ホーム > カメラニュース 2019 > キヤノン 2019年第2四半期決算発表 デジタル一眼レフには触れずミラーレス重視を強調

キヤノン 2019年第2四半期決算発表 デジタル一眼レフには触れずミラーレス重視を強調

キヤノンが2019年第2四半期決算発表し下方修正を行い、カメラをはじめとするイメージング部門の落ち込みが話題となっています。関連資料が公開されており、個人的に気になった部分をピックアップしようと思います。

Yahooニュース(ロイター)「キヤノンが通期営業益予想を37%減に下方修正、カメラ悪化」に大まかなポイントが掲載されていて、田中社長がカメラビジネスのおいてカメラが売れる米国と中国の貿易摩擦の影響を示唆するコメントを掲載。

キヤノン イメージングシステム決算

2019年第2四半期 決算説明会資料(PDF)」を見てみると、カメラ市場における年間販売台数とキヤノンが予定する年間販売台数の見通しは据え置きとなっています。ニュース記事のように米中貿易摩擦の影響が出るのであれば、カメラ市場年間販売台数の見通しは下方修正するのが自然と思いますが、据え置きなので直接的な原因は貿易摩擦ではない可能性も。

「市場でのプレゼンスを一層高め、ミラーレスの販売につなげる」と掲載し、よりミラーレス重視の方向性である事が伺え「2019年12月期 第2四半期 連結決算概要(PDF)」を見てみると…

  • レンズ交換式デジタルカメラは、ミラーレスカメラの拡販に努めましたが、市場縮小の影響を受けて、全体の販売台数は前年同期を下回りました。
  • イメージングシステムビジネスユニットでは、レンズ交換式デジタルカメラは市場の縮小が続きましたが、ミラーレスカメラにおいては、前年下期からフルサイズの新製品を相次いで投入したことにより市場でのプレゼンスが高まり、順調に数量を伸ばしました

どうやらミラーレスカメラ自体の販売台数は順調である事が伺えます。…という事は、さらにデジタル一眼レフの売り上げが落ちている事が伺えます。両資料共に " デジタル一眼レフ " には一切触れず、デジタル一眼レフの販売台数や売り上げは表に出したくない感じがします。

上記のスクリーンショットを見て分かる通り " 対前年売上伸び率 " も " 台数伸び率 " もマイナス成長でしかも二桁。以前キヤノン 御手洗冨士夫会長が2019年1月にインタビュー記事で「デジタルカメラの市場が今後2年間で半分ほどに縮小する恐れがある」と語っていましたが、少なくともキヤノンのカメラ部門の営業利益は下がり続けています。

年間販売台数は据え置きしている事から、2019年下半期は落ち込み分を挽回する新型カメラの登場が予想されます。個人的にキヤノンが RF / EF / EF-S / EF-M マウント体制をどこまで続けていくのか気になるところ。

あとニュース記事では、構造改革費用を200億から300億円に積み増す事も伝えていて、キヤノンがカメラ部門においてどのようなテコ入れをするのか注目です。