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オリンパス「星空AFは改良していく 星空撮影と言えばオリンパスを作っていきたい」

オリンパスが、CP+2020 期間限定 特別動画 OM-D E-M1 Mark III 星空AF 開発者 インタビュー動画をYouTubeに公開しました。個人的に興味深かったポイントをピックアップ。

速度優先なら手持ち撮影が可能

  • 星空AFは速度優先と精度優先の選択が可能
  • サーチの仕方に少し差があり、望遠レンズの場合精度優先のお勧めする ※三脚撮影
  • 速度優先であれば手持ちでも撮影可能になる

「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」であればこれくらいは手持ち撮影が可能であるとサンプル画像を公開。望遠レンズ 150mm (35mm換算 300mm) の焦点距離で撮影した画像も紹介し、星空AFが高精度である事をアピールしています。

星空AFの開発に至った背景も話していて、どのガイド本を見てみもピント合わせはMFで最難関はピント合わせみたいな事が書いてあり、熟練の技やノウハウが必要になる世界で「もし誰でも簡単に星空撮影が出来たら、もっと写真を楽しんでもらえる。」「さらに手持ち撮影が撮影出来たら!」と考えたのがスタートであると語っています。

後半は、製品ページには掲載されていない技術的な話を披露。どのように星空AFを実現しているのかデータを元に解説しています。

一般的な被写体と星のフォーカスの差

AFの差
  • 一般的な被写体 … コントラストなどの信号情報でピント合わせに関わるレベルの高い情報を得る事が出来る
  • 星 … 極端に信号レベルが低く、増幅してもノイズ成分が強調されてしまい正しいピント情報を得る事ができない

これまでなぜ星空AFが難しかったのか通常撮影との差を説明しています。星の方は、グラフ縦軸のコントラストが低い事が分かります。しかも曲線グラフを見て分かる通り、一般被写体と比べて合焦位置が分かり難い事も一目瞭然。

星のピントには特徴がある それは輝度情報

星空AFの特徴
  • 星のピントにはある特徴がある
  • 星にピントが合っている状態は、一番明るく小さくなる
  • ピントがズレるにつれて、暗く面積が大きくなり、最終的には夜空に溶け込んでしまう

実際に星空AFを動かしている映像を見せながら解説しています。これが星空AFの基本的なところで、この後どのような情報を得て星空AFを実現しているのか解説する展開に。

4つ情報からピント位置を決定するアルゴリズムを開発し新描画エンジンTruePic IXで実現

星空AF 輝度情報

やはり星の輝度情報がメインで、信号は合焦位置を中心に左右対称になっており、さらに一定以上の明るさの面積にも注目し、輝度値としきい値で合焦する位置を決定しているそうです。

星空AF 対称性マッチング

最大輝度値」「しきい値以上の画素数」「しきい値以上の画素積算値」「しきい値以上の画素平均値」の複数信号を元にピントの合う位置を決定しているとのこと。どれも左右対称な形を描き、この特徴を新画像処理エンジン TruePic IX で中心を見つける事で高精度のピント合わせを実現していると解説しています。

星空AFの未来・星空撮影で実現したい事

星空AFの未来
  • 星空AFに関しては、エリア設定のバリエーションなどまだまだ多くの改良点があり、細かい点のブラッシュアップはもちろんしていく
  • 人気の高い星空撮影の間口をもっともっと広げられるよう、さらなる技術的な検討を進めていきたい
  • 最終的には「星空撮影といえばオリンパス」を作っていきたい

今回「OM-D E-M1 Mark III」で初搭載した " 星空AF " は、今後どこまで進化していくのでしょうか。これまで市場におけるカメラの売り方はスペック至上主義的なところがありましたが、オリンパスはマイクロフォーサーズセンサーを搭載している事もあり、技術を撮影体験に繋げる方向に舵を切っているように感じます。