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CP+2021 富士フイルム「今年もたくさんの交換レンズを出していく」「詳細をお楽しみに」

富士フイルムが、CP+2021に向けて発表した交換レンズ3本の開発背景やコンセプトを語った「製品レンズ 開発者トーク」をYouTubeに公開しました。司会は商品企画 上野隆氏、開発者 曽我孝氏と竹下幸孝氏が参加しています。

出演者

  • 光学・電子映像事業部 統括マネージャー … 上野隆
  • 光学・電子映像事業部 営業グループ シニアエキスパート … 曽我孝
  • R&D統括本部 光学電子映像商品開発センサー マネージャー … 竹下幸孝

XF27mmF2.8 R WR

  • 市場の評価やユーザーの要望を調査し次の開発に反映させている
  • お客様から絞りリングと防塵防滴の要望があった
  • Aポジションの横にロックを付けている
  • 「X-E4」に装着すると薄く良く出来ており、見た目のカッコ良さも訴求できると思っている
  • 要望もありドーム型のフードも用意し、軽くぶつけた時にレンズを保護し、日常 常時携帯するにはピッタリのフードに仕上がっている
  • I型ユーザーのためにフードはアクセサリーとして販売したいと考えている
  • 長さはI型と同じ23mm、絞りリングを追加したものの6g重くなっただけでXFレンズで一番軽いレンズになる
  • 是非みなさまに使っていただきたい

写りは充分という事で光学性能はI型と同じで変えていないとのこと。今回絞りリングを採用する事でXFレンズは、絞りリングが必ず付くというコンセプトが揃ったと上野氏が語っています。レンズフードとフードキャップが、レトロ・スタイルで富士フイルムの遊び心だそうです。

XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR

  • 持ち歩けるように小型化を目指した
  • 「XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS」と同じサイズを目指し開発
  • 普通なら1.5倍長くなるのが常識で、通常機種の倍ぐらいの開発期間が掛かってしまった
  • すべてのユニットを見直さないとこのサイズは実現出来ない
  • 光学とメカがマッチングしないとこのサイズは実現できないので、それぞれの(担当者)が相手の言う事を聞いて小型化をしていった
  • 同じサイズに出来なかったが、指1本くらいの違いに収める事ができた ※14mmの差
  • 質量は「XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS」と同じ580g

超望遠ズームレンズは一般的に2段鏡胴するそうなのですが、小型軽量のためにこのレンズは1段鏡胴仕様でトルク感もかなり気を使い、バランス感を失う事なく仕上げた開発秘話も語っています。ズームリング ひとひねりでワイド端からテレ端まで回すことができる模様。

あとズーム全域の最短撮影距離が83cmで、35mmフルサイズ換算でハーフマクロになる撮影最大倍率(テレ端)が0.33倍を実現し、テレコンバーターにも対応しているポイントを特長として挙げています。

GF80mmF1.7 R WR

  • 開発コンセプトは、ラージフォーマットで一番明かるいレンズを造る
  • 「GF110mmF2 R LM WR」をラインアップしているが、標準画角に近いポートレートレンズがなかったので、少しテレ寄りの標準画角になるが「80mmF1.7」のスペックが決まった ※35mm換算 : 63mm
  • ポートレートの背景ボケを綺麗にしかかったので、ボケがなだらかに溶けていくような設計
  • 800gを切るレンズを目指し795gを実現し、ハンドリングが良く気軽にポートレート撮影が可能

13本目のGFレンズで写真館やポートレート・ファッションそしてコマーシャルを撮る方からの要望が髙かったレンズだそうです。一般的にレンズ開発は、解像性能を出してからボケ味を整えていくそうなのですが、解像性能とボケを最初から設計し仕上げた事を明らかに。

「XF100mmF1.0」と並行開発なところもあった模様。しかし「GF80mmF1.7 R WR」の方が解像性能は高いそうです。ボケはあくまでも脇役であり被写体より目立っていけなくて「ボケに目がいかないのが、本当に綺麗なボケ」であると光学設計におけるこだわりも語っています。

フォーカスユニットの設計思想も語っており、フォーカスユニットを軽くするとレンズ全体が重くなり、製品全体を軽くしようと思うとフォーカスユニットを重くして収差を取り切る必要があるとのこと。「GF80mmF1.7 R WR」は、これまでで一番重いフォーカスユニットを採用し、全体の質量の1/4がフォーカス群のため重過ぎてリニアモーターが使えず、DCモーターを採用した開発秘話も明らかに。撮影時、重たいモノが動いている感じはする模様。コントラストAFを採用している「GFX50S/50R」よりも像面位相差AFを採用している「GFX100/GFX100S」の方が相性が良さそうなコメントも。

今年もいっぱいレンズ出します 詳細をお楽しみ

  • これで益々「XFレンズ/GFレンズ」が充実
  • 上野氏 : 2021年もまだまだ出します…よね?
  • 開発陣 : いっぱい出します(笑い)
  • 詳細をお楽しみに
  • 我々は、Gマウント/Xマウント両方 たくさんの交換レンズをこれから出していくので、ご期待いただければと思います

富士フイルムは、CP+2021に向けて3本の新レンズを発表し、小型軽量を実現した1億画素センサー中判ミラーレス機「GFX100S」を発表し大きな話題となっていますが、今年はさらなる新製品を予定している事が伺えます。