雑談 : ニコン 動画ニーズの高まりは認識 ディープラーニングはwrnchの存在
ニコンが、統合報告書「ニコンレポート2020 (PDF)」を2020年9月4日に公開しました。現時点における各事業概況でニコンは動画ニーズの高まりを認識している事が伺えます。今後ニコンも市場動向に合わせて動画機能を強化してくると思いますが、動画志向カメラも計画しているのか気になるところ。
機会・施策
- 市場における動画ニーズの高まり
- オンラインマーケティング強化、ブランドとお客様タッチポイントをもつ機会の創出
すでにソニーが「デジカメとして伸びるのは動画ニーズ」と明言している通り、ミラーレス市場において動画機能の性能・進化は重要になりつつあるのは確か。ニコンも特に「Z 6」で " N-Log " や " 4K RAW動画出力 " に対応し動画性能をアピールしています。
ニコンは、海外で「D850」あたりから動画アピールするプロモーションムービーを積極的に公開したり、欧州でフィルムコンテストを開催していますが、特に国内では訴求し切れていない印象です。一眼レフ時代の " 写真 " のイメージが色濃く残っているメーカーだけに、今後どう動画ニーズを取り込んでいくのか興味津々。将来的にニコンから動画志向の「α7S III」「S1H」のような機種やVlogコンセプトのミラーレス機が登場するのか気になるところ。
こういうカメラの存在は重要だと個人的に感じ始めていて、例えば富士フィルム「X-H1」はビジネス的にはあまり成功しなかったと海外で言われる事が多いものの、「X-H1」で富士フイルムが動画にも力を入れ始めた事を印象付け、現行「X-T4」は動画用途においてもコンシューマー市場に受け入れられています。
カメラ(静止画・動画)は記録・表現するモノですが、SNSが台頭しWebカム需要が高まっている今、人と人を結ぶモノに価値観が変わってきているように感じます。
ディープラーニングはwrnchの存在
- コンピュータービジョンおよびディープラーニングに関するソフトウエアを手掛けるベンチャー企業、wrnch, Inc.に出資、他
実績の項目でベンチャー企業 wrnch.Incに触れています。ニコンは2019年6月にカナダのベンチャー企業 wrnchに出資し、コンピュータービジョンおよびディープラーニング技術において協業する事を発表し、映像事業におけるB2C分野だけでなくB2B分野までのビジネス強化を明言しています。
おそらく「瞳AF」や「動物AF」開発にも携わっている可能性が。基本的にB2B分野での協業がメインになると思いますが、今後の民生機に搭載されるディープラーニング技術は、協業によって着実に改良されていくと思われます。
映像事業 構造改革
38ページに財務ハイライトが掲載されており、映像事業の構造改革は着実に進んでおり前期と比較し事業運営費を約250億円削減した事をアピール。(※最終的には500億円削減予定) 決算発表でも明らかになっていますが、掲載されている営業利益 / 営業利益率 グラフの2020年の落ち込みは強烈。
8ページの社長メッセージの中で映像事業の構造を抜本的に変革する事を改めて示し、B2C分野からB2B分野に領域を広め挑戦していく事を掲載しています。B2Bに関しては、ニコンの光学技術とディープラーニングを組み合わせたソリューションビジネスが、メインになるのでしょうか。