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ハッセルブラッド「X1D II 50C価格は多くの人が利用できるように、他社は意識していない」

dpreviewが、ロンドンで開催されたハッセルブラッド X1D II 50C ローンチイベントで欧州販売責任者かつドイツのマーチャンダイザーであるUwe Moebus氏に話を伺ったインタビュー記事を掲載しました。やはりアマチュア市場を視野に入れた中判ミラーレス機の模様。今回大幅に価格が下がりましたが富士フイルム GFXシリーズの価格を意識している訳ではないと語っています。

個人的に興味深かったポイントをピックアップしてみました。※箇条書きにするにあたって意訳しています。

開発をきっちり終えてから準備し製品発表するべき事を学んだ

  • 初代X1Dを投入して学んだ事は、開発をきっち終え市場に向けて準備が整った時点で製品発表を行う必要がある事を学んだ
  • この3年間、何を改善すべきか顧客から多くの事を学び、新型カメラに取り込む事に努めてきた
  • 起動時間を短縮し、高速連写性能も改善し、EVFも強化している

以前のハッセルブラッドの製品発表は、(開発)発表に近い製品発表が多い印象ですが、今回は価格や発売時期も発表時期に告知し、国内発表時に2019年7月発売予定、65万円+税 前後になると告知済み。※デジカメWatch : ハッセルブラッド「X1D II 50C」詳報 Vシステム用デジタルバックも

アマチュア市場を視野に

  • 中判フォーマットがデジタル化され、以前は2/3がアマチュアだったのに対して今では90%をプロフェッショナルが占め、生産台数が減少し価格は高騰、以前より顧客基盤はかなり小さくなってしまった
  • けれども今、我々は以前の状態を取り戻そうとしているところである
  • プロ写真家が少なくなり、プロが稼ぐのがますます難しくなっている状況
  • ハッセルブラッドの未来を見据え、これ以上高価な中判システムに投資し続ける人は多くないと考え、別の方法を取る必要があると判断した
  • Hシステムの開発は継続するが、X1Dは新たな市場を開放する事となる

初代X1DはフルサイズのJepgを撮って出しする事は出来ませんでしたが、今回「X1D II 50C」はフルサイズJpegに対応した事もアピールしています。

この機種に高画素センサー搭載をしようと思った事はない

  • X1Dは、5000万画素センサー前提に設計されている
  • X1Dは小型軽量ながらも高画質な画像を撮影可能なポータブル・ツールであり、市場で最もコンパクトな中判カメラなのである
  • 「X1D II 50C」搭載センサーは、前機種とまったく同じセンサー

あと製品名が「X2D」とならなかった理由について " これは、オリジナルカメラ(X1D)の進化版である " とコメント。いつくか重要な変更が施されているものの、センサーが据え置きだったりして完全に新しいカメラではないとも語っているので、より使い易くなった後継機といった感じでしょうか。

価格設定と生産コスト

  • 初代X1Dよりも安価なのは、まとめて仕入れて大量生産が可能になったから
  • 初代X1Dの頃は少量を仕入れて生産していたので単価が高くなった
  • 今では生産ラインを増強し対応可能
  • ハッセルブラッドとして画質はすべてで、それが課題だったが、今は安価でより良いカメラが製造可能である

初代X1Dの頃は大量生産に対応する過渡期である程度時間が掛かったようですが、正式発表から約1ヶ月後に発売予定である事を考えると、今では生産体制が整っている事が伺えます。工場生産においてDJIのノウハウも取り入れているのかもしれません。

「X1D II 50C」の価格設定は富士フイルム(GFX 50R)を意識している訳ではない

  • 両社は中判ミラーレス市場におり、もちろん同じ分野で他の人々が何をしているのか見ている
  • まず最初に我々は自分自身に目をやり、市場に何を導入する必要があるのか考えている
  • 我々はコピーする事には興味はなく、他社と同一のカメラを作る気はない、X1Dがその答えである ※意訳しています
  • 「X1D II 50C」の価格設定は、富士フイルムの価格が理由ではなく、より多くのユーザーがこのカメラを利用できるようにという思いが反映されている

あくまでも富士フイルム GFX 50Rなどを意識した価格設定ではない模様。あと同時発表された標準ズームレンズ : 35-75mm F3.5-4.5は、ハッセルブラッド史上最高のレンズに仕上がっているそうです。答えはMTFとのこと。相当、自信がある事が伺えます。