シグマ SD1 Merrill は、高画質だが撮り手の忍耐力も問われるカメラ
Digital Photography Review が、シグマ SD1 Merrillのレビューを掲載しています。SD1は、低ISO時に優れた画像を提供するが、処理速度や使い勝手などの基本性能には忍耐が必要だと評価しています。
長所は…
- 低感度撮影画像のRAW現像は、素晴らしい画像品質を叩き出す
- ボディ自体の品質は良い (防塵防滴仕様)
- 外部ボタンやキーで主要な設定を簡単に変更できるのは良い
- 大きく・鮮明な光学ファインダー
- グリップの握り心地が良く、色んなシーンに対応できる
- 三脚撮影前提の2モーターシステムを採用したミラーアップ機構
短所は…
- 書き込みが遅く、しかも挙動が不安定だ
- 緑と赤の要素は、高感度撮影すると画質が良くない…しかも影は染みのような描画になる
- 評価測光は、白トビし易い傾向だ
- かなり保守的な白トビ警告
- ライブビューに対応していない
- 同じ価格帯の他社製品と比べると印象の薄い平凡なAF
- ツインコントロール・ダイヤルの項目が重複していて無駄が多い
- ISOボタンの位置が不快である
- ISO情報が、ファインダー内でフルタイムで表示されない
- 実質の連射速度は、仕様より1コマ少ない
- 現像ソフト SIGMA Photo Pro の操作性と処理能力の遅さが苦痛
結論は…
- SD1 Merrillは、低感度であれば優れた品質の画像を提供してくれるカメラである
- Foveonセンサーは、驚くほど繊細な描画を達成している
- しかし書き込み速度は遅く、ISO800以上では厳しい画質で、三脚撮影のためのライブビューが搭載されていないので、万人向けのカメラではない
- SD1 MerrillはRAW現像前提のカメラであるが、今のところアドビに代表されるサードパーティ・ソフトがSD1 Merrillに対応していない
- 正直言って画質は素晴らしいが、現代的な洗練したカメラではないのでその辺は期待してはいけない
- だが、その洗練欠如は、Foveonセンサーを魅力を阻害していない
以前から言われているように、SD1 Merrill は人を選ぶカメラですね…まあ今回は基本低価格になっただけで、初代SD1とほぼ同じですから、レビューの評価も同じって感じです。いかにFoveonセンサーを愛してるかで評価が変わりそうな予感。ほんとSD1でビシっとキマった画像って素晴らしい描画ですよね♪
色々レビューで言われている処理速度の遅さって実際使って体感しないと分かりませんけど、ここまで書かれていると体感的にかなり待つのでしょうね…^^; もともとシグマも万人向けのカメラではないって社長自ら言い切っていますから、こういうレビュー記事ってあまり参考にならないかと…。
少なくともシグマ SD1 Merrill でしか撮れない世界があるので、そこにどれだけの価値を感じるかでしょうか。