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シグマ 56mm F1.4 DC DN レビュー

シグマ 56mm F1.4 DC DN | Contemporary マイクロフォーサーズ用を使い始めて3ヶ月、気持ちも落ち着いてきたので感想を書いてみようかと思います。このレンズは、Eマウント用とマイクロフォーサーズ用がありますが、パナソニック LUMIX G9に装着し静止画・4K動画を撮影してみた感想になります。

シグマ 56mm F1.4 DC DN | Contemporary

56mm F1.4 DC DNの長所

  • シャープネスとボケ味そしてコントラストのバランスの良さ
  • マイクロフォーサーズ機でも滑らかなボケ味が楽しめる
  • 簡易防塵防滴仕様 ※マウント部にシーリング
  • 小型軽量レンズで取り回しが良好
  • お手頃価格

56mm F1.4 DC DNの短所

  • ある一定の条件でゴーストが顕著に
  • マイクロフォーサーズ用は、35mm換算 112mmの焦点距離となり人によって慣れが必要
  • AFにクセがある
  • レンズ内手ブレ補正機構なし ※動画撮影時シンクロ手ブレ補正が欲しくなる
  • 光源に対して絞り込んだ時の光芒は個人的に好みではない

シグマの製品ページに「最新の技術を全投入、高いパフォーマンスのContemporaryライン」「Artラインに匹敵する高画質と小型化を両立」と掲載されている通り、シグマの世界を味わう事のできる中望遠レンズに仕上がっていて、撮り始めた段階で純正のオリンパス M.ZUIKOレンズ、パナライカレンズとは違うフィーリング。元々Eマウント APS-Cベースのレンズだけに、マイクロフォーサーズ用は中央部から周辺部まで美味しい領域のみを使う事になり、マイクロフォーサーズ自体 カメラ内補正前提の規格なので、シャープネスとコントラストをはじめとする描画が良好です。よく言う " ヌケが良いレンズ " といった感じでしょうか。

シグマ 56mm ストリートスナップ
56mm 1/25000秒 f/1.4 ISO-200 0.0EV

しかも35mm換算 112mmのレンズとなりでF値が " F1.4 " なので、今までマイクロフォーサーズ機で味わえなかった被写界深度の浅い世界が新鮮。しかもボケ味も滑らかで特に購入した12月と1月は、ほとんどこのレンズばかり使っていました。撮るのが楽しくて中毒性の高いレンズかもしれません。Eマウント用は85mmポートレートレンズとして使い易い焦点距離になりますが、マイクロフォーサーズ用は112mmレンズとなるので、ある程度使用する目的・被写体がはっきりしていないと使い倒せない一面もあるかと。

シグマ 56mm 宇治橋
56mm 1/10000秒 f/1.4 ISO-200 0.0EV

やはり使い始めると長所だけでなく、短所も見えてきます。個人的に " ゴースト " と " AFのクセ " が、このレンズの短所。逆光・半逆光時に一定の条件が揃うと虹のようにはっきりしたゴーストが出現してしまうのです。基本ストリートスナップで使用するのであればレンズフードは必須で、少し絞って撮っても場合によっては薄っすら出ている時もありました。コントロールし易いゴーストなので豪快に出る時は、それを活かして撮るのも面白いですが、薄っすら出る時 撮影時に気が付かない事もあるので要注意。撮影時ゴーストが薄っすら出ていた事に気が付かず、ウチに戻ってからPC/Macに取り込んで確認した時にガックリきた事も…w

シグマ 56mm 伊勢うどん
56mm 1/160秒 f/8 ISO-200 0.0EV

あと " AF " なのですが、静物や程良い距離でポートレート撮影する時は問題ないと思いますが、ストリートスナップ用途の場合1点AFだと中々AFが合わない時が出てきます。G9の場合だと顔・瞳認識モードにしておけば、この問題をかなり解消できる印象。このモードは、顔・瞳 → 人物認証 → 225点 と自動的に切り替わってくれるので重宝します。あと背面モニタをタップすれば、1点AFに切り替わってくれるので、56mm使用時はこのモードを使用する事が多いかも。被写界深度が浅く、焦点距離が112mmなので、自分の撮り方だと1点AFオンリーだとストレスを感じる事も…^^;

シグマ 56mm 花
56mm 1/250秒 f/2.8 ISO-200 -0.3EV

ほんとパナの人物認証機能は重宝します。このシグマ 56mmレンズとパナソニックのコントラストAF(DFD)との相性の可能性があり、像面位相差AFを採用しているオリンパス OM-D E-M1 Mark II や Eマウント APS-C α6300 / α6400 / α6500 だとまた違った使用感かもしれません。花撮りは、絶対的なボケ味が必要なければF2.8ぐらいまで絞って撮ると被写界深度が浅すぎる事なく撮れる事が多い印象。

何気に動画撮影も楽しいレンズ。ただし全編この焦点距離で撮り切るのは大変かも。背景ボケを活かしたシーンをいくつか入れる時に重宝すると思います。上記の動画はすべてシグマ 56mmで撮影していますが、静止画同様にこのレンズでしか写せない世界が撮れるような気がするし、撮る喜びを感じるんですよ。面倒臭がらずにNDフィルターを使用すれば、屋外でも被写界深度の浅いシーンを簡単に撮れるので、新たにフィルター径 55mmのケンコー PRO1D Lotus ND16 を購入しました。手持ち動画撮影する時、ボディ内手ブレ補正機構だけでは少しキツく感じる時も…。

シグマ 56mm おかげ横丁
56mm 1/1250秒 f/1.4 ISO-200 0.0EV

結論 : 比較的購入し易い価格で、この光学性能を楽しめるのであれば、買って損はないレンズだと思います。ただしマイクロフォーサーズ用だと112mmの焦点距離になるので、購入前に実際に店頭などでこの焦点距離の感覚とAFのクセをチェックしてみる事をお勧めします。自分は基本的に純正レンズ主義で今回初のシグマレンズだったのですが魅了されてしまいました。個人的に「M.ZUIKO 45mm F1.2 PRO」や「LEICA DG NOCTICRON 42.5mm F1.2」の代替レンズ的な感じで使っていければ良いなと思います。