ニコン 上期決算発表 (2024年4月-9月実績) 映像事業は堅調 通期見通しも上方修正
ニコンが、2025年3月期 第2四半期決算 (2024年7月-9月実績) 発表を行いました。映像事業は引き続き好調で通期見通しも売上収益・営業利益ともに上方修正しています。しかしニコン全体では精機事業(半導体装置事業)が振るわず、通期見通しの純利益は前年比で-51%を見通している事を明らかに。
当中間連結会計期間(2024年4月1日~2024年9月30日)は、映像事業においては、デジタルカメラ市場は中高級機の販売が好調で、市場全体の販売台数、金額とも堅調に推移しました。
映像事業においては、フルサイズミラーレスカメラ「Z8」、「Zf」及び新製品「Z6III」等を中心に、プロ・趣味層 をターゲットとした中高級機及び交換レンズの拡販に注力し、販売が好調に推移しました。製品ミックスの改善によ る平均販売単価の上昇もあり、増収増益となりました。この結果、当事業の売上収益は1,517億91百万円、前年同期比 10.2%増、営業利益は288億48百万円、前年同期比14.4%増となりました。※決算短信より
映像事業 上期実績 (2024年4月~9月)
- 売上収益 … 1,517億9,100万円 (前年同期比 +141億円)
- 営業利益 … 288億4,800万円 (前年同期比 +36億円)
- レンズ交換式デジタルカメラ … 41万台 (前年同期比 +2万台)
- 交換レンズ … 65万本 (前年同期比 +4万本)
やはり「Z8」「Zf」「Z6III」などの利益率が高い中高級機の販売が好調で、それに連動して交換レンズの販売も好調に推移している事が伺えます。上期(2024年4月~9月)の映像事業の売上収益は前年同期比で+10.2%、営業利益は+14.4%となっており、ここ数年の好調を維持しています。あと " 円安 " 効果も忘れてはいけません。
通期の事業環境は、映像事業においては、デジタルカメラ市場は堅調に推移、特に中高級機市場は伸長すると見込まれます。※決算短信より
映像事業 通期見通し (2024年4月~2025年3月) ※2024年11月7日時点
- 売上収益 … 3,050億円 (前年比 +256億円)
- 営業利益 … 470億円 (前年比 +5億円)
- レンズ交換式デジタルカメラ … 85万台 (前年比 +5万台)
- 交換レンズ … 135万本 (前年比 +10万本)
映像事業の通期見通しは上方修正しており、下期も売上収益・営業利益ともに堅調に推移しそうな感じです。本日ニコンは、Zマウント APS-C (DX) スタンダードミラーレスカメラ「Z50II」を発表しており、中高級機以外の戦略が気になるところ。
ニコン全体の通期見通しが良くない
映像事業は好調なのですが、精機事業(半導体装置事業)、ヘルスケア事業、コンポーネント事業は下方修正しており、通期(2024年4月~2025年3月)の純利益を " 160億円 " と見通しています。日本経済新聞が10月31日に掲載した記事を見てみると…
ニコンの純利益51%減 25年3月期、半導体装置下振れで
ニコンは31日、2025年3月期通期の連結純利益(国際会計基準)が前年同期比51%減の160億円になる見通しだと発表した。従来予想(8%減の300億円)から140億円下方修正した。半導体市況の回復が遅れ、半導体露光装置の販売が下振れする。産業機器などのコンポーネント事業で構造改革費用の計上も響く。※日本経済新聞 : ニコンの純利益51%減 25年3月期、半導体装置下振れで より
…と掲載しています。今回のニコンの決算を見る前に日産自動車の決算を見たのでニコンの業績見通しはまだ可愛いかも。でも映像事業が復活していなかったら、どうなっていたのだろう。
ニコン株価
2024年11月7日時点のニコンの株価は1,931円。年初来で37.29%上昇しています。今回のニコンの決算発表は市場が閉まってから行われたので、明日の株価がどう推移するのか気になるところ。※株価のスクリーンショットはGoogleFinanceより