キヤノン EOS C500 Mark IIから見えてくる画質の進化 独自ベースISO技術を解説
キヤノンが、InterBEE 2019会場で行った「オープンセミナー初日 キヤノン スペシャルトーク」をYouTubeでLIVE配信を行い、その中の " EOS C500 Mark II 開発者トークショー " で興味深い画質向上の話を展開しています。
11:00~11:45まで行われた「EOS C500 Mark II 開発者トークショー (33:00あたりから)」で、その中から3つの色再現テクノロジーをピックアップしてみました。
ガマットマッピングによる色再現性 ※1:02:40あたりから
CMOSセンサーの色域は非常に広いが、そのまま709で絵作りしてしまうと709の色域からはみ出てしまう部分が出てしまうのでガマットマッピングの技術を用いたキヤノン独自の非常に広い色域を持つ " シネマ・ガマット " というモードでデータ処理を行い、この広い色域から " 709 " や " 2020 " に押し込む事で色域外の色も表現できるとのこと。従来モデルもやっていたが、これまでは中々そのままの色を表現する事が難しかったが、今回「EOS C500 Mark II」は正確な色が表現できるようになったそうです。
解像力は、イメージセンサーやレンズの部分など光学的な性能を上げる事で解像感を向上させるイメージがありますが、データとして映像処理の部分で精度の高いガマットマッピングを行う事でディテールや解像力の部分において影響してくるそうです。コントラストが非常に大事で、解像力・解像感に大きく影響してくるとのこと。
色曲がりの改善 ※1:05:50あたりから
徐々に明るくしていったカラーバー画像で説明を行い、色相が一定な自然な消え方を実現している模様。なだらかなグラデーションできっちりした色分けを実現し、フィルムを意識しフィルムのような消え方を再現しているそうです。
只のベースISOテクノロジーではなかった ※1:06:44あたりから
ソニーは「Dual Base ISO」の名称で、パナソニックは「Dual Native ISO」の名称で、ベースISOを2段階用意しデュアルで使い分ける事により効果的なノイズ耐性を実現していますが、キヤノン「EOS C500 Mark II」はこのベースISOテクノロジーにおいても独自技術を投入しています。
以前PRONEWSが掲載した記事でその存在は知っていたのですが、個人的にもう少し詳しい説明が欲しいと思っていたので、ようやくどのように機能するのか理解できました。
まず最近流行りのダブル(ディアル)ISOの感度設定だが、EOS C500 Mark IIでは、ISO感度はISO160~ISO25600までの設定のほか、ISO100~ISO102400までの拡張モードでも設定可能となっている。他社との違いとしては、この有効ISOレンジの中で、およそ7段階程度のベース感度の切り替え操作が自動的に行われているとのこと。デュアルISOシステムのカメラとはS/Nの部分では、レンジによって一長一短あるが、他社のように2つのフィルムストックをイメージさせる機能よりも、よりきめ細やかなISO変換がなされているという。※PRONEWS : [IBC2019]Vol.02 豊作の秋を感じる賑わう会場から〜カメラ、レンズなど注目の新製品と動向より
上記のグラフを基準にするとDual ISOは、2種類のベース感度 ISO500 / ISO2500を用意し、切り替えて使っていく訳ですが、(日中と夜など明らかに輝度条件が違う場合は上手く機能しますが) ISO1600を使いたかった場合、どちらを選択すれば良いのか…ベースが低いISOを選択すればノイズは増えてしまい、ノイズを嫌いベース感度を上げると逆にハイ側のダイナミックレンジだ足りなくなるそうです。
シネマEOSの場合は、2つだけではなく複数のベースISOを用意しシーンによって自動的に繋いでいく処理しているとのこと。グラフと見ると、ISO800 / ISO1600 / ISO3200 / ISO6400 と繋いでいる事が伺えます。先程のPRONEWSの記事では " 7段階のベース感度の切り替えを自動的に行っている " と掲載。
ISO800以降のダイナミックレンジは保たれたままで、なるべくノイズレベルが低い映像を自動的に作っていくのを思想とした技術とのこと。「EOS C500 Mark II」のベースISOはISO800で、それ以降は隠れたベースISOにより、ユーザーはベースISOの変更は気にする事なく意識せずに使える仕様のようです。※ちなみにパナソニックのDual Native ISOも自動切換が可能、ソニーの方は勉強不足でよく分かりません…^^;
これらの機能が民生機である「EOSカメラ」に出し惜しみする事なく降りてくる事に期待です。