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アサヒカメラ休刊発表から一夜明けて 最近の平均発行部数は約3万1500部だった模様

昨日アサヒカメラが、6月19日(金)に発売する2020年7月号を最後に休刊する事を発表しました。COVID-19の影響で広告収入の激減した事を大きな理由として挙げていますが、発行部数の落ち込みも影響しているのと思うので、あくまでも個人的に感じた事を少しだけ。

こういう話はセンシティブな部分もあるのでライフでは正式発表されるまできっちりピックアップしませんでしたが、数週間前からSNS上で「アサヒカメラ」が休刊になる情報が顧客・関係者経由で登場しカメラ界隈で話題になっていました。

2020年3月~5月の平均発行部数は約3万1500部

プレスリリースでは触れていませんが、朝日新聞の記事に3月~5月の平均発行部数が約3万1500部だった事も明らかにしています。どこまでデータが最新なのか分からないものの雑誌広告代理店 HRKSの公式サイトに写真/カメラ雑誌の公称発行部数が掲載されていて…

  • アサヒカメラ … 36,019部 ※休刊
  • 日本カメラ … 45,000部
  • フォトコン … 65,000部
  • カメラマン … 100,000部 ※休刊
  • CAPA … 57,067部
  • デジタルカメラマガジン … 60,000部

上記のデータを見る限り「アサヒカメラ」は、競合誌と比べて発行部数が落ちてきていた印象。

ネット時代になり紙媒体は全体的に発行部数が落ちてきていると思います。あくまでも個人的な印象ですが、アサヒカメラは老舗のカメラ情報誌で「CAPA」や「デジタルカメラマガジン」などと比べるとで購入するコア年齢層が高そうな印象。

各カメラ情報雑誌は個性というか方向性が独自でターゲットとしている読者層が違っている感じで、やっぱり「アサヒカメラ」は読み物的なイメージが個人的に強く、「CAPA」や「デジタルカメラマガジン」はカジュアルなカメラ情報誌といった印象。「アサヒカメラ」は、電車で数時間移動する時など読み物として購入していた感じです。

電子書籍化に積極的ではなかった

収益の条件面など様々な理由があると思いますが、「アサヒカメラ」は電子書籍化に向けて腰が重く、Kindleには対応したのだけど、「楽天マガジン」や「dマガジン」に対応する事なく休刊に。ちなみに「CAPA」は両雑誌読み放題サービスに対応し、「デジタルカメラマガジン」は楽天マガジンに対応しています。一足早く休刊してしまった「カメラマン」も楽天マガジンで読むことが出来ました。

音楽業界はある程度落ち着きましたが、国内の書籍業界においてはまだ電子化に向けた軋轢(?)があるように感じ、デジタル化し販売されていない小説や雑誌も存在します。個人的にタブレットで読む事が多くなり紙の書籍自体を購入する機会が減っているので、何かしら対策を施さないと雑誌販売の収入と広告収入だけでは厳しくなるのも確か。COVID-19の影響で広告主であったカメラ&レンズ関連メーカーが広告を引き上げ、存続が厳しくなった事が伺えます。

「アサヒカメラ」独自サイトは立ち上げず、「AERA dot.」内で記事を更新

休刊するにあたってカメラ・写真情報はネットで発信していく事を明らかにしていますが、独自サイトを立ち上げず既存の「AERA dot.」内で記事を更新していく事も発表。経費の事もあるし「AERA dot.」の集客力を利用し1つにまとめた方が効果を得られる方向でしょうか。学研 = GetNavi = CAPA CAMERA WEB 的なある程度独立したようなカタチになるのか、「AERA dot.」の単なる項目の1つになってしまうのか、現時点でどのような体裁・構成で情報を発信していくのか分かっていません。※カメラマンは「Webカメラマン」に移行。

あとSnowMan 向井康二氏よる「巨匠と撮る白熱レッスン」関しては、「AERA」の方で連載を継続していくそうです。

今後もカメラ市場が縮小し経済が元に戻らない状態が続くと他のカメラ雑誌も休刊になる可能性があり、どのカメラ系メディアもネット上の情報発信に軸足を移して行くとすれば、どのようなスタイルで運営して行くのか気になるところ。今のところ国内では、インプレス = デジカメWatch + デジタルカメラマガジンが強い感じでしょうか。

日本で「dpreview」スタイルは無理なのか?

ネットの情報はオンタイムで進み、海外だと新製品発表時と同時に映像系メディアやインフエンサーなどが一斉にレビュー記事やサンプル画像・動画が登場する事が多く、一足早く海外サイトで情報を拾いに行ってしまう事に。国内と海外のカメラ系メディアの文化やしきたりは違うと思いますが、国内メディアも新製品発表と同時にファーストインプレッション記事や独自サンプル画像・動画を公開してくれればと思う事も。「アサヒカメラ」のような老舗の映像系メディアが変わっていけば、全体に動き出してくれそうな気もするのですが…日本では海外のような展開は無理なのでしょうか。

これまで(デジタル)一眼レフ全盛期は某2大メーカーの影響力が大きく、その分広告費も多く、忖度とは言わないけどある程度配慮したように感じる誌面があったりなかったりした印象ですが、今ではWeb上で某2大メーカーランキング圏外と普通にタイトル付けできるようになってきました。今後国内映像系メディアも独自視点で新製品の長所・短所を忖度なくきっちり伝え、インタビューもユーザーが聞きたい事を突っ込んで取材してくれる事に期待です。