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富士フイルム「GFX100RFは、GFX版X100と思われたくない」

富士フイルムが、Xlab #54「GFX100RF開発秘話~後編~」をYouTubeに公開しました。個人的に興味深かったポイントをピックアップしてみました。一緒に見てみましょう。 参加者は、富士フイルム 商品企画 大石誠氏、外装設計 池洋培氏、デザイン 兵頭岳郎氏、セットリーダー 田村一紀氏になります。文章として読み易い様に、語った内容を少し校正しました。

これまでの富士フイルムの中判フィルムカメラのアスペクト比を全部入れたかった
「GFX100RF」は、背面にアスペクト・ダイヤルを採用しました。今まで富士フイルムが出してきた中判フィルムカメラ「690」「680」「617」などで採用したフォーマット全て、大判4x5も含めて全部入れましょうという所がスタート地点。今回アスペクト・ダイヤルを採用しましたが「GFX100RF」を構えたままアスペクト比を変更できるので本当に使い易いです。

アスペクト比ダイヤル

" テレコン4種類 x アスペクト9種類 " 計36種類の組み合わせ
「GFX100RF」のデジタルテレコンは4種類用意しています。最初は " テレコン4種類 + アスペクト9種類 " を考えていましたが、制約を設けたくなかったので足し算ではなく掛け算となる " テレコン4種類 x アスペクト9種類 " 計36種類の組み合わせが可能になる工夫を施しました。

デジタルテレコンの焦点距離は「GFX50R」ユーザーが使うGFレンズを参考にしている
「GFX100RF」のデジタルテレコンは、素の焦点距離35mmF4を含めて、45mm / 63mm / 83mm を用意しているが、これはGFレンズがラインアップしている焦点距離を選んでいます。我々が調査したところ「GFX50R」ユーザーは得にこの辺の焦点距離のレンズをよく使っている事が明らかになりました。「GFX100RF」はレンズ1本でこれらの焦点域をカバー出来ればと。このカメラは1億画素センサーを搭載しているので(デジタルテレコンを使用しても)充分解像度のある写真が撮れるのではと思うところがありました。

角型フード

アルミ削り出し角型フードは特長的で今回同梱した
「GFX100RF」の角型フードも特長的で、通常フードは別売になる事が多いです。今回は " 角型フード " を同梱しました。この角型フードは、アルミ削り出しとなっています。フードの位置を決めたままねじ式でフードをロックする仕様が今回の特長となっています。最初に使う人はフード装着方法が分からないと思うが、それが良い(所有欲)。

GFX100RF 価値と価格設定
開発時に「GFX100RF」の価格想定する時があり、もし自分がその価格でカメラを購入するとすれば、(仕様やデザインなどを)どうする?という想いがある。購入者をがっかりさせないように、ホットシューカバや電池蓋も金属で作り、かなりコストが掛かっています。このカメラは、1つ1つのポイントを大事にしています。

GFX100RF

「GFX100RF」はGFX版「X100」と思われたくない
「GFX100RF」は良い意味で「X100」のGFX版と思われたくない、これまでの「GFX」とも同じと思われたくない。仕上がった「GFX100RF」を見ると " やっぱりこうなるよね " と感じます。基本的に「GFX100RF」は「X100」とは違うモノですよね。

質量

開発時の心配は重さだった
「GFX100RF」開発時に一番心配だったのが " 重さ " でした。我々は「GFX100SII」より軽い " 850g " を目標に決めたが、見積を厳しくしたせいか最終的に重さは " 735g (バッテリー、メモリーカード含む) " になりました。※「GFX100SII」は883g (バッテリー、メモリーカード含む)

GFX100RF
みんなで「GFX100RF」を作り上げたところ(要素)は、外観に現れています。中身は基本的に「GFX100SII」と同じ性能で機能的にも遜色のないカメラに仕上がっています。レンズは 35mmF4 を選ぶ事で小さなカメラとなっています。GFXがコンパクトカメラになった事でフォーカルフレーンシャッターが必要なくなり、小さなリーフシャッター(レンズシャッター)を採用し、さらにNDフィルターを内臓しています。「GFX100RF」はスペック・サイズ・質量のバランス感が凄く取れた機種になっていると思います。