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キヤノン決算発表 カメラ事業は堅調で販売台数と売上を上方修正

キヤノンが2021年第2四半期決算 (2021年4月~6月)を発表しました。キヤノン全体を見ると業績は計画を上回っており、イメージング(カメラ)を見ても「EOS R5/R6」が好調でRFレンズも売れており年間の販売台数と売上の見通しを上方修正しています。

キヤノン イメージング (カメラ) Q2実績と年間見通し

キヤノン決算

カメラの需要は、米国をはじめとした個人消費の強さに加えて、コロナ禍での新たな時間の使い方として、カメラを趣味とし、映像表現にこだわる人々が 増えていることで堅調に推移しており、今年の市場規模は前回から20万台増となる600万台を見込んでいます。

当社の第2四半期は、「EOS R5」と「EOS R6」の販売が引き続き好調に推移し、想定よりも売上全体に占める構成比率が上昇しております。 またカメラ本体だけでなく、RFレンズについても、特に「R5」「R6」の発売以降、増加したフルサイズミラーレスユーザーがレンズを買い求める動きが加速 しており、一部製品では供給が追い付かない状況です。 このレンズへの強いニーズを捉えるべく、7月には、高画質と軽量さを両立した400mmと600mmの2本の超望遠レンズや、最大撮影倍率1.4倍を実現させたマクロレンズを新たにラインアップに加え、撮影領域をさらに広げております。現在22本を揃えるRFレンズは今後も拡充を続けることで、フルサイズミラーレスシステムを一層強化し、このカテゴリーでのシェア向上を図ってま いります。

そして年間の見通しについては、堅調なカメラ本体の需要を受け、販売台数は前回から10万台増加の300万台とし、さらにレンズの販売も好調なことから、売上を上方修正します。併せて、効率的な経費の使用を継続することで、収益性も維持してまいります。※キヤノン 2021年第2四半期決算 説明会資料 (ノート付き) より

カメラ Q2実績と台数

  • 1,121億円 前年比+101.2%
  • 73万台 伸び率+47% ※レンズ交換式カメラ

去年の4月~6月はコロナの影響を一番大きく受けた時期なので前年比で見ると大きく伸びて見えるのは当たり前ですが、どうやら今年のカメラ市場全体が600万台を売り上げそうな感じで、キヤノンは「ROS R5」と「EOS R6」の好調を維持し、RFマウントシステムの顧客が増えた分RFレンズの需要も上がっている事が伺えます。しかもLレンズ中心のラインアップだけに利益率も高そうな予感。市場の半導体や素材・部品不足が無ければ、さらに売上が伸ばせたのかもしれません。

カメラ 年間見通し

  • 4,309億円 前年比23.9%
  • 300万台 伸び率+9% ※レンズ交換式カメラ

市場規模600万台を見通し、キヤノン自体の販売台数を300万台見込んでいると言う事は、600万台の半分をキヤノンが持って行ってしまう事に。RFレンズは今後も拡充を続けフルサイズミラーレスシステムを一層強化すると明言しているので2021年のミラーレス市場シェアの行方に注目です。この300万台は、ミラーレス機とデジタル一眼レフが含まれていると思います。

在庫状況 2021年下期も半導体などの部品不足を予測

2021年第2四半期決算 説明会資料 (ノート付き) 17ページに掲載されている在庫状況の解説を見てみると…

下期は世界的に旺盛な需要が続く半導体などの部品不足も予想され、厳しい調達環境が続くことが想定されますが、製品の安定供給を最優先にしながら、販売機会を着実に捉えてまいります。

…と掲載しており、2021年下期も半導体などの部品不足を予想しています。キヤノンは「EOS R3」の発表・発売も控えているだけに下期の安定供給実現に期待です。在庫状況は、製品の売上が好調な事と部品不足により生産が限定的で低い水準を維持しているとのこと。※在庫率が高いと決算発表の質疑応答で突っ込まれる時があります

EOS R5

価格コムで「EOS R5」の価格推移グラフを見てみると、在庫状況を裏付けるように発売当初から価格を維持している事が確認できます。