キヤノン「RF400mm/600mm」のレンズ構成やMTFなど基本性能はEF版と同じ模様
昨日キヤノンのRFマウント L超望遠レンズ「RF400mm F2.8 L IS USM」と「RF600mm F4 L IS USM」が発表されましたが、スペックシートやレンズ構成図・MTF曲線を見る限り既存のEFマウント「EF400mm/EF600mm」とサイズと質量と価格そしてIS性能以外は同じに見えます。
「RF400mm F2.8 L IS USM」と「EF400mm F2.8L IS III USM」比較
RF400mm F2.8 L IS USM 基本スペック
- 画角(水平・垂直・対角線) 水平05°10′ / 垂直 03°30′ 対角線 06°10′
- レンズ構成 : 13群17枚
- 絞り羽根枚数 : 9枚
- 最小絞り : F32
- 最短撮影距離 : 2.5m
- 最大撮影倍率 : 0.17倍
- フィルター径 : 差し込み52mm
- 最大径×長さ : φ163mm×367mm
- 質量 : 2890g
- IS効果 : 5.5段分
EF400mm F2.8L IS III USM 基本スペック
- 画角(水平・垂直・対角線) 水平05°10′ / 垂直 03°30′ 対角線 06°10′
- レンズ構成 : 13群17枚
- 絞り羽根枚数 : 9枚
- 最小絞り : F32
- 最短撮影距離 : 2.5m
- 最大撮影倍率 : 0.17倍
- フィルター径 : 差し込み52mm
- 最大径×長さ : Φ163mm×343mm
- 質量 : 2840g
- IS効果 : 5段分
両レンズの基本スペックを比べると長さと質量以外は同じである事が確認できます。発表前に両レンズのスペック情報(噂)が登場した時に、EF版とスペックが同じでマウントアダプター分長くなったのではないか?という意見をSNS上でいくつか見かけましたが、そんか感じがしてきました。
レンズ構成図比較
レンズ構成図を見てもまったく同じ。製品ページを見ても搭載テクノロジーは、蛍石レンズ / スーパーUDレンズ / ASC / IS / リング USM / リアフォーカス / フルタイムマニュアル / 防塵・防滴 / フッ素コーティングとまったく同じである事が確認できます。
MTF曲線比較
MTF曲線を見ても同じで、MTF特性も同じという事になり、推測ながらも全体的に見て写り自体もほぼ同じではないか?という結論にたどり着いてしまいます。
キヤノンオンラインショップ価格
- RF400mm F2.8 L IS USM … 1,665,000円(税込)
- EF400mm F2.8L IS III USM … 1,663,200円(税込)
「RF400mm F2.8 L IS USM」の予約受付が現時点で開始されておらず量販店の売り出し価格が分からないのでキヤノンオンラインショップ価格を比較してみるとほぼ同じ。「RF400mm F2.8 L IS USM」製品ページを見ると " 画質もサイズも定評のあるEFモデルと同等を実現 " と掲載しているのみで、新たな光学設計やコーティングが施されたとういうよな記述はありません。あとIS効果に関しては、5段→5.5段分効果に向上している事が伺えます。
「RF600mm F4 L IS USM」と「EF600mm F4L IS III USM」比較
「RF600mm F4 L IS USM」基本スペック
- 画角(水平・垂直・対角線) 水平03°30′ / 垂直 02°20′′ 対角線 04°10′
- レンズ構成 : 13群17枚
- 絞り羽根枚数 : 9枚
- 最小絞り : F32
- 最短撮影距離 : 4.2m
- 最大撮影倍率 : 0.15倍
- フィルター径 : 差し込み52mm
- 最大径×長さ : φ168mm×472mm
- 質量 : 3090g
- IS効果 : 5.5段分
「EF600mm F4L IS III USM」基本スペック
- 画角(水平・垂直・対角線) 水平03°30′ / 垂直 02°20′′ 対角線 04°10′
- レンズ構成 : 13群17枚
- 絞り羽根枚数 : 9枚
- 最小絞り : F32
- 最短撮影距離 : 4.2m
- 最大撮影倍率 : 0.15倍
- フィルター径 : 差し込み52mm
- 最大径×長さ : φ168mm×448mm
- 質量 : 3050g
- IS効果 : 5.0段分
レンズ構成図比較
MTF曲線比較
キヤノンオンラインショップ価格
- RF600mm F4 L IS USM … 1,810,000円(税込)
- EF600mm F4L IS III USM … 1,801,800円(税込)
「RF600mm F4 L IS USM」と「EF600mm F4L IS III USM」も同じで、キヤノンは光学性能的に問題ないと判断し光学系を引き継ぐ事を決めたのかもしれません。ただしシグマがデジタル一眼レフ用レンズをEマウントに対応した時と同じ様に全長が長くなり、40g質量も重くなったのは確か。このポイントをどう考えるのかユーザーに委ねられています。ミラーレス用レンズは、モーター周りの仕様が注目される事が多くなってきていますが、まったく変わっていないのかどうか気になるところです。この辺は、国内外のインタビュー記事などで明らかになる事に期待。でも変わっていたら大きくアピールしますよね。
将来的に「RF400mm F2.8 L IS II USM」と「RF600mm F4 L IS II USM」が登場した時に光学性能(設計)やフォーカス構造など大幅な進化を果たす可能性があるだけに、今回の「RF400/600mm」I型の基本性能がEF版と変わらないのであれば、EF版をすでに所有している方にとって悩みどころかも。
しかし個人的にキヤノン・ユーザーさんや映像系メディアはキヤノンに優しい印象があるので、新レンズのレンズ構成やMTFが以前と同じ事ぐらいな事では問題にならなさそう。今後大きなスポーツイベントやワイルドライフなどで両レンズが活躍する事に期待です。