オリンパス 医療事業に経営資源を集中へ 映像事業は本経営戦略から外れる
オリンパスは、2019年11月6日付けで「経営戦略の策定 (PDF)」と「2020年3月期 第2四半期決算」を発表しました。映像事業を中心に見てみようと思います。
経営戦略の策定
オリンパスが今後持続的な成長を実現させる新たな経営戦略で、事業ポートフォリオの選択と集中を行う事を明らかにしています。オリンパスの事業は大きく分けて「内視鏡事業」「治療機器事業」「科学事業」「映像事業」となり、定期的に見直すとしていますが、「内視鏡事業」「治療機器事業」の医療事業に対して積極的に資源を投入していく事を明言しています。「内視鏡事業」はかなり強化し、「治療機器事業」は拡大路線の模様。
縦軸が営業利益率、横軸が売り上げ成長率。医療事業は利益も売上も高く、映像事業は双方がかなり低い状況である事が確認できます。経営戦略の策定のプレスリリース内で、映像事業に関する方向性は何ひとつ示唆しておらず大きなテコ入れは予定していない事が伺えます。
見方を変えれば、映像事業が柱となっている競合企業の方が危機感は大きいかもしれません。
2020年3月期 第2四半期決算
グループ全体では医療分野が好調で大幅な増益を達成し、科学事業も黒字で過去最高の営業利益を達成、残る映像事業が気になるところ…。
2018年4-9月期と比べると、売上高は257億円から213億円に縮小したものの、営業利益は-92億円から-57億円に改善しています。改善したといってもまだ57億円も赤字を出しています。興味深いのは決算説明会動画で、質疑応答5に注目。
オリンパスは「OM-D E-M5 Mark III」と「PEN E-PL10」を2019年11月22日に発売し上期のマイナス分を挽回する方針で、それは厳しく経営方針でもあまり映像事業に触れておらず、現時点の考えを経営陣に投げかけた質疑応答になります。新製品を投入する事による粗利の改善効果に触れたものの、具体的にどう収益が出る体質に持って行くのか明言はなく、加えてベトナム工場に移管した効果はまだ出ていないとのこと。