シャープ MFT 8Kカメラ サンプル動画とファーストインプレッションが登場
Newsshooterが、シャープのマイクロフォーサーズ 8K ビデオカメラのサンプル動画とファーストインプレッション記事を掲載しました。製品版ではなくプロトタイプとのこと。基本スペックも解説しています。
ブラックマジックの " BMPCC 4K " と類似点はあるが、このシャープの8Kカメラは " バリアングル式モニタ " を採用し、物理的なボタン・ダイヤル類は最小限に留め、非常にミニマルなデザインに仕上がっている模様。シャープは、VloggerやYouTuberに向けて非常に使い易く操作が簡単なカメラをクリエイトしたかったそうです。
サイズと質量
- 多くのミラーレス機よりかなり大きい
- ニコン「Z 6」の質量585g(本体のみ)の50%は重いと推測
8K動画
- 8K (7680×4320) 30fps H.265
- 8K 30pのビットレートは200Mbps
現時点で実現していない機能
- フォーカスピーキング ※製品版で対応
- フォーカス拡大機能 ※製品版で対応
- ネイティブMFTレンズでAFに対応しているが、上手く動作しない
- 現時点でメニューを実装していない ※発売までには実装
- ホワイトバランスはオートのみ ※製品版では調整可能になる
搭載センサー
- シャープが、どのようなセンサーを搭載しているのか、公式に明らかにしていない
- BMPCC 4K、GH5S、Z Cam E2が搭載するセンサーと同じもしくは同系センサーの可能性がある
- クワッドベイヤーセンサーなのか聞いてみたところ「このセンサーはクワッドベイヤーセンサーではない。本当の8Kセンサーである。」とコメント
- 3300万画素 8Kセンサー
入出力ポート (I/O)
- ミニXLR
- フルサイズHDMI
- USB-C
- ヘッドホン
- マイク
バリアングル式モニタ
- 5.5インチ タッチパネル
- スクリーンはかなり高品質で、細部がかなり見易い
- 少し光沢があるが、明るい条件下でも驚くほど良い
メディアと動画記録
- SDXC UHS-I U3 speed class 10 に対応
- 64GBのSDカードには、8K 30p映像を30分記録可能
- カメラ内部記録 : 8K 30p 4:2:0 10bit
- カメラ外部記録 : 8K 30p 4:2:2 10bit ※現時点で計画中
- プロトタイプは、8K 30p 4:2:0 8bit
- 現時点でHDMI出力は8Kしか対応していないが、Ninja VやSmallHD 502で試してみたところ認識し出力可能だった
- 現時点で8K 30pのみであるが、製品版では " 8K 24p / 25p " で記録可能になるはずで、4K 60pにも対応すると思われる
使用感
- 新しいカメラと同様に慣れが必要なってくるが、(現時点で)メニューはないが、非常に使い易い
- (プロトタイプのため)物理ボタンが機能しておらず、すべてタッチパネルで設定を行った
- 軽量でスクリーンは見易く素晴らしい
- マイクロフォーサーズマウントはかなり適応性が高いので、Metabones経由で " Sigma 18-35 f/1.8 " と " Zeiss ZF.2 100m f/2 Macro " を使用して撮影を行った ※ニコン用レンズ
焦点しているのかどうか分からない
- フォーカスアシストツールがなく、背面モニタ上で8K撮影時にフォーカスが合っているのかどうか判断する事が難しい
- 背面モニタの品質の(高さ)事を考えると、フォーカスアシストツールが製品版に実装されば、容易にきっちり判断できるようになると思う
映像品質
- (まだプロトタイプなので)画質に関しては、いきなり結論を出そうとは思っていない
- シャープは、このカメラ開発に関してまだする事が多く残っている事を明らかにしているが、私の第一印象は、ほぼ好意的である
- 明らかにシャープネスが高い画像品質を実現していて、現時点でオートホワイトバランンスしか動作しないが、精度が高く驚いた
- 様々な光源があるラスベガスの街路で撮影を行ったが、バランスが取れた画質を保持し上手く機能している
- 現時点で " REC.709 カラー " のみで撮影が可能であるが、黒潰れする事なく、ハイライトも醜い色になる事はなかった
- 太陽を構図に入れ空を撮影した時、バンディング(グラデーション部分に発生する縞々の線)が発生する時があり、4:2:0 8-bit 撮影では苦労する時も
バッテリーライフ
- キヤノン LP-E6 バッテリーで45分~1時間程度
- カメラ性能を考えると妥当なバッテリーライフであるが、シャープによると製品版では改善される模様
ISO感度耐性/低照度性能
- マイクロフォーサーズセンサー搭載8Kカメラだけに画素ピッチは小さいので、圧倒的な低照度性能はなく、ISO2000を超えるとノイズが見え始める
- ISO5000前後で固定パターンノイズ(筋状のノイズ)が出現し始める
ダイナミックレンジ
- シャープは、ダイナミックレンジは期待しないようにと念を押しているので、おそらく12stopぐらいだろうか
- 初期段階のプロトタイプなのでシャープの主張は理に適っている
- REC.709 カラーで撮影したもののダイナミックレンジに関しては、かなり満足しており、通常の撮影条件おいて必要十分であると思う
メニューシステム
- 現時点で実装されておらず、どのような感じなのか、どのように調整可能なのか分からない
- タッチパネル上で調整可能だった
熱問題
- シャープは、熱処理に注力しており、今回の撮影で熱問題に遭遇する事はなかった
- 私がこれまで使ってきたミラーレスカメラよりも発熱は少なそうである
あと現時点でプレミアやファイナルカットに直接読み込んだり見る事が出来なくて、メディアマネジメントアプリ Kynoを使用する必要があったそうです。シャープはNAB2019でプロキシワークフローを公開予定で、これが複雑だった場合 人々はこのカメラを購入しないだろうとコメントしています。このカメラの可能性を認めシャープを称賛するものの新たなコンセプトなカメラで第1世代である事にも触れています。