EOS R5 新ファームウェアで熱問題は解決したのか? dpreview結果報告動画を公開
キヤノンが「EOS R5」新ファームウェアアップデート Ver.1.1.0を公開しました。dpreviewが、早速旧ファームウェアと新ファームウェアで動画撮影時間を比較した報告動画を公開しました。
EOS R5 ファームウェア Version 1.1.0
- 映像をカメラの画面に表示しながら、HDMI出力による映像表示を行う設定時に、[温度上昇緩和:入]が設定できるようになりました。
- 一部のRFレンズを使用した動画撮影におけるレンズ内手ブレ補正の制御を改善しました。
- 表示言語「英語」設定時:「スローシンクロ」の設定画面における情報表示を修正しました。
- FTP転送時の接続性を改善しました。
- 一部のCFexpressカードを使用した際にカードへアクセスする時間を改善しました。
- 動画撮影において、温度検知および撮影可能時間制御の改善を図りました。また、これにより常温環境下で短い時間の撮影と電源OFFを繰り返した際の撮影可能時間の改善を図っております。
- 「日付/時刻/エリア」設定をしていないと、動画撮影可能時間が正しく表示されない現象を修正しました。
上記の7項目を含んだファームウェアアップデートなっています。基本的にバグ修正がメインのファームウェアになっている印象で、動画関連は " 温度検知 " と " 撮影可能時間の改善 " を図っている事が伺えます。
まず最初にジョーダン氏が、ネットで熱問題やそれを回避するハックが話題になっているが今回はその話はしないと明言。単に今回の新ファームウェアで以下のような結果が得られるとテスト結果を報告しています。ジョーダン氏の表情がすべてを物語っている印象。
8K IPB
- 熱警告 … 16分45秒 → 20分21秒
- シャットダウン … 19分41秒 → 24分53秒
8K撮影後 30分クールダウンさせた後に撮影可能だった記録時間
- 5分 → 10分
8K撮影後 1時間クールダウンさせた後に撮影可能だった記録時間
- 10分 → 15分
8Kという一番厳しい条件でテストした結果、劇的な改善とは言えないが確かに改善しているとコメント。8Kは現時点でニッチなフォーマットで、これをメインの記録フォーマットにしている人は多くないとして、4Kでも比較テストを行っており、結果は以下の通りとなっています。
4K HP IPB
- 熱警告 … 26分12秒 → 32分13秒
- シャットダウン … 29分52秒 → 39分10秒
4K撮影後 1時間クールダウンさせた後に撮影可能だった記録時間
- 15分 → 20分
ジョーダン氏は、キヤノン「EOS R5」の4K HP 品質を評価。4Kの撮影時間も改善されているのの、大きな改善ではなく依然オーバーヒートの影響を受けており長時間クールダウンさせる必要があると解説。
今回のテストは実際の撮影には程遠くテストごとにクールダウンさせるために3時間空けた事に触れ、実際屋外で撮影する場合、写真を撮ったり動画を撮影したりするので、動画撮影の合間に静止画を30分/1時間 毎分2枚インターバル撮影したテストも行っています。
30分写真撮影後 4K HP IPB撮影
- 15分 → 20分
1時間写真撮影後 4K HP IPB撮影
- 5分 → 10分
ファームウェアで改善した事自体は評価していますが、この「EOS R5」の熱問題に対してなぜキヤノンは、隠し立てするのか、新ファームウェアのドキュメントで熱問題の改善に(直接)言及していないのか、なぜこの問題がそもそも存在するのか…と疑問を呈しています。
何気にdpreview内でもこの「EOS R5」の熱問題の捉え方に差があるような印象で、やはり動画担当のジョーダン氏は納得していない事が伺えます。擁護するような別記事が存在し、EOSHDが物申す展開になった事も。
あと映像系メディア Newsshooterの「EOS R5」新ファームウェア記事に興味深い文言を発見。「我々は、EOS R5の記録制限に関する透明性を保ち続けており、このカメラが仕様通りに動作する事に確信を持っている。」というキヤノンのコメントを掲載。新ファームウェアの効果を説明した文章がこのコメントの前に付きますが、発表時に制限がある事は告知済みで " 熱問題ではなく仕様である " と表現しているようにも受け取れます。