富士フイルム XF 28mm F2.8 は、長所短所がはっきりしたパンケーキレンズ
ePHOTOzine が、富士フイルム フジノン XF27mm F2.8 パンケーキレンズのレビューとサンプル画像を掲載しています。中央部分の解像度は高く、歪曲・色収差は良く制御されているものの、フレア耐性と周辺描画に関しては否定的なレビューとなっています。
- この27mm F2.8は、富士フイルム Xシリーズ用XFレンズで、35mm換算 : 41mmでF2.8と明るいコンパクトな単焦点レンズである
- X-M1と組み合わせて使用すると、現時点でXシリーズの中で一番小さなカメラになる
- 長さが23mm、重さが78gで非常に小型軽量なレンズだが、ボディの質感はしっかりしていて、金属マウントも採用されている
- フォーカスリングは滑らかで、トルク感もほど良く、撮影するたびに喜びを覚える
- 通常のXFレンズとは違ってレンズに絞りリングは採用されておらず、カメラ本体側で絞りをコントロールする必要がある
- 露出が良好なシーンではAFはかなり速いが、露出が低いシーンはAFが迷う傾向にある
- F2.8開放時すでに中央部分の解像度は高く実にシャープである
- …が、F2.8の周辺描画は、それほど解像感はなく印象的な描画ではない
- F11まで絞れば周辺までシャープになるが、全体的な解像度は落ちる傾向
- 色収差は、非常によく制御されている
- フリンジも低レベルに抑えている
- 周辺減光も適度に上手く制御されている
- F2.8の時周辺部は、中央部に比べて1.7段暗く、F5.6まで絞れば周辺まで均一した明るさになる
- 樽型歪曲は0.8%で、単焦点レンズとしては少し高い値のようだ
- …が、一般的な撮影では気になることはなく、絶対的な直線が必要な場合はソフトで比較的簡単に補正できるレベル
- フレアは時々影響が出る傾向で、コントラストがかなり低下する時がある
- なので、非常に強い日差しの中でこのレンズを使用する場合、ちょとしたケアが必要かもしれない
- Xシリーズでコンパクトな組み合わせを求めるユーザーにとっては、現時点でこのレンズ以外の選択肢はない
- 中央部分は素晴らしいが、周辺部分の性能は中央部分と比べると追いついてきていない
- 他メーカーの同じようなレンズと比べると高価に感じるかもしれないが、レンズ自体の造りも良く、価格相応のレンズである
パンケーキレンズは光学性能よりも小型軽量を優先させているレンズと思いますから、どこまでパンケーキレンズに光学性能を求めるのかでこのレンズの評価は変わってくるのではないでしょうか。
個人的にパンケーキレンズは好きで、描画のニュアンスさえ自分に合えば周辺描画はこのレンズの個性として捉えることが出来るかもしれません。今回のレビューを見てみると、長所・短所がはっきりしていて、判断のひとつになるレビューな印象です。