ソニーが、新製品開発はテクノロジーありきではなく、顧客の要望が優先されるとコメント
Imaging Resourceが、10月にニューヨークで開催されたPhotoPlus 2017で行ったソニー・インタビュー記事を掲載しました。α7/α9シリーズやEマウントレンズ開発におけるソニーの取り組み方が伺えるインタビュー記事となっています。
ソニー α9 計画から開発までどのくらいの期間を要しましたか?
- いつ計画されたのか、どのくらい開発に時間が掛かったのか、あたたにそれをお教えする事は出来ない
- ソニー・エンジニアリングは、絶え間なく開発し続けている事は言わせて欲しい
おっしゃるように特定のモデルに向けて開発してる訳ではない事は分かっていますが、多くのテクノロジーの開発に取り組んでいて、それが新製品に採用されるポイントを教えてください
- 我々の新製品開発は、テクノロジーあきりでは無いのです
- 基本的に顧客の声を聞き、顧客にとって何が重要であるのか見い出す試みこそが、我々のすべき事であって、顧客に提供すべく創造的に造り出す事なのです
- なので技術開発ロードマップに左右される事なく、顧客に提供すべく新製品ロードマップを考えています
- それが何よりも優先されるのです
- そう、(製品開発は)テクノロジーそのものに依存する事はないです
この後、顧客の要望で " α9 " が登場してきた様な流れになり、開発において優先順位がある事が明らかになり、α7R IIIの話になる展開に。
- より高速なAF、低照度における画像品質、このような要望のフィードバックし、α7R シリーズ・ユーザーを基準に考え、第3世代 α7Rの方向性を決定した
- このモデルは、旧モデルよりも大きく新しいシャッターユニットを採用している ※シャッターカーテンの振動を抑制する機構を搭載した為に大きくなった
α9 / α7R IIIのデュアルカードスロットは、UHS-II / UHS-I が採用されていますが、両スロット共に " UHS-II " にする事は出来なかったのでしょうか?
- まず最初に顧客に幅広い選択肢を提供したかった
- 多くはないが、すべての顧客が " UHS-II " に行く訳ではなく、まだSD UHS-I カードやメモリースティックを使用し続けている一部の顧客がいるのです…
XQDはソニーが開発したテクノロジーですが、XQDを採用したカメラ群がラインアップされていない事に驚きます
- XQDは、プロフェッショナル・ビデオカメラで採用されている
- XQDの用途はSDカードと比べるとまだ限られていて、α7R IIIのユーザー層は幅広いのです
AFの話の後にダイナミックレンジの話に展開し…
- エンジニアリングの観点から見ると、フルサイズやAPS-Cだけでなく1インチセンサーのダイナミックレンジを改善していく方法を検討し研究している
- 技術的に可能であってもダイナミックレンジ・解像度・画像品質の仕上がり具合などバランスを取る必要があり、最終的に仕上げる落としどころを検討する必要がある
レンズ、プロセッサ、LSI、ソフトウェアなどイメージングプラットフォームに関する話題になり、開発力とその開発スピードに対してジョーク交じりで「我々は、多くの天才エンジニアを要している」という発言も。
α7シリーズ立ち上げ当初は " F4 ズームレンズ " と " F1.8 単焦点レンズ " から始まり、α7R II 発売後 F2.8 ズームレンズの要望があり、100-400mmそして12-24mmを展開し、α9投入後 超望遠レンズ発表と、その時の状況に応じてユーザーの要望を応えるべく開発を進めている事が伺えるコメントも確認できます。
グループ内でRX、APS-C α、フルサイズ αは、チームで分かれているのでしょうか?重複しているのでしょうか?
- 1つのチーム、大きなチーム、我々はチームを分ける事はしない
- 最終的な製品はまったく異なるが、基本的なテクノロジーは同じプラットフォームに基づいている
- RX100に採用されているスーパースローモーション機能は、プロフェッショナル・ビデオから流用されている
Eマウントレンズ開発において、初期段から静止画用途・動画用途を考慮に入れて開発を進めるそうで、最新のレンズ群は、マニュアルフォーカスのフィーリングも考慮に入れているとコメントしています。
かなりざっくり抜き出してみましたが、結構会話のやり取り全体がひとつの答えだったり、インタビュアがその答えを言って、ソニー・サイドが同意する展開もあり、そういう展開の内容はピックアップしませんでした。
あとAmateur Photographerの記事には、ソニーはEVFをセンサー同様に重要視していてホワイト・エレクトロルミネッセントパネル (有機ELパネル)をセンサーと同じ工場で生産していると掲載しています。