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カメラメーカーとインフルエンサーの関係性ついて考えさせられる動画

Gerald Undone氏が、パナソニック「LUMIX S9」発表に連動してカメラメーカーとインフルエンサーの関係性について考えさせられる動画を公開しました。

国内ではパナソニック「LUMIX S9」の製品ページなどのストックフォト問題や初心者用なのかどうか、動画性能、初心者向けなのかどうか論争でくすぶっていますが、海外でGerald Undone氏のこの動画が話題になりつつあり、炎上する可能性を秘めています。

個人的にUndone氏のレビュー動画は辛口な印象。海外サイトやSNSが彼のレビュー動画を取り上げる時は、否定的なレビューや意見がある時が多い気がします。とくにソニーαカメラ。

まず最初にX上で「LUMIX S9」発表に関連してお気持ちを投稿。ざっくり抜き出すと…

一般的にカメラ・レビュアーの最悪なところは " 短所 " を軽視しており、カメラ系のプレスイベントに集まるカメラ・レビュアーの多くは友人でそれ故に面白い場所に招待され美味しいものを食べたり話を共有すると自然とポジティブな空気になる、そして新製品のプレゼンが始まるだけで会場は盛り上がり、しかも短所をプレゼンしないので、参加したカメラ・レビュアーはこの後に限られた時間の中でYouTube視聴者に動画を作る事になるので新製品の短所を見つけるのが難しく、発表前だときっちり情報開示されていない事もあるので情報解禁前後に登場する動画を避難するつもりはないとながらも、お気持ちを表明。

今回公開された動画をざくっり見ていくと…

基本的に(インフルエンサーにとって)レビュー動画・記事を作るステップは3段階のライフサイクルがあり、まず最初に自分自身が所有しているカメラをレビュー、コネがある地元の店から好意で製品を借りてレビュー、視聴者が増えていくとメーカーの目が止まりプレスイベントに招待されたり発表前に貸してもらえたりするとのこと。しかしそれが " 罠 " であるとコメント。

今回の「LUMIX S9」ように海外インフルエンサーが招待され日本を旅行し、情報解禁のタイミングで一斉に動画が公開されるので視聴者は懐疑的になるとコメント。Undone氏は、私はこういうイベント動画を作る事はないし旅行は自分の金で行くと語っています。この手の動画は " 過大評価 " になりがちになるそうで、それを止めるべきであり、製品を大事にした情熱を込めた動画を作るべきとコメント。真っ先に動画を公開する事は止めて、自分が興味深いと思ったものをだけを動画にすべきと説明。

Undone氏はカナダ在住でカメラメーカーの米国マーケティング・チームと仕事をする事あり、LUMIXに対してなぜセンシティヴなのか理由を語っています。製品・エンジニアリング・マーケティングを分けて考える事が重要で米国LUMIXマーケティングに対する批判とのこと。以前初代「S5」レビューで " 奇妙だがパワフルなカメラ " " 完璧なカメラになるため、あとはソニーAFシステムです " と評したら「S5 II」レビューに招待されなかったとのこと。あと「GH6」発表時も招待されなかった模様。「S5II」に関しては米国チームがレビュー用に送ってくれたとのこと。

LUMIXマーケティングの動向は、インフルエンサーのレビューを得たいのではなく " 誇大広告(宣伝) " をクリエイトしたいのだと表現。

電話で「我々はあなたを日本に行かせるつもりはない。なぜなら、あなたはこのカメラを気に入らないと思う。」と言われたそうです。彼の経験上、キヤノン・ニコン・ソニーから懲罰的な事は一度もなっかった模様。富士フイルムに関しては「X-H2S」ファームウェアが最終バージョンではなく不具合があり、動画が差し止めになった事はあったが懲罰的な事はなかったとのこと。

あとソニーは意見や批判に関してきっちり受け止めてくれる会社のようで、LUMIXはその逆で簡単に人を切ると表現。

あと彼と同じ様な理由で招待されなかったクリエイター(インフルエンサー)が何人かいる模様。彼はブランドを動揺させる事についてあまり心配していないとのこと。(第3段階に達した)YouTuberはブランドを混乱させる事を心配する事なく、レビュアーはこのようなくだらないこととは無縁であるべきだと思うと語っています。それは視聴者に価値がある事だし、私達自身にとって相応しく、我々が作りたい動画にとってもねとコメント。

これ以降はデジカメライフ雑談になります。

メーカー側とインフルエンサー側の温度差の違いというか…今回パナソニックは「LUMIX S9」を発表するにあたり、あからさまに否定するようなインフルエンサーを招待しなかった事が伺えます。Undone氏的は忖度ないレビューの優先順位が高い模様。メーカー側がどのようなインフルエンサーを起用するのかは自由だし、インフルエンサーの評価軸も自由です。

海外インフルエンサーによる「LUMIX S9」レビュー/プレビュー動画は何本か見ましたが、短所を指摘している動画はあるものの、全体的に長所短所のバランスを取った動画な印象があるかも。多くが「LUMIX S9」に肯定的な動画が多いかも。

もし自分がインフルエンサーでそれがメインな収入源だったとすれば、至れり尽くせりの招待を受けたら、忖度ではないけど気持ちは優しくなっちゃうかもしれません。

このカメラのコンセプト・価格設定・ラインアップ上の立ち位置を考えると「LUMIX S9」は個人的に好意的に受け止めています。個人的にミラーレス機のシャッターフィールは一眼レフには及ばないし、最近の電子シャッターは普段使いであれば問題ない事が多いし、メカシャッター非搭載は時代の流れと考えています。愛用している「OM-1」も電子シャッターを使っている時が多いです。自分は長回ししないので動画連続撮影時間の短さは気にならないかも。

EVF非搭載は少し残念。露出ボタンではなく2つ目のコマンドダイヤルの方が欲しいかな~というのが第一印象でしょうか。田舎住まいなので「LUMIX S9」実機を見たことがなく、タッチ&トライも出来ていないので発売が楽しみ。