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キヤノン 新開発センサー&描画エンジンを搭載した高機能 EOS R 投入を示唆

キヤノンが2019年12月期決算(通期決算)を発表し、イメージング(カメラ)事業において良いニュースと悪いニュースが。良いニュースは、2020年にミラーレス市場の遅れを挽回すべく「新開発センサー&描画エンジンを搭載した高機能 EOS R」の投入を示唆しています。

収益うんぬんではなく、イメージング(カメラ)事業の方向性や今後の製品展開に注目しピックアップしてみました。決算時の詳しい内容は、説明会資料(ノート付き)にプレゼン内容が掲載されているので、そちらを参考にしています。

悪いニュース : 2020年レンズ交換式カメラ市場は前年並みに縮小する

キヤノン決算
キヤノン決算
  • レンズ交換式カメラの市場は、2020年も前年並みの縮小が継続
  • 市場が安定的に推移するプロ・ハイアマ向けモデルに注力し、本体のプロダクトミックスの改善を図る
  • 2020年の見通し : カメラやレーザープリンターの縮小を最小限にとどめる一方、 新規事業の拡大加速により、成長軌道へ回帰

今年のレンズ交換式カメラ市場も前年並みに縮小すると予想し、現状維持で御の字、どこまで縮小を最小限に留める事ができるのかキヤノンの踏ん張りどころかもしれません。説明資料には掲載されていますんが、プレゼンで「2020年の市場規模は、880万台から750万台になる見通し」と具体的な数値を明らかに。

前回の決算で " プロダクトミックスの悪化 " を挙げていましたが、今年は改善に本腰を入れる事が伺えます。キヤノンは金額ベースではなく台数ベース戦略のイメージが強いですが、プロ・ハイアマモデルで利益率を上げていく事を明らかに。個人的にプロダクトミックスの改善に " マウントの整理 " も含まれているのかどうか気になるところ。

良いニュース : 高機能 EOS R を投入 画期的なRFレンズを多数投入

当社はこれまでに2機種のフルサイズミラーレスと10本の専用レンズを投入してきましたが、ラインアップは未だ十分とは言えません。ミラーレス市場での後れを取り戻すために、今年は新開発のイメージセンサーと映像エンジンを搭載した、より高機能なモデルを投入する予定であり、国内外で行われる大型展示会も活用しながらミラーレスのプレゼンス向上を図ります。他社との競争が厳しさを増す中でも、新製品を牽引役に上位機種の販売を伸ばし、ミラーレス市場においてもシェアNo.1を目指していきます。

併せて、レンズ設計の自由度を高めた新マウントだからこそ実現できる画期的なレンズを今後も多数投入し、ラインアップの拡充を図ります。本体とレンズの組み合わせの選択肢を拡げ、ユーザーの多様な撮影ニーズに対応することにより、販売を加速させていきます。※2019年12月期 説明会資料(ノート付き)より

このところ「EOS R5 / EOS RS」の噂が浮上しネットがザワついていますが、今回決算時のプレゼンで「EOS R 上機種」の投入を予定している事を示唆。" 国内外で行われる大型展示会の活用 " まで発言しているので、早ければCP+2020 (2月27日~3月1日)で大きな動きがあるかもしれません。

RFレンズの評価は上々で特に新マウント活かしたF1.2レンズなど評価は高く、今後も凄そうなRFレンズが登場してきそうな事が伺えます。加えて購入し易い価格帯のRFレンズの登場に期待。

説明会資料(ノート付き)にはコンパクトカメラにも触れており、やはりコンパクトカメラ市場も850万台から600万台へ下げ止まらない事を予想。PowerShot Gシリーズの販売に注力する事を明らかにしているので「PowerShot G1 X Mark IV」の可能性があるのかどうか気になるところ。

開発・生産・販売に対して、あらゆる面から事業構造を見直す事も説明しています。

レンズ交換式カメラ比率

レンズ交換式カメラ比率
  • 2019年 年間実績 … 金額ベース 85% / 台数ベース 62%
  • 2020年 年間見通し … 金額ベース 85% / 台数ベース 65%

一応レンズ交換式カメラ比率も公開しています。金額ベースに関しては、交換レンズも含んでいるとの注記あり。