ニコン「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」I型とII型 MTFとレンズ構成図を比較
ニコンが二世代目となる「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S II」を発表したのでMTFチャートやレンズ構成など基本スペックを比較してみました。

レンズ構成
- II型 … 10群14枚 (EDレンズ2枚、非球面レンズ3枚)
- I型 … 15群17枚 (EDレンズ2枚、非球面レンズ4枚)
レンズ構成(図)を見てみると光学設計を刷新している事が分かります。両レンズはEDレンズと非球面レンズを採用しており、I型の方が1枚多く非球面レンズを採用しています。11枚の絞り羽根も新設計とのこと。両レンズのコーティングは、ナノクリスタルコート、アルネオコート、フッ素コートを施しています。ボケ味も期待できそうな予感。
サイズ(最大径x長さ)と質量
- II型 … 84mm×142mm / 675g
- I型 … 89mm×126mm / 805g
一見II型の方が全長が長いレンズに見えますが、インターナルズーム機構を採用しているのでテレ端でも全長が伸びない標準ズームレンズに仕上がっています。製品ページを見ると、ビデオグラファーのためにズーミング時の重心移動が少なくジンバル使用時にもバランスを崩さず撮影可能にするために採用した事が伺えます。II型は最大径も質量も小型軽量化を実現。

フィルターサイズ
- II型 … φ77mm
- I型 … φ82mm
II型は小型軽量化されたのでフィルターサイズもI型より小さくなっています。なのでI型からII型へ移行するユーザーさんは、レンズフィルター系は買い直しといった感じでしょうか。


MTFチャート
両レンズのMTFを比べてみると、特に周辺部の光学性能が向上している事が伺えます。10本/mm (赤線) は縦軸の1に近いほどコントラスト特性が良く、ヌケの良いレンズ。30本/mm (青線) は1に近いほど高解像力を備えたシャープなレンズといえます。

ニコン史上最速・最高精度AF
II型は、ボイスコイルモーターとニコン独自のシルキースウィフトVCM(SSVCM)をAF駆動用アクチュエーターに採用したマルチフォーカス方式によりニコン史上最速かつ最高精度なAFを実現した事を謳っています。II型のAFの合焦速度はI型よりも約5倍高速化を果たしたようなので、I型のAFにストレスを抱いていた方はII型のAFの高速化をより体感出来るのではないでしょうか。
ニコンダイレクト価格(税込) ※2025年8月22日時点
- II型 … 371,800円
- I型 … 330,000円 ※2019年4月発売
II型はI型より約4万円高額な価格設定。II型はマイナーチェンジではなく、光学系とAF駆動を刷新したF2.8通し標準ズームレンズなので許容範囲の価格差と言えるかもしれません。まあ安く購入できる事に越したことはないですが。「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S II」の予約受付開始は2025年8月28日 AM10:00 から、発売日は2025年9月26日を予定しています。