パナソニック「S1H 動画RAW出力の完成度に自信」「中望遠単焦点レンズの要望は持ち帰り」
パナソニックが、CP+2020で見せたかったものをクロストーク(座談会)した期間限定動画をYouTubeに公開しました。2020年春に公開予定の「S1H」RAW動画出力ファームウェアの完成度の話から、RAWの汎用性の高さ、MFTレンズラインアップ上で大口径中望遠単焦点レンズが必要であると要望される話まで興味深い内容となっています。
映像作家 まるやまもえる氏、ビデオグラファー 栁下隆之氏、パナソニック LUMIX 商品企画 香山正憲氏、パナソニック LUMIX マーケティング 中西智紀氏が出演。本当はCP+2020 パナソニックブースで見せたかったモノやポイントをクロストーク形式で展開していく内容となっています。個人的に興味深かったポイントをピックアップしてみました。
「G9」動画性能評価
まず会場で見せたかったのは10bit Logで撮影可能なカメラが増えてきたなので「S1」「S1H」「GH5」「GH5S」「G9」などラインアップをしっかり展示しようとていたようで、この中で「G9」が強化ファームウェアアップデートで動画性能が向上し有償でLog撮影も可能になった事に触れ話に花が咲く展開に。動画性能はGH5に近付きつつあり、動画撮影で長回ししなくて良いのであれば「G9」で充分である結論に。
「GH5」「GH5S」「G9」は三兄弟であるが、操作系は「G9」「Sシリーズ」の方が親和性があるかもしれない
栁下氏が「S1H」と「GH5」を行ったり来たりして使うと少し戸惑う、「G9」の方が「S1シリーズ」の流れにあるデザインに感じるコメント。社内で「GH5」「GH5」「G9」は三兄弟と呼ばれているそうで、やはり「G9」はスチル(静止画)撮影においてしっかり刺さるように仕上げているとのこと。Sシリーズはさらにフルサイズでプロフェッショナルを狙う上で操作系をブラッシュアップしているので、もしかすると「S1シリーズ」を使った後「GH5」よりも「G9」の方がすんなり入っていくかもしれないと香山氏が語っています。
「S1H」動画RAW出力の完成度に自信
2020年春にファームウェアアップデートで対応する「S1H」動画RAW出力にかなり自信があるようで、CP+2020で是非お見せしたかったと語っています。これまで他の映像系イベントでも何度か公開していますが、公開間近な時期だけにこの完成度を会場で体感してもらいたかったと力説。動画の中でリリース時期を " 3月～5月 " と語っているので、そう遠くない未来に予定通り公開される模様です。
RAWはLogと違って雑に使えるし、RAWでアーカイブを残しておく価値もある
- Logと違ってApple ProRes RAWは雑にいじってもバンディングしない
- 10bitよりも色深度が深い分あまり知識がなくても、雑に撮ってもちゃんとグレーディングできて懐が深い
- 白飛びしないように露出を決めてパっと回せば割と残っている…そいううイメージ
- ビットレートは高いけどRAWで撮っておけるなら撮っておいた方が良い
- 今現像しなくてもアーカイブとして残しておけば、未来新しいソフトウェアで正しい現像をする事でより解像度が高まったりするので、RAWで残しておくメリットは益々高まる
上記のように栁下氏がRAW撮影しておく事のメリットを語っています。どうやらパナソニックは、CP+2020でワークフロー的にトップエンドであるRAW撮影から「G9」でも10bit撮影が可能なったところまで動画撮影の幅が広がった事をアピールしたかった事を中西氏が語っています。あとスチル出身のユーザーに対してLogを使う事は、そんなに難しい事ではないメッセージも色んなPRの中でしていきたい模様。
大口径中望遠単焦点レンズの要望は社に持ち帰ります
栁下氏が、2020年4月24日発売予定の「ノクトン60mm F0.95 (マイクロフォーサーズマウント)」 を取り出し、パナソニックのMTF単焦点レンズラインアップの中で「LEICA DG NOCTICRON 42.5mm F1.2」より長い焦点距離の明るい単焦点レンズが無い事を指摘。ライカブランドでF値が明るくAFに対応した中望遠単焦点レンズを要望する展開に。
Lマウントは純正レンズで使うのが一番
AFとフォーカスリングのリニア・ノンリニアとリニア時の制御の細かさ、私は断然純正レンズで使うべきだと思いましたと栁下氏がコメント。他社のLマウントレンズを「S1H」で試した事があるそうで、フォーカスリングの制御が違う模様。動画はどうしてもマニュアルで撮りたくなるとのこと。