伸び、フィルムの 使用量が増えていること。1年間にスマホで撮影される画像数は、カラーネガフィルムの売上がピークだった2000年頃の撮影画像数に対して、数十倍の規模といわれている。このスマホにある大量の画像をどれだけプリントしてもらえるかが重要だ。写真事業は衰退産業とみられることもあるが、まだまだ成長の余地はあり、今後もキャッシュを創出させる。※2023年3月期決算説明会 質疑応答(PDF)より

個人的に興味深かったポイントを2つピックアップしてみると…

チェキは世界的に供給不足傾向

チェキは日本だけでなく世界的にバックオーダーを解消できておらず供給不足傾向である事が伺えます。需要の伸びは地域別で…

  1. アメリカ
  2. ヨーロッパ
  3. 中国
  4. 日本
  5. インド

…となっており、チェキがグローバルに人気を博している模様。

スマホによる膨大な撮影枚数によるスマホプリンター需要

1年間にスマートフォンで撮影される画像撮影枚数は、カラーネガフィルムの売上がピークだった頃よりも数十倍の規模と表現しており、富士フイルムは写真事業において " 成長の余地あり " と表現しており興味深く感じます。スマホの登場でカメラ市場が縮小した事は事実ですが、撮影される画像枚数は劇的に増加してており、今後 富士フイルムがどのくらい印刷需要をさらに引き出す事ができるのか注目です。

キヤノンもスマホやデジタルカメラの画像を印刷できるミニフォトプリンターを商品展開しており、BCN+Rの2022年11月のデータになりますが、国内ではキヤノンの方が大きなシェアを握っている模様。個人的に富士フイルムの方がシェアを持っているイメージがありましたが、国内ではやっぱりキヤノン強しといった感じでしょうか。育った畑の刈り取り方とタイミングが上手いのかな~。

富士フイルムにとってチェキ関連事業はドル箱

富士フイルムのイメージングは大きく2つに分かれており…

  • コンシューマーイメージング … チェキ、インスタントフォトシステム、カラー印画紙など
  • プロフェッショナルイメージング … Xシリーズ、GFXシリーズ、シネレンズ、放送用レンズなど

通年 チェキが属するコンシューマーイメージングは、X/GFXシリーズを擁するプロフェッショナルイメージングの約2倍ぐらいの売上高を叩き出しており " ドル箱 " と言って良い存在ではないでしょうか。チェキ関連のフィルムの売上も大きそうな予感。チェキが元気な内は、フィルム需要でキャッシュを創出できるのだから。※2023年3月期 (2022年4月~2023年3月売上高) : コンシューマーイメージング 2,669億円、プロフェッショナルイメージング 1,434億円