キヤノン 2025年上期決算発表 カメラは安定市場と米国関税駆け込み需要で大幅増収
キヤノンが、2025年12月期第2四半期 決算 (2025年4月-6月実績) を発表しました。キヤノンにとって上期決算 (2025年1月-6月実績) にあたり、2025年上期と通期見通しの実績を一緒に見てみましょう。


イメージングは絶好調
イメージングビジネスユニットでは、前年下期に発売したEOS R5 Mark IIに加え、今年投入の動画撮影を重視した新製品EOS R50 VやPowerShot V1を中心に好調に推移し、大幅な増収となりました。ネットワークカメラも、市場が安定的に成長する中で、米国関税引き上げが本格化する前の駆け込み需要もあり、売上を大きく伸ばしました。これらの結果、当ユニットの売上高は、前年同期比6.5%増の2,607億円となりましたが、税引前四半期純利益は、為替の円高影響もあり前年同期比3.9%減の401億円となり ました。中間期の売上高は12.5%増の4,728億円、税引前中間純利益は、27.8%増の724億円となりました。※決算短信より
イメージングビジネスユニットの主要製品は、レンズ交換式デジタルカメラ、交換レンズ、コンパクトデジタルカメラ、コンパクトフォトプリンター、 MRシステム、ネットワークカメラ、ビデオ管理ソフトウェア、映像解析ソフトウェア、 デジタルビデオカメラ、デジタルシネマカメラ、放送機器を含みます。
イメージング 上期 / Q2 実績
- 売上高 … 4,728億円 (前年同期比 +12.5%) / 2,607億円 (+6.5%)
- 営業利益 … 724億円 (前年同期比 +27.8%) / 401億円 (-4.7%)
イメージング上期 (2025年1月-6月) 実績は、売上高 4,728億円、営業利益 724億円となっており、前年同期比を見ても大幅増収増益である事が確認できます。Q2の営業利益が前年同期比でマイナスなのは、為替 円高の影響と説明しています。Q2におけるカメラの販売台数は75万台、年間で300万台を見通しています。

イメージングのカメラは、好評な新製品「EOS R50 V」を拡販していくことに加え、コンパクトカメラについ ても「PowerShot V series」の新製品拡販と供給の追いついていない従来機種の増産によって売上を伸ばし、年間で5.4%の増収を見込んでいます。また、ネットワークカメラについては年間でも2桁成長 を実現し、イメージンググループ全体で今年1兆円の売上を目指します。※説明会資料(ノート付き)より
イメージング 通期見通し ※2025年7月24日時点の通期見通し
- 売上高 … 1兆111億円 (カメラ 6,109億円 / ネットワークカメラ他 4,002億円)
- 営業利益 … 1,583億円
引き続き今年度のイメージングの売上高は " 1兆円 " を目指している事が分かります。「PowerShot Vシリーズ」が好調で、供給が追いついていない従来機種も増産し売上を目指す事を明らかに。先日米国関税が " 15% " に決定しましたが、今回の見通しは関税率 " 10% " が年末まで続く事を前提にした数字とのこと。関税率 " 15% " を前提にした通期見通しは次回Q3決算からになりそうです。