オリンパス 12-200mmは、汎用性が高く使い易い高倍率ズームレンズ
ePHOTOzineが、オリンパスの小型軽量 高倍率ズームレンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3 レビューとサンプル画像を掲載しました。高倍率ズームレンズだけに光学性能と利便性の間でトレードオフがあり、それを分かった上で使用するのであればお勧めレンズであると評価しています。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3の長所
- 中央部のシャープネスは非常に良好
- 中央部の色収差は非常に低いレベルに制御している
- 控え目な周辺減光
- 様々な用途に使える素晴らしいレンズ
- かなり寄れる最短撮影距離
- 高速静音AF
- フルタイムマニュアルフォーカスに対応
- 防塵防滴仕様
- 小型軽量
- 非常に低いレベルに制御した歪曲
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3の短所
- 200mm時のシャープネスは我慢すべし ※35mm換算 400mm
- レンズ内手ブレ補正機構(IS)を搭載していない
- 周辺部に色収差(CA)が見受けられる
- 明るい光源が構図に入るとフレアの影響を受ける時がある
4つ星を獲得し " お勧めレンズ " に選出しています。12-200mmは特に旅行に最適で、様々な用途でマルチに対応できるレンズであると選出理由を挙げています。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3は、待ちに待ったレンズである事は間違いないく、1本ですべてを済ます事ができる旅行ズームレンズで素晴らしいと、このレンズのコンセプトを絶賛。高倍率ズームレンズながらも、かなり寄れる最短撮影距離を実現しているところのポイントが高く、多くの旅行者がこのレンズでたくさんの思い出作りが出来るだろうと評価しています。
技術的に完璧なレンズではないが、高倍率ズームの特性を押し広げているので、品質と利便性との間である程度トレードオフを受け入れる必要があるとのこと。光学性能的にも中央部の描画を重視した性能の模様。
上記のようなトレードオフを把握した上で使うのであれば、汎用性が高く使い易い良好なレンズで、お勧めであると結論付けています。
MTFチャートを掲載していて…
- 12mm 中央部 … F3.5~F8まで素晴らしく、F11で非常に良好、F16は良好で、F22はソフト描写
- 12mm 周辺部 … F3.5~F8まで良好で、それ以降はまずまずなレベル
- 25mm 中央部 … F4.7~F11まで素晴らしく、F16は良好で、F22はまずまずなレベル
- 25mm 周辺部 … F4.7は良好で、F5.6~F8まで非常に良好、F11~F16は良好、F22はソフト描写
- 70mm 中央部 … F6~F11まで非常に良好、F16は良好、F22はまずまずなレベル
- 70mm 周辺部 … F6がソフト描写、F8がまずまずなレベル、F11~F16まで良好、F22はソフト描写
- 200mm … 中央部はシャープネスはまずまずなレベルを保っていて、周辺部はかなりソフト描写
あくまでも通常のテストにおける結果であって、テスト前提に設計されたレンズではなく、様々な使われた方をする高倍率ズーム旅行レンズであるので、実際の撮影結果は数値よりも良いという事は心に留めておいた方が良いと注意書き付きのテスト結果になっています。ただし各焦点距離のMTFチャートを見る限り、レビューに書いてある通り、中央部の描画重視した高倍率ズームレンズである事は間違いなそうな印象。
色収差(CA)チャートも掲載していて、12mm 中央はほぼゼロとのこと。しかし周辺部は平均1.5pxで顕著に現れる模様。25mmで周辺部は少し改善し、70mm/200mmで周辺部は1pxを切ってくる事が確認できます。中央部は高くなっても0.5pxぐらいで、(高倍率ズームレンズとして)全体的に褒めて良い結果であると判断しています。
歪曲は、12mm -0.87% 樽型歪曲、25mm +0.28% 糸巻型歪曲、70mm +0.10% 糸巻型歪曲、200mm -0.10% 樽型歪曲がある模様。25mm以降は、ほぼ直前に近い値となっています。フレアは基本的に問題無しとしながらも、明るい光源が周辺部あたりから差し込むと影響を受ける模様。これを良い意味で独創的と捉えるのか、欠陥と捉えるのか撮り手次第とのこと。