ソニー 「ミラーレスカメラ競争が激しくなっているが、主要市場におけるシェアを維持」
ソニーが、2019年度 第3四半期決算発表を行いました。
ソニーは機構改革を行いカメラ・テレビ・オーディオ・モバイルを合わせ「エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション(EP&S)事業」と括っているのでイメージング事業が見え難く詳細は明らかにしない傾向が強いですが、決算説明会資料・決算短信・補足資料・プレゼン音声データで見えてくるところをまとめてみました。
エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション(EP&S)事業
メインの決算説明会資料では「エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション(EP&S)事業」全体で示し、2019年度2月時点の見通しとしてテレビ、デジタルカメラ、放送用・業務用機器を含めて売上見込みの下方修正したものの営業利益は影響なしとしています。
静止画・動画カメラ 売上高 ※第3四半期連結累計期間 単位:百万円
- 2018年度第3四半期 連結累計期間 … 339,057
- 2019年度第3四半期 連結累計期間 … 321,891
- 増減 … △17,166
2018年度と比較するとソニーと言えどもカメラ市場縮小の影響を受けている事が伺えますが、競合他社と比べると落ち込みは最低限に抑えている印象。補足資料の方には四半期で分けた売上高表も掲載。※画像の色が付いた文字とマーカーは分かり易くする為に追加しています。
デジタルカメラ 販売台数 ※単位 : 百万台
- 2017年 … 全体 4.4
- 2018年 … Q1 1.0 / Q2 0.9 / Q3 1.1 / Q4 0.6 / 全体 3.6
- 2019年 … Q1 0.8 / Q2 0.7 / Q3 0.9
やはり販売台数も落ちてきている事が確認でき、300万台超えるのかどうか気になるところ。しかしソニーはいち早くフルサイズミラーレスラインアップを構築する事でシェアを確保し利益率重視の戦略も成功しており、デジタル一眼レフを維持する必要もなく某競合メーカーのような大きな落ち込みが無い事が伺えます。ちなみにCIPAがPDFでカメラ市場は2020年も2ケタ割れが続く見通しを発表してるので、意欲的な新型機を投入していかないと維持できなくなるメーカーが出てくるかもしれません。
年末商戦
プレゼン音声データの中で年末商戦に関する言及があり「昨年末の年末商戦は主力製品のテレビ・ミラーレスカメラを中心に厳しい環境での闘いとなったが、全体として価格・供給・在庫のコントロールが出来たと総括している」とコメント。プレゼンでは語っていませんが、「α7 III」が初めてキャッシュバック・キャンペーン対象となった事も話題となり「フルサイズミラーレス年末商戦はソニーが圧勝」報道も。キヤノンは「カメラ年末商戦の売上が期待を下回り期末在庫は高い水準。」である事を明らかにしているので、やはり在庫のコントロールが重要な模様。
プレゼンで「ミラーレスカメラは競合の本格参入より競争が激しくなっているが、主要市場におけるシェアを維持しデジタルカメラ全体でも前年同期を上回る実績を残す事ができた。」とコメントしています。