キヤノン 2021年間決算発表 カメラ事業は対前年比+24.6% 2022年の見通しも強気
キヤノンが、2021年Q4決算(2021年10~12月)・2021年間決算(2021年1~12月)・2022年見通しを発表しました。イメージング(カメラ)の年間実績を一緒に見ていきましょう。2022年の見通しも強気な模様。
イメージング(カメラ) 概要
2020年はコロナによりイメージンググループの中心であるカメラの販売台数が大幅に落ち込んだ影響で収益性が一時的に低下しましたが、2021年は2桁の利益率を上げて通常の状態に回帰しています。
当社は、イメージングビジネスをカメラだけではなく、レンズやセンサーによる映像 情報の入力と、それを活用したソリューションの提供まで含めて大きく捉えています。今後ビジネスをさらに伸ばしていくために、これまで培ってきた光学技術を活かしながら、ネットワークカメラの売上拡大、さらには車載用センサーやXRなどの新規事業の創出を図ってまいります。
カメラの需要は、コロナ禍で大きく縮小することが懸念されましたが、増加した余暇の時間を使って家の中での撮影やオンラインでの発信を楽しむ人が増え、 また、各社のフルサイズミラーレス新製品がユーザーから大きな反響を呼ぶなど、根強いものがあります。2021年の市場規模は、各社十分に製品の供給ができず、前年から20万台減ったものの、540万台を維持しています。
当社の販売台数も、供給不足影響によりエントリー機種を中心に2万台減の 274万台となりましたが、「EOS R5」や「EOS R6」は発売から1年以上経 過しても、価格水準を保ちながら販売台数を維持しています。また、8本の新製品追加によりラインアップを26本まで拡充したRFレンズも、本体との相乗効果で販売を大幅に増やしております。
収益性の高いEOS Rシステムを年々増強して主力製品として拡大してきましたが、その結果、カメラ事業の持続的な収益性が格段に高まり、2021年の売上は25%の増収、利益率も大きく改善しました。
2022年の市場は、供給不足による前年からの繰り越しを加味し、対前年5%増の565万台になると見込んでいます。
当社は、高品質な映像表現へのニーズの高まりを捉えるために、引き続き EOS Rシステムのカメラ本体及びRFレンズのさらなる強化を図ってまいります。 今月に入り、拡大する動画需要も取り込むために、シネマカメラ「EOS R5 C」を発表しました。「EOS R5」から動画性能をさらに強化し、8K・毎秒 60フレームの高画質な映像の長時間撮影を可能としたモデルで、小型・軽 量ボディーで持ち運びやすい機動性も兼ね備えています。
RFレンズについても、ラインアップを昨年と同程度のペースで拡充し、本体とのさらなる相乗効果により、販売本数を増やしてまいります。
こうしたユーザーの選択肢を広げる製品を適宜投入することで、売上を伸ばしていくとともに、プロダクトミックスの向上を図り、高い収益性を維持してまいります。※決算資料(ノート付き)より
イメージング(カメラ) 2021年間決算
- 実績 … 4,331億円 (+24.6%)
- レンズ交換式カメラ … 274万台 (-1%)
2020年のカメラ事業の実績は " 3,447億円 " でしたが、2021年は884億円を上回る " 4,331億円 " を売り上げ収益性を大幅に改善してきました。同時に発表された2021年Q4決算を見ると2020年Q4と比べると少し落しているのでオミクロン株の影響やチップ不足の影響がなければもっと売上を伸ばしていたかもしれません。
今後も「EOS R」システムを強化し、高品質な映像表現の高まりを捉えるとプレゼン資料に掲載しているので今年も様々な「EOS R」カメラ&レンズが登場してきそうな感じです。
イメージング(カメラ) 2022年見通し
- 実績 … 7,792億円 (+10.2%)
- レンズ交換式カメラ … 300万台 (+10%)
キヤノンは2022年の世界カメラ市場規模を5%増の565万台と見通し、自社の実績を7,792億円 (+10.2%)、台数を300万台 (+10%) 売り上げる事を見通しており、強気な数字となっています。この数字を基準にするとキヤノンが300万台売り上げると過半数を占める事になるので利益率が高い機種だけでなく比較的に安価で数が出る魅力的な機種が登場するかもしれません。※2021年もほぼほぼ半分はキヤノン機。
決算資料(ノート付き)でRFレンズを去年と同程度のペースで拡充すると予告しているので今年も " 8本前後 " のRFレンズ群が登場してきそうな感じです。
新製品の開発には研究開発費が必要になるので補足資料に掲載されている研究開発費もチェックしてみましょう。
イメージングの研究開発費
- イメージング … 2020年 718億4300万円 → 2021年 760億2800万円
イメージングとなっているので民生カメラだけでなくネットワークカメラなども含むと思いますが、研究開発費が着実に増えている事が分かります。※上記の表の単位は(百万円)となっています。
2022年ミラーレス市場においてキヤノンがソニーを追い越す事になるのかどうか注目です。