富士フイルム「本当はGFXは最初から像面位相差を採用したかった」「フィルムは偉大」
富士フイルム 中判ミラーレスシステム GFXシリーズは立ち上げから数年が経ち、1億画素センサーを搭載するGFX100をラインアップするまで成長しましたが、X lab #7 GFX開発秘話動画 前編をYouTubeに公開しました。
中判を理解するのに半年掛かった : 中判ミラーレスシステムの企画が立ち上がり、中判市場のユーザー層違いや世界観が違うので中判の世界を知るのに半年掛かったそうです。米国・欧州の中判カメラを使用する写真家から何度もヒアリングして開発を進めていった事が伺えます。
リーフシャッター : 中判カメラはリーフシャッターが基本ですが、富士フイルムはGFXシリーズでフォーカルプレーンシャッターを採用しています。このような話はGFX立ち上げ時にも明らかにしていましたが、中判カメラを使用する広告・アート系の写真家達からリーフシャッターの要望が高かった事を振り返っています。それに対応するべく " Hマウントアダプター " を開発した裏話を披露。
イメージセンサーは最初から像面位相差を搭載したかった : イメージセンサーは最初から像面位相差AFを搭載したかったが、動作が遅すぎて採用を見送った事を笑い話として語っています。当時は、コントラストAFに工夫を施した方が動作が速かった模様。※後に発売された「GFX100」でついに像面位相差AFを搭載
画素数とレンズ・スペックの余裕による画質の差 : 1億画素を搭載する「GFX100」よりも5000万画素センサーを搭載する「GFX50S / GFX50R」の方がシャープに写ると言われる事がすごく多いとのこと。画素数に対してレンズがスペックに余裕があるので、5000万画素の方がセンサーの実力以上にシャープに写るのではないか?と推測しています。
GFX100の画の方が柔らかく綺麗 : 1億画素センサーを搭載する「GFX100」は柔らかく綺麗と語っており、それは解像度が無い訳ではなく、拡大するときっちり解像しているそうで、自然な高解像度を実現している事をアピールしています。フィルムに近い描画力と解釈している模様。
まだフィルムから学ぶべき事はある : カラークロームエフェクトの階調表現は、カラーフィルム「ベルビア100F」の処理を真似ているとのこと。その処理を参考にどうデジタルにしていくのか考えたのがカラークロームエフェクトで、まだフィルムから学ぶ事があり、フィルムはやっぱり偉大だな~と思うと感想を述べ前編が終了します。
少し話は変わりますが、11月25日に富士フイルム「GFX100」は4億画素相当の画像が撮影可能になるピクセルシフトマルチショットに対応し、美術・文化財の記録や研究用途に対応する「GFX100 IRバージョン」を受注生産で提供する事を発表しました。