オリンパス ED 12-40mm F2.8 PRO は、最高の大口径ズームレンズ
写真家 Ming Thein氏が、自身のブログでオリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm PRO のレビューとサンプル画像を掲載しています。最短撮影距離やボケ味は別格で、単焦点レンズのような描画で、これまで使用してきたズームレンズの中で最高のレンズであると評価しています。
- オリンパス M.ZUIKO 12-40mm F2.8 PROは、OM-D E-M1と同時発表された最初の " M.ZUIKO PRO " ラインのレンズである
- 同じグレードのF2.8通しの望遠ズームレンズ(40-150mm F2.8)も2014年に予定されている
- 今回オリンパスマレーシアのご好意でOM-D E-M1とこの12-40mm F2.8 PROを使用する機会を得たのだ
- この12-40mmはトップエンドにラインアップされそれ相応の性能を要求されるレンズであるが、OM-D E-M1と見合うように防塵防滴耐低温を施しており、手袋をしていてもアルミ削り出しのレンズボディにズームリング/ファーカスリングがちゃんとグリップ出来るように仕上げられている
- レンズ全体の仕上がりもプレミアム単焦点レンズと同等で、その仕上がり具合の反面レンズ自体は大きく、382gの重さになっている (パナソニック Xレンズ 12-35mm F2.8よりわずかに大きい)
- 単焦点レンズ 12mm F2.0や17mm F1.8には「スナップショットフォーカス機構」が採用されていたが、この12-40mm F2.8には「マニュアルフォーカスクラッチ機構」が採用されていて瞬時にAF/MFを切り替えることが可能で素晴らしい機能なのだ
- AF速度は、MSC機構を採用しているM.ZUIKOレンズと同等の速さで、非常に高速かつ静音である
- 像面位相差AFの恩恵で、追尾AFも動作も上々で不満のないレベル
- 全焦点距離の最短撮影距離が20cmで、光学性能もに一切の妥協はない仕上がりである
- 非常に明暗さの差が激しいシーンでフレアが時折発生したが(加えて少しだけエッジ周辺が流れる)、EDレンズを採用し、ZEROコーティングを施してあるので、シャドウ部分は黒つぶれすることなくディテール豊かで、コントラストも維持しており、色味自体は少し暖色系である
- 日差しが強くコントラストが高いシーンだと、わずかに縦方向に色収差が発生する
- 顕著なのは12mm F2.8時だが、0.5ピクセル程度で優れたパフォーマンスといえるのではないだろうか
- OM-D E-M1 の組み合わせで撮影したJpegは、新描画エンジン TruePic VIIの恩恵で完全に色収差は制御されていることが分かる
- 使用カメラに関係なく確かに非常に良く制御されていて、ワイドな焦点域では糸巻き型歪曲がほんのわずかあるくらいで、この点において多くの単焦点レンズよりも上手く制御しているといえる
- シャープネスとディテールは、どの焦点距離でも優れている
- 絞り羽根数は7枚(円形絞り)で、完璧に近い丸ボケを実現していて、撮影していると楽しくなってしまうくらいスムーズなボケ味なのだ
- レンズの描写表現自体は、みんなが想像しているズームレンズよりも、単焦点レンズに近い
- ほんとに近接撮影とボケ味は別格なのだ
- マイクロフォーサーズレンズとして少し大きいレンズであるが、使い易い焦点距離で、大口径で、ソリッドボディであり、優れた光学性能で、最短撮影距離も短く、ネガティブな部分を大きく上回っているレンズといえる
- けっして安価なレンズではないが、私自身がこれまで使用してきたズームレンズの中では最高のズームレンズといえる
Ming Thein氏のレビューは結構辛口の時が多い印象なのですが、今回の12-40mm F2.8 PROはかなり評価が高いようです。色収差や歪曲も程よく制御されているようで、このレビューを見る限り普通に使用する範囲ではほとんど問題にならないレベルのように感じました。
やっぱりこの大口径ズームレンズは、OM-D E-M1で使ってみたくなるレンズだな~と改めて思ってしまいます。