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ソニー「レンズのタイレシオは、かなりキヤノン・ニコンに近付いたが、まだ伸びしろはある」

先日ソニーが「Sony IR Day 2019」を開催し、その中で金額ベース スチルカメラ市場においてニコンを抜いて2位なった事が話題になりましたが、音声データにおけるエレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション分野 質疑応答においてカメラ1台における交換レンズ装着率(タイレシオ)は、かなりキヤノン・ニコンに近付き、特にプロ用レンズにおいてまだ伸びしろはあるとコメントしています。

2018年度 カメラ事業 ※音声データ エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション分野 9/26より

ソニー デジタルイメージング事業
  • 昨年度、競合他社のフルサイズミラーレス市場参入があったが、我々の強い製品と豊富なレンズラインアップによりフルサイズ一眼カメラでは初めて、またミラーレスカメラ市場においては継続的にソニーは金額シェア No.1を達成
  • ソニーは、引き続きカメラ総合トップブランドの確立を目指す
  • カメラ本体に関しては、The Five Fundamentals (スピード・画質・スタミナ・小型軽量・レンズ) フルサイズミラーレスの新基準 5つのコア技術により商品力の徹底強化を図る
  • レンズに関しては、長年アセットを着実に積み上げてきた事が現在のデジタルイメージング事業の成長ドライバーとなり、収益を押し上げている
  • SEL24F14GMが、ソニーのレンズとして初めてカメラグランプリ2019 レンズ大賞を獲得した
  • ソニーだけの1マウント戦略(APS-C/フルサイズ)で一層の強化を図る

2018年度スチルカメラ市場において24%のシェアを獲得し、交換レンズを含むレンズ交換式カメラ(ILC)シェア2位を獲得した事も明らかにしています。※あくまでもソニー調べである事は忘れずに

Q&A ※音声データ エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション分野 24/26より

一人勝ちと言えるぐらい絶好調なカメラ事業と思いますが、今後3年間を見た時、市場において特にハイエンドのレンズ交換式カメラ市場の動向をどのように考えているのでしょうか? 昨年競合他社がフルサイズミラーレス市場に参入したものの、レンズ資産がなく御社には勝てなかったが、これから3年間を見た時に状況は変わってきます。その時ソニーとして新たに敵を迎え撃つのに何が出来るのでしょうか?

  • 2012年から取り組んできたフルサイズミラーレス市場は、我々が開拓してきたもので自負を持っている
  • 一方で一眼カメラ市場全体が落ち込み始めており、特に一眼レフが急激に落ち込み、ミラーレスがそれを吸収する構図
  • 全体のパイはフラットなイメージで、フォーマットシェアはミラーレスにシフトし、シェアを上げるのは難しいと思うが、シェアを保ちながら付加価値を高めていく
  • レンズはまだ期待していて、レンズは49本から60本まで増やしていく
  • 特にプロ用は、まだまだ伸びる余地はある
  • レンズのタイレシオに関しては、かなりキヤノン・ニコンに近付いたが、まだ伸びしろがあり期待して欲しい

ハイエンドレンズを中心に投入する事が伺え、カメラ市場の全体的なシェアは伸びる事はなく、デジタル一眼レフからミラーレスに移行する流れをどのメーカーが上手く取り込んでいくのかが勝負の分かれ目かもしれません。

ミラーレスカメラは、2本目・3本目の交換レンズを購入してもらう事が難しいと言われていた時期がありましたが、ソニーのカメラ1台における交換レンズ装着率(タイレシオ)は、キヤノン・ニコン近付きつつあり将来的に追い抜く可能性があるのではないでしょうか。

ソニーは、レンズだけでなく「積層型センサーにAIを埋め込みセンサー自体をインテリジェント化する」方針も打ち出しているので意欲的なカメラが登場する事にも期待です。