ニコン決算発表 一眼レフカメラの販売台数減少 ミラーレス投資も負担 映像事業の黒字は維持
ニコンが、2020年3月期 第1四半期決算を発表しました。ミラーレス機が、デジタル一眼レフ 初級機・中級機そしてコンパクトカメラの減収をカバーし切れず大きく減収している模様。しかし映像事業は、黒字を保っている事が確認できます。
ニコン 2020年3月期 Q1 映像事業
- 売上収益 : 791億円 → 673億円 (前年実績比 -118億円)
- 営業利益 : 124億円 → 35億円 (前年実績比 -89億円)
- レンズ交換式カメラ : 57万台 → 45万台 (前年実績比 -12万台)
- 交換レンズ : 89万本 → 74万本 (前年実績比 -15万本)
- コンパクトデジタルカメラ : 43万台 → 27万台 (-16万台)
フルサイズ高級機に関してはミラーレス機投入が功を奏し欧米を中心に前年を上回ったものの、一眼レフカメラ 初級機・中級機に関しては中国・アジア圏を中心に販売台数が大幅に減少した事が明記されています。加えてミラーレスカメラ用レンズ新製品の初期費用負担も圧し掛かっている模様。ニコンはミラーレスに軸を移し始めて、収益に繋がる一眼レフカメラや一眼レフ用交換レンズを新たに投入していない事も一眼レフカメラの販売台数が落ちた原因の1つかもしれません。
ニコン 2020年3月期 通期見通し 映像事業
売上収益：前回予想据え置き 361億円減収
- カメラ市場の縮小が継続、各カテゴリーで販売台数減少
- ミラーレスカメラとZマウントレンズの拡販に努めるが、一眼レフカメラ初級機・中級機やコンパクトカメラの減収が上回る
営業利益：前回予想据え置き 100億円減益
- ミラーレスラインアップ拡充のための投資負担が前期より更に増加
- 徹底的な効率化により、販売経費等の削減をはかり、減収による減益影響を一部挽回
一眼レフカメラとコンパクトデジタルカメラの減収をZシリーズがカバー出来ていない状態で、しかもZマウント レンズラインアップを拡充するための投資が前期より増加している事が伺えます。しかし今回の見通しは据え置きで「売上収益 2,600億円」「営業利益 120億円」で黒字を維持しています。
ニコン 映像事業 販売台数
カメラ市場減少はそろそろ底打ちするのではないか？という希望観測がありますが、多少増減はあるものの着実に販売台数が減ってきている事が分かります。
2020年3月期 通期見通し 研究開発投資
ここで気になっているくるのが研究開発費なのですが、映像事業だけを見ても 240億円 → 230億円の見通しで、今のところカメラ&レンズの開発に大きな影響は無い事が伺えます。ニコンは映像事業においてミラーレスに注力していると言われているので、早急なZレンズラインアップの拡充、そして戦略的なミラーレス機の投入が期待されています。
あとメディアがどのように報道しているかというと、日本経済新聞は…
- ニコンの4～6月期、純利益半減 デジタルカメラ落ち込む
- 2019年4～6月期の連結決算（国際会計基準）は、純利益が前年同期比50%減の82億円
- デジタルカメラやフラットパネルディスプレー（FPD）露光装置の販売が振るわなかった
- 売上高にあたる売上収益は14%減の1429億円
- デジタル一眼レフカメラやコンパクトデジタルカメラの販売が市場の縮小に伴って落ち込んだ
- 営業利益は51%減の93億円
- 販売不振に加え、ミラーレスカメラ用交換レンズの新製品の量産開始に伴う費用なども重荷
…と伝えています。