ソニー 中国カメラ市場 書き入れ時に金額ベース トップシェアを獲得した事を明らかに
ソニーが、2020年8月21日開催したEP&S説明会の中で、最近のトピックの1つとして中国カメラ市場で金額ベース トップシェアを獲得した事を明らかにしています。
配信された説明会動画が公開されており、その部分をピックアップしてみると…
カメラビジネスは、もっともCOVID-19の影響を受けていますが、いち早く回復してきた中国市場では大きな商戦期である6.18を含む6月にソニーは、レンズ交換式カメラ・レンズ・デジタルスチルカメラすべてで金額ベース・トップシェアを獲得しました。※618は、中国において独身の日に次ぐ6月18日に開催される大規模ECセール
先月発表した「α7S III」も各地で非常に高い評価を受け、予約注文も大変好調です。同じく先月世界的な通信社であるAP通信が全世界フォトグラファーとビデオジャーナリスト用としてソニー製の撮影機材を独占的に採用する事を発表しました。αシリーズやXDCAMカムコーダーやEマウントレンズなど、すでに幅広いソニーの製品群の納入を始めています。
中国市場において稼ぎ時である6月にソニーがカメラ市場において金額ベースで制した事が伺える内容となっています。今後経済がこのまま回復していくのか再びCOVID-19の影響で停滞するのか分からない状況化で、売り上げが見込める時期に金額ベースでトップシェアを獲得する意味は大きいかもしれません。今後は「α7S III」の発売も控えており、「VLOGCAM ZV-1」の売上も好調そうでソニーは2020年上期の減収分をどのくらい盛り返してくるのでしょうか。
あと質疑応答(Q&A)資料にも興味深いやり取りが掲載されていて…
Q1 : リモート、バーチャル等は比較的時間軸が長い中で、利益成長の継続性という意味では、既存のカメラ事業でいかに増益を維持するかが重要と考えているが、業界No.1になった後、市場としては縮小していく中で、カメラの技術を軸にしたこれからの成長戦略は何か。
A1 : 市場としては漸減傾向にあり、加えてコロナで急激に需要の落ち込みがあったが、足元では徐々に戻りつつある。市場では一眼レフがミラーレスにシフトする局面に入ったが、この成長をいかに牽引するかがNo.1ブランドとしての使命だと考えている。一つの柱は動画市場で、ハンディカムや業務用のカメラで撮って貯める、あるいはそ の動画を編集するのではなく、撮ったらすぐにネットワークにアップロードしてシェアするようなオンラインビデオの投稿が、スマートフォン中心に急激に増えている。こういった領域を、プロフェッショナルのみならず、ハイアマチュアから一般ユーザーまで広げるべくブロガー/ビデオブロガー向けのZV-1というカメラを発売したところ、販売は非常に好調。α7S III というプロ用の動画カメラも想定を超える予約数となっている。加えて、コロナの中で、リモート会議、オンライン教育、オンライン診断などに対するカメラの受注も増えており、専用カメラの事業は強化したい。既存のカメラを有効活用するという意味で、オンライン会議で使われているパソコン内蔵のカメラのほかに、αやCyber-shotをウェブカメラとして活用するPCアプリ用ソフトImaging Edge Webcamを、先日無料で全世界に公開した。このソフトは35機種のカメラに対応しており、早期の売上貢献が見込めるかは分からないものの 、新しいチャンスと捉えている
ソニーは一気に35機種のカメラをWebカメラとして使用できるアプリ「Imaging Edge Webcam」をリリースしましたが、新しいビジネスチャンスとして捉えている事が伺えます。先日のインタビュー記事で " 動画 " がキーとなる内容でしたが、この質疑応答の中でも " 一つの柱は動画市場 " と明言しています。
自ら " No.1ブランドとしての使命 " という表現を使っているのも印象的です。