ニコン「今後は平均販売単価の上昇は頭打ちになる」
ニコンの年間決算 (2023年4月~2024年3月) 発表における質疑応答書類に興味深いやり取りがあるので一緒に見てみましょう。
Q︓ 2024年度の増収減益の要因は︖
A︓ 売上収益は、4月に買収完了したRED社の売上寄与に加え、中高級機への注力を継続し、ミラーレス製品のラインアップ拡充により、販売台数を増やしていくことを見込んでいます。一方、営業利益は、RED社の買収関連費用、無形資産の償却などを含めると減益を見込みますが、RED社の買収 影響を除けば、営業利益の見通しは横ばいか微増の計画です。※主な質疑応答書類より(PDF)
今年度 (2024年4月~2025年3月) は、RED社の買収関連費用や無形資産の償却の影響で利益自体は減益になるものの、売上自体は中高級機への注力と、さらなるミラーレス製品ラインアップを拡充し販売台数を増やし増収を見込んでいる事が確認できます。" 販売台数 " を増やすと表現しているので、 何かしらの目的で供給量を意図的に減らす事はない模様。
Q︓ 映像事業の高い収益性は、今後も続く見通しか︖
A︓ 当社の商品力は高まっている一方で、当社製品ラインアップの中高級機へのシフトも完了し、また、競合との競争も厳しいことから、平均販売単価の上昇は頭打ちになるとみています。当社は今後も利益確保重視の戦略ですが、より付加価値のある魅力的な製品を市場投入していくことが重要と考えます。その一環としてシネマカメラ大手のRED社を買収し、特色ある製品を共同で開発し、今後 拡大が見込まれる業務用動画市場でのビジネス拡大を目指します。※主な質疑応答書類より(PDF)
まず最初にREDを子会社化した事により " 業務用動画市場 " へ切り込んでいく事が伺えます。ここ数年カメラの平均販売単価の上昇が顕著でしたが、ニコンでは平均単価の上昇は頭打ちになる見通しを立てています。平均単価の話ではないですが、ソニーやキヤノンの競合機と比べると同じ立位置のニコンカメラは元々少し安価な設定なので、この辺は良心的ですよね。しかし為替の影響で値上げは今後も続くかもしれません。
付加価値のある魅力的な製品を投入する事が重要としており、それが最終的に利益確保に繋がるので今後ニコンからどのようなカメラ&レンズが登場するのか楽しみです。