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キヤノン「EOS R5/R6 熱問題」謝罪・リコール・集団訴訟のリスクあり?

まだ発売されていないにも関わらず動画撮影におけるキヤノン「EOS R5 / EOS R6」熱問題(オーバーヒート)を問題視する様々な記事や動画が登場し広がり続けています。問題無しという意見もありますが、プロの映像現場では使えない意見の方が多い印象。EOSHDが、今回の熱問題に対する意見記事を掲載しました。

キヤノン EOS R5

まず最初に抑えておきたいのが「EOS R5/R6」の売り出し方で、特に「EOS R5」は大きなティーザー戦略を打ち国内でも " 8K " を強くアピールし、積極的に動画志向カメラと思えるようなマーケティングを行いました。海外の方がもっと顕著で、英国キヤノンの製品ページには「妥協のないパフォーマンスは、静止画と映像制作において革命をもたらす」「プロ仕様のフルサイズミラーレス・フラッグシップ機であり、フォトグラファーとフィルムメーカーに高解像画像と8K動画を提供する」と掲載。一応フォローしておくと、EOSHDは米国キヤノンの文言もピックアップしていますが、あれは防塵防滴仕様の事を語っている箇所の説明分なのでミスリードです。

要はキヤノンが発表まで主張してきた動画性能は、上記のように妥協なき性能をアピールしているにも関わらず、実際は制限だらけで「EOS R6」でさえ4K24pの撮影に支障が出る状況である事を指摘。EOSHDは、予約を入れようと思っていたものの現実を目の当たりにし予約を入れるのを保留にした事も明らかに。

キヤノンが冷却ソリューションを気にしていなかったのか…EOSHDはキヤノンは少なくとも熱管理を優先したくなかったと思うとコメント。ひとつの理由として " シネマEOS " の存在を挙げています。あとキヤノンがパッシブ・クリーング・システムの構造を明らかにしていない事も指摘。あとパナソニック「S1H」のクーリングシステムは軽量に仕上がっている事も解説し、暗にキヤノンを批判している感じでしょうか。

Newsshooterの記事なのかコメントなのか分かりませんが擁護コメントも紹介し、購入前に動画撮影制限がある事を調べておく必要がある事に同意しながらも、プロが使用できるという表現に対しては全否定。熱による動画撮影制限は予測不可能で、撮る前にいつオーバーヒートを起こすのか分からないポイントを挙げ、多くの問題が起こるはずだとコメントしています。

高い動画性能を謳っておきながら実際は信頼性が低く、消費者団体が集団訴訟が起こすかどうかに関わらずキヤノンブランドに傷が付いてしまうとコメント。(ハード的な問題なので)完全なリコールにおける再設計が唯一の解決策だが、キヤノンがそれを行う事はないと思っており、この問題は無くなる可能性は低いと主張。当面の解決策は、なぜあの仕様でGOサインを出したのかきっちり見直し、間違いを認め謝罪する事であると述べています。

EOS R6 動画熱問題も

cinema5Dが、キヤノン EOS R6 レビュー記事と動画を公開したのですが、やはり「EOS R6」でも実際に映像作品を撮影する場合、熱問題が顕著になる事を伝えています。4K24pでも支障をきたし、1080pを併用して撮影した事を明らかにしています。一度オーバーヒートしてしまうと、なかなか冷めない模様。いつオーバーヒートするのか分からず、みんなが想像する以上に悪いのは間違いないと掲載しています。

これ以下は、私個人の雑談になります。

私個人の雑談 : 先日掲載された「カメラ3強体制は維持できない」記事で、キヤノン「EOS R5」はソニーの圧勝状態を打破する戦略機である事が伺え、少なくともスペック(数値)的にソニーを上回るモノを実現させないといけない上からのプレッシャーが現場になったのかな~と思う事も。

「EOS R5」製品ページの動画項目は、今見るとページの半分くらいは動画撮影制限と熱対策の注意事項が占めている印象。毎回このページを見る度に宮沢賢治の童話「注文の多い料理店」を思い出してしまいます。