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パナソニックが、有機薄膜を使用しグローバルシャッタと広ダイナミックレンジ化技術を開発

パナソニックが、富士フイルムの開発した有機薄膜を使用した " CMOSイメージセンサ向け高機能グローバルシャッタ技術 " と " CMOSイメージセンサによる広ダイナミックレンジ化技術 " の開発を発表しました。加えて " 0.01ルクスの暗い場所でも鮮明なカラー撮像を実現したAPD-CMOSイメージセンサ " も発表しています。

有機薄膜を用いたCMOSイメージセンサ向け高機能グローバルシャッタ技術

パナソニック株式会社は、有機薄膜を用いたCMOSイメージセンサにおいて、従来に比べ約10倍の明るさまで忠実に画像を撮像できるグローバルシャッタ[1]技術を開発しました。光電変換[2]を行う有機薄膜と、信号の電荷蓄積を行う回路部を独立に設計可能な構造上の特長を生かし、これまでグローバルシャッタ機能で制約されていた飽和信号量[3]を拡大させ、明るいシーンでも高速な被写体を正確に捉えることが可能です。さらに、有機薄膜へ印加する電圧を変化させることでシャッタ感度を制御し、1枚の画像内で対象物の動きを色の濃淡で表現することができることから、動き方向の検出(モーションセンシング)が可能となります。※プレスリリースより

この技術により、回転するプロペラのような動く被写体を撮影した時の歪み " こんにゃく現象 " が解消される事になります。高速被写体撮影など新たな用途への展開・拡大を期待している模様です。

有機薄膜を用いたCMOSイメージセンサによる広ダイナミックレンジ化技術

パナソニック株式会社は、有機薄膜を用いたCMOSイメージセンサを用いて、明暗差の大きいシーンを、従来比3100倍のダイナミックレンジ[1]まで、時間差なく撮影できる、広ダイナミックレンジ化技術を開発しました。光電変換を行う有機薄膜と回路部での電荷蓄積機能を独立に設計可能な特長を活かし、従来は困難であった、ダイナミックレンジ123dBの明暗差のあるシーンの撮像においても、明るいところで白とびなく、暗い被写体でも鮮明で質感豊かな映像を再現します。※プレスリリースより

逆光やライト照射下に被写体があるような明暗差の大きいシーンの撮像においても、情報欠けなく、より豊かな色階調の再現可能になるので、この技術が採用されたセンサーの登場に期待です。両技術ともにプレスリリースで詳細が掲載されていて、2016年1月31日~2月4日に米国サンフランシスコで開催される国際学会ISSCCで発表される模様です。

実際この技術が製品に採用されるのがいつになるのか分かりませんが、今年パナソニック GH5 や 富士フイルム X-T2 などのフラッグシップ機の登場が期待されています。