富士フイルム ハイエンドコンパクト機を検討中 静止画・動画・AFのさらなる向上を示唆
dpreviewが、富士フイルム インタビュー記事を掲載しました。X70 後継機のようなハイエンドコンパクト機を検討中である話や、ハードウェアとファームウェア両方向から静止画・動画・AF性能のさらなる向上など、今後も独自性を維持した富士フイルムの方向が伺えるインタビュー記事となっています。
富士フイルム GFX50S 発売後どのくらい上手く推移していますか?
- 想定・計画以上に多くのGFXを出荷してる
- 多くのレンズも販売しているので、レンズ装着率の高さもかなり凄い事になっている
- 全体でGFXの売り上げは、我々の想定以上である
- APS-Cカメラと比べてダイナミックレンジが必要な風景写真ユーザーをはじめとする顧客から、画質に関したかなり好ましいフィードバックを受けている
- GFXシステム購入者の割合は ” アマチュア80% プロ20% " で、GFXシステムを購入するハイエンド・アマチュアの数が想定外で驚きだった
- 顧客のフィードバックによると多くの望遠域のレンズをラインアップする必要がある事が分かった
- 顧客の要望を満たすべく250mm F4 (35mm換算 198mm)を開発中
- スピードアップの要望も高く、レスポンスを向上させるべく作業中である
- 多くの顧客は、手持ちの(既存の)レンズを使用したいと思っているので、多くのサードパーティ アダプターメーカーをサポートしている
主に単焦点レンズ開発に焦点を当てている?
- はい、現時点では
- しかし顧客からズームレンズ群の要望がある事は把握している
X-H1のボディサイズは、ラインアップ的にどのように適合しているのでしょうか?
- X-H1を投入した目的の1つは、特に100-400mmのような大きなレンズを装着し大きなグリップとより良いハンドリングを要望している顧客が実際にいる事にある
- 今年はXF200mmF2を投入するので、この手のレンズは大きなグリップのカメラが必要となってくる
- もちろんX-H1は新たにラインアップに追加した1機種に過ぎず、小型なカメラをラインアップしている
- 去年はX-E3を発売しており、風景・スポーツ・モータースポーツ・旅行・レポート・ストリートスナップなど写真家はスタイルに見合ったカメラが必要になる
- 現行ラインアップは多くスタイルや目的をカバーしていると考えていて、現時点でラインアップに追加する必要があると思わないが、APS-Cカメラに注力していきい
コンパクトカメラ市場は厳しい状況の中タフカメラは好調な売り上げを維持していますが、X70もしくはX70 後継機のようなコンパクト機を投入する余地はありますか?
- はい、検討中です
動画目的でXシリーズを購入したユーザーの割合は?
- 確実に増えつつある
さらにハイエンド・ビデオの領域に入って行きたいと思いますか?
- はい
- より多くのユーザーが、静止画から動画に移行していくと考えている
X-H1はAF機能が強化されましたが、X-T2は対応可能でしょうか?
- はい、技術的に可能です
- ファームウェアアップデートで対応し続けるが、そのカメラに本当に必要な機能なのか判断する必要がある
X-H1の購入層は、静止画? 動画? 両方撮影している?
- メインの顧客は、静止画フォトグラファーだと思うが、静止画から動画に移行するユーザーが増える事になるだろう
- MKXレンズもラインアップしているので、このシネレンズを使用したい顧客がいる可能性があり、X-H1を購入する理由の1つとなる
今後18ヶ月の富士フィルムの方向性が興味深いのですが
- 我々が言える事は、Xシリーズにおける静止画撮影機能を向上させる余地は十分残っている
- ファームウェアは改善させる上でひとつの手段であるが、ファームウェアは常に制限が掛かるので、ハードウェア側のイノベーションもし続けていく
- かなり高速でより正確なAFは実現可能で、動画性能も向上できると考えている
- キヤノン、ニコン、そしてソニーとさらなる競争にさらされるが、独自性を維持すべく邁進していく
GFXのセールスの話を聞く限りハイエンドで上手く行っているように感じますが、平均的な富士フイルムユーザーに関してどのように考えていますか?
- 国や地域によって話は変わってくるが、米国市場ではハイエンド側に焦点を当て成功している
- アジア市場では " X-Aシリーズ " は本当に人気のあるミラーレス機で、タイ市場のミラーレスシェアの40%以上を占めている
- 我々に古い(レンズなどの)資産はないので、それが我々の " 長所 " でもあり " 短所 " でもある
- その点において、新しい市場を創造し新しい顧客にアピール可能で、スマートフォンに慣れたユーザーはミラーレス機にスイッチしていく
- アジア市場では市場を創造し、欧米市場では主にハイエンドとプロフェッショナル用途に焦点を当てていく
キヤノン・ニコン フルサイズミラーレス機の可能性が高まってきていますが、富士フイルムは今後どう差別化を付けていくのでしょうか?
- 古い資産がないので、35mmフォーマットやレガシーレンズにこだわる必要はない
- それは我々の " 強さ " でもあり " 弱さ " でもある
- 6年間懸命に開発し続け、現時点で30本以上のレンズをラインアップしている
- キヤノンとニコンのミラーレス参入に関して何度も聞かれるが、私の答えはいつも " 歓迎 " である
- 業界全体にとって良い事であり、業界全体が成長すれば、富士フイルムが大きく成長する可能性がある
- キヤノン、ニコン、ソニーとさらなる競争にさらされるが、独自のデザイン(設計)と使い勝手を維持し続ける
- 我々の大きな特徴はアナログ・コントロール類によるものであるが、センサーやプロセッサーの改善などカメラ内部をイノベーションし続ける必要がある
- もちろん新レンズ群の投入も
かなりざっくり抜き出してみました。他にもInstax・プリント関連のインタビューも掲載されています。今後もAPS-Cセンサー搭載カメラを中心に開発を行い、X70 後継機的なカメラも検討中なのでこちらのコンパクト機も楽しみな展開に。あと動画性能も今後強化していく事が伺えます。