キヤノン ミラーレス " フルラインアップ戦略 " を明らかに 東京五輪にはプロ機を投入
dpreviewが、ミラーレスに焦点を当てたキヤノン インタビュー記事を掲載しました。キヤノン社内では " フルラインアップ戦略 " と呼ばれる 計画があり、この戦略に基づいてミドルクラス・ハイエンドミラーレス市場に取り組んでいくとコメントしています。東京オリンピックに向けてプロ機を投入する事を示唆するようなコメントも。
キヤノンが、ラインアップにハイエンドミラーレス機を加える事はどのくらい重要なのでしょうか?
- " フルラインアップ戦略 " と名付けられた計画があり、それに基づきミッドレンジ・ハイエンドミラーレス市場に取り組んでいく
- 新型 EOS Kiss M (海外名 EOS M50)はエントリークラス・モデルで、数を売るモデルでありこの市場における地位を確立し、そこから前進したいと考えている
- 例外なくユーザーの要望を満足させるべく、そのギャップを埋めていきたい
EOS Kiss Mは、4KとデュアルピクセルCMOS AFに対応していますが、4K撮影時デュアルピクセルCMOS AFは動作しません…同時使用できないのは技術的な問題があるのでしょうか?
- EOS 5D Mark IVでは、4KとデュアルピクセルCMOS AF同時使用に対応しているので、技術的な問題はありません
- ラインアップ的にEOS Kiss Mの立ち位置を考えると、EOS 5D Mark IVのような(上位)機種の機能すべてを採用する事はできない
- 製品の立ち位置的にそのレンジに見合った機能とバランスを実現した機種に仕上げたかった
ある競合他社(ソニー)が、キヤノンが1年以内にフルサイズミラーレス機を投入すると推測していますが? 現実的にありえますか?
- そうなると良いですね、そうでしょう?
2020年に東京オリンピックが開催されるますが、その時にキヤノン機を使用する写真家の状況はどうなっていると思いますか?
- 東京オリンピックは非常に重要で、その時にプロ機を投入したいと考えている
- パフォーマンスだけでなく、プロ仕様デジタル一眼レフで培ってきた同じレベルの信頼性を実現したいと考えている
- 製品・サービス・(オリンピックのような)イベントでキヤノンの存在感を高めてきたい、上からも最大限に発揮するよう言われている
エントリー機において重要な品質とは?
- いつもスピード・使い易さ・最高の解像度を探し求めている
- サイズや質量そしてGUI(グラフィカル・ユーザー・インタフェース)も含まれる
4K動画撮影機能は、エントリー市場もしくは愛好者/プロセグメントでさらに重要な機能になっているとお考えですか?
- 4Kはすべての市場セグメントとすべてのユーザーにとって重要であると考えている
- そのクラスごとに最高の4K機能を実装する事を考える必要があり、エントリークラスよりもハイエンドカメラではさらに4K動画を活用できるようになっている
- エントリー機にハイエンド機すべての機能を実装は出来ず、EOS Kiss Mは4K 25fpsに対応していて、現時点における最善策
以前デジタル一眼レフ技術と比べて遜色がないモノになるまでハイエンドミラーレス機を導入しないと言っていたが、そろそろ実現しそうですか?
- 様々な機能を採用したエントリークラスからプロフェッショナルカメラをラインアップしている
- ミラーレス機においてエントリークラスをラインアップし、ミドルクラスのラインアップを開始したところである
- この製品ラインのミラーレス製品技術においてキヤノンは自信を持っている
- 顧客がが(迷いなく)自信を持ってデジタル一眼レフからミラーレス機に移行し満足できるレベルを達成すべく、やるべき仕事はまだ残っている
- ハイエンド機においてAFとEVFに関してはまだやるべき事が残っていて、まだ開発の途中である
読者は " キヤノンは少し保守的 " だと認識していますが、キヤノンのイノベーションとは?
- キヤノンは、競合他社が投入している斬新な機能というよりも基本性能こそが重要だと考えている
- スピード・使い易さ・良好な画像品質
- デュアルピクセルCMOS AFは、その哲学を代表する機能である
- 静止画だけでなく動画機能も重要で、開発の真っ最中
- Dual Pixel Rawもあり、この技術を活かした新しい方法を模索中である
- キヤノンレンズは競合他社と差がないように見えるかもしれないが、パフォーマンスにおいては優れたレンズをラインアップしている
- 特殊なガラス素材やその製造技術があり、耐久性・信頼性・耐低温性能などのパフォーマンスを楽しむことができる
- AIバウンス機能を搭載した " スピードライト 470EX-AI " 新製品も用意していて、カメラ・レンズ・アクセサリー全体でイノベーションを起こす事ができると考えている
ミラーレスシステムへの移行は技術的に大きな課題ですが、新しいレンズシステムの構想は?
- EFレンズマウントを始めて30年以上が経ち1億3000万本以上のレンズを販売しているので、市場的にこれは無視はできない
- 現時点でミラーレス技術の推移を見ていて、実現可能な技術を検討中である
- 答え難い質問であるが、あなたのイマジネーションの一部が現実になるかも
キヤノンの最優先事項は?
- レンズを含む製品ラインアップの更新(改善)
- エントリークラス EOS Kiss Mを投入したが、若い人たちに積極的に写真に取り組んでもらうためにエントリークラス・セグメントは常に取り組む必要がある
かなり長い間キヤノンとニコンはプロ市場を支配してきましたが、このところ多くの競争にさらされています。多くの競争はキヤノンにとって良い事をもたらしますか?
- 業界が活性化し前向きに捉えている
- それはプレッシャーとなりアイディアや革新的なモノを生み出す
- お互いが競争にさらされる事により刺激を受けレベルアップしていく
非常に長いインタビュー記事でかなりざっくり抜き出してみました。この他にも従来通りカメラを進化し続けながらもスマートフォンなどのアプリ(画像キャプチャーツールなど)の提供する必要性があり双方アプローチしていく考えもコメントしています。
編集後記には、キヤノンのフルサイズミラーレス機の投入が差し迫っている事を感じ、東京オリンピックに向けたプロ機の登場に期待しています。