ソニーが、ルネサス鶴岡工場に出資してCMOSセンサー事業をさらに強化する?
東洋経済オンラインが、ソニーがルネサスエレクトロニクスの鶴岡工場に出資してCMOSイメージセンサー生産するプランがあり水面下で動いていると伝えています。ソニーの目論みと、現実的な問題や障壁が掲載されています。
ソニーがルネサス鶴岡工場に出資を考えてる理由は…
- ソニー製センサー需要は、2年先に需要が供給を上回る見通し
- スマートフォン、デジタルカメラに加えて、今後車載カメラや監視カメラの需要が期待されている
- 東芝のセル生産ラインをCMOSセンサー用に鞍替えしたようにルネサス鶴岡工場も利用したい考え
- 加えて鶴岡工場の設備と高い技術を支えるエンジニアも魅力的
ソニーが直面している問題点は…
- 現在ソニーが富士通に生産委託している三重工場が、大手ファンドリー台湾TSMCへの売却交渉が進められていて、技術流出の可能性もありソニーはリスク分散をはかり新たなパートナーが必要
- ソニーの社内は一枚岩ではなくて、鶴岡工場の製品ライン可動に向けた設備投資が300億円かかる可能性もありファンドリー委託の形態を模索している経営上層部もいるとのこと
- ソニーは、2014年減益の見通しで出資に関して慎重
- ルネサスは、鶴岡工場から那珂工場に一部の製造装置を移設を考えていて、ソニー側は製造装置と技術者がどのくらい残るのか気になるところ
ルネサスエレクトロニクスが直面している問題点は…
- 鶴岡工場は3年後の閉鎖が決まっていて、ソニーの出資によっては存続する可能性あり
- 任天堂「Wii」「WiiU」の販売不振で、現在工場生産稼働率が低い
- 実はソニー出資に対してルネサス社長が難色を示し経済産業省が間に入った過去がある
- ルネサスは構造改革のための設備投資中であるが設備投資がままならず、鶴岡工場から那珂工場へ製造装置を移設したい考え
何気に両社の思惑が絡み合っていて、ソニーが出資して鶴岡工場が存続するのか、3年後に閉鎖されてしまうのか、今後も水面下で折衝が続く感じです。ソニーの収益は落ち込んでいますが、センサー事業に関しては好調で、センサー自体の評価も上々ですから、今後さらなる拡大は間違いないようです。