DXOMARKが「EOS R3」センサースコアを公開 高感度番長返り咲き
DXOMARKが、キヤノン「EOS R3」2410万画素 裏面照射積層CMOSセンサースコアとレビューを掲載しました。
EOS R3 センサースコア
- 総合スコア : 96ポイント
- 色深度 : 25bits
- ダイナミックレンジ : 14.7 Evs
- ISO高感度耐性 : 4086 ISO
総合スコアは96ポイント。ちなみに4500万画素センサーを搭載する「EOS R5」の総合スコアが95ポイントなのでこれまでのDXOMARKデータベースにおけるキヤノン・センサーの中で画質面でトップに躍り出た性能を実現していると評価しています。
やはりキヤノン初の裏面照射積層CMOSセンサーだけにISO感度耐性スコア 4086 ISO は、すべてのフルサイズ機の中で1位を奪取した事が大きなポイントに挙げる事が出来るのではないでしょうか。
2021年12月4日時点の各項目スコアの総合順位をベースに独自に見て行こうかと。同ポイントの機種があり、例えば100ポイントの機種が4つあるので、99ポイントの機種は5位として扱います。全ての順位をリストアップすると長くなってしまうので、所々つまんでリストアップしました。中判カメラとAPS-Cを省いたフルサイズ機の順位となり、順位の数え間違いをしていたらごめんなさい。
総合スコア
- パナソニック S1R … 100ポイント
- ニコン D850 … 100ポイント
- ソニー α7R III … 100ポイント
- ニコン Z7 II … 100ポイント
- ソニー α7R IV … 99ポイント
- ソニー α1 … 98ポイント
- キヤノン EOS R3 … 96ポイント
- ソニー α7 III … 96ポイント
- キヤノン EOS R5 … 95ポイント
- ソニー α9 II … 93ポイント
- EOS-1D X Mark III … 91ポイント
キヤノンカメラとして「EOS R5」を上回る96ポイントを獲得し「EOS R3」はキヤノン機の中で最高スコアを達成。DSLRフラッグシップ機「EOS-1D X Mark III」よりも5ポイント上回り、ソニー「α9 II」よりも3ポイント上回っています。ただし「α9 II」が搭載する2420万画素センサーは2017年に発売された「α9」のキャリーオーバーと言われているので「α9 III」が登場した時に「EOS R3」が再評価されるのかどうか注目したいところ。
色深度 bits
- パナソニック S1R … 26.5
- ニコン D850 … 26.5
- ライカ2 … 26.5
- ニコン Z7 II … 26.3
- ソニー α7R II/III/IV … 26.0
- ソニー α1 … 25.9
- キヤノン EOS R5 … 25.3
- ソニー α7 III … 25.0
- キヤノン EOS R3 … 25.0
- ソニー α9 II … 25.0
- キヤノン EOS-1D X Mark III … 24.2
キヤノン機はこれまでDXOMARK測定において色深度は " 25bits " が1つの大台というか壁でしたが、「EOS R5」が25.3bits、今回の「EOS R3」が 25.0bits と乗り越えてきています。しかしまだまだ上がいるので今後キヤノンセンサーがどのくらい色深度を伸ばしてくるか注目しながら見てみるのが良いのかもしれません。
ダイナミックレンジ Evs
- ニコン D850 … 14.8
- ソニー α7R IV … 14.8
- ニコン D810 … 14.8
- ニコン Z7 II … 14.7
- キヤノン EOS R3 … 14.7
- キヤノン EOS R5 … 14.6
- ソニー α1 … 14.5
- キヤノン EOS-1D X Mark III … 14.5
- ソニー α9 II … 14.0
「EOS R3」は「α1」よりも少し広いダイナミックレンジを実現している事が伺えます。
DXOMARKは比較したいカメラの各データをチャートとして抽出可能なので「EOS R3」と「α1」のダイナミックレンジを比較したチャートを見てみると、ベース感度はほぼ同一、ISO500ぐらいで一度「α1」が上回るものの他はすべて「EOS R3」が上回っている事が分かります。
ISO感度
- EOS R3 … 4086
- α7 III … 3730
- α7S III … 3702
- ソニー α9 II … 3434
- EOS-1D X Mark III … 3207
- α1 … 3163
DXOMARKデータベース上 ISO感度耐性において「EOS R3」は「α7 III」を抜いて1位に。昔キヤノン機は " ISO高感度番長 " と言われていた時期がありましたが久々の返り咲きといった感じでしょうか。この辺は、ようやく " 裏面照射積層CMOSセンサー " になった事が大きいのかもしれません。
中判カメラのスコアも含めると「ペンタックス 645Z」のISO感度耐性が " 4505 ISO " でトップなのですが、「645Z」と「EOS R3」をチャートで各ISO感度同士を比べてみると大きな差がないようにも見えます。実際撮影した場合、この差がどのくらい影響を与えるのか気になるところ。
ここ何年もDXOMARKでキヤノンセンサーは不利であるとキヤノン界隈で言われてきましたが、ここ数年で改善してきており、今回「EOS R3」でキヤノンが自社開発を謳う " 2410万画素 裏面照射積層CMOSセンサー " でソニーの後ろ姿がはっきり見えてきたかもしれません。