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デジカメ市場縮小しても金額ベースで フィルム時代の2倍規模 レンズは3倍規模

CIPA公式サイトを何となく見ていたら開催中止になったCP+2020で配布を予定した資料が公開されており、興味深い内容だったのでピックアップしてみようかと。CIPA REPORT内の「特設ページ:CP+2020(中止)におけるCIPAセミナーで配布を予定していた資料 (PDF)」を参考にしています。

数字や統計は、どう解釈するのか、何を前提に見るのか、どこに焦点を当てるのかで方向性そして結論などが変わってきます。あくまでも私個人の見方であり、10人いたら10人の考え方があり、捉え方や解釈が異なる部分があると思うので、そういう時はみなさんの考えや解釈を優先してください。よろしくお願いします。

デジタルカメラ市場縮小が叫ばれているが、まだフィルム時代の2倍の市場規模

デジカメ市場規模

2019年までの金額ベースのデータを基にしており、フィルムからデジタル移行する時期が特需であった事が伺えます。ここ数年デジタルカメラ市場の縮小が叫ばれている中、まだフィルム時代の2倍の市場規模である事をCIPAが指摘しています。

色々な見方や考え方があり、特需が終わりフィルム時代の嗜好品(?)としての市場に戻ってきているだけと捉える事も出来るし、フィルムからデジタルに移行し画像・映像の使い方や価値観も変わり、開発費や単価も上がっており、フィルム時代とデジタル時代の市場規模を比べても意味は無い考え方も。

市場が縮小しつつある中で、少なくともピーク時の販売・開発体制のままだと赤字になってくる映像事業はあるだろうな~と。あくまでも市場の覇権を獲りに行くのか、一定シェアを確保する方向で行くのかカメラメーカーによって戦略が変わってきそうな予感。…というか、各カメラメーカーの方向性は、すでにどちらかに向いている気がします。

上記のグラフを見てまだフィルム時代の2倍の市場規模があると考えるのか、この市場規模ではデジタルカメラ事業は厳しいと考えるのか、大きく2つに分かれるのではないでしょうか。CIPAが、CP+2020 CIPAセミナーでどう伝える予定だったので気になるところ。

9500億円

ちなみに資料9ページでは、カメラ総出荷金額の8割はレンズ交換式カメラであり、カメラ&レンズの市場規模は9,500億円超である事を明らかにしています。ピーク時と比べると激減しており、なかなか下げ止まりしない状況が続いています。

カメラ + 交換レンズ 出荷数量推移

出荷数

1979年~2019年までのレンズ交換式カメラと交換レンズの台数ベース・グラフで、こちらを見ても最初の市場規模グラフと同じような動きがある事が分かります。あとコンパクトカメラの折れ線グラフを見てみると、スマートフォンの登場で一気に需要が下がった事が伺え、今ではレンズ交換式カメラの方が数が出ている事が確認できます。

昔はやっぱりレンズ交換式カメラは嗜好品で、多くのユーザーはコンパクトカメラを購入していたものの、今ではそれが逆転し、コンパクトカメラで利益を上げる事が難しくなり高級路線にシフトしてきている事は周知の事実です。コンパクトカメラが売れなくなったのは、市場的に痛いですよね。

カメラ + 交換レンズ 出荷金額推移

カメラ出荷金額

金額ベースのデータも同じ動きを示していますが、その時代時代で物価や製品自体の単価と言うか価値も推移していくので、それを考慮する必要があります。しかしここ数年でカメラ市場が縮小し、数より利益率を上げる製品構成に移行しているカメラメーカーは多いのではないでしょうか。ピーク時と比べると製品自体のライフサイクルも長くなった印象。

出荷台数と出荷金額のグラフは、レンズ交換式カメラと交換レンズを分けて表示しているので、交換レンズ・ビジネスが重要である事が分かります。やっぱりプリンターのインクジェット・ビジネスに近いものがあるかもしれません。

交換レンズ市場は、フィルム時代と比べて台数ベースで2倍 金額ベースで3倍超

交換レンズ市場
交換レンズ市場

交換レンズ市場は、台数ベースで2倍、金額ベースで3倍を優に超える市場規模になっているとのこと。資料11ページの「交換レンズ付帯率 」を見ると2005年~2019年まで大きく変わらず大体1.6本前後となっており、カメラを購入するユーザー数自体が増えているのか、1人が購入するカメラ&レンズが増えているのか色々想像してしまいます。

ふと思ったのは「ソニー Eマウント」と「キヤノン RFマウント」「ニコン Zマウント」の交換カメラ市場に対する方向性の違い。Eマウントに賛同したサードパーティ製メーカーはライセンス契約を結びEマウント仕様書に基づき開発・製造・販売する事が可能で、ユーザーは購入するレンズの選択肢が増えるだけでなく、サードパーティ製レンズのファームウェアアップデートもカメラ経由で行える利点も。

「キヤノン RFマウント」「ニコン Zマウント」は一眼レフ時代のスタイルを踏襲した非公開規格であり、今後サードパーティ製メーカーが、リバースエンジニアリングを行い両マウント対応レンズを積極的に投入してくるのかどうか気になるところ。まあ両マウントのシェア次第だと思いますが。あと非公開規格の新型機や既存ボディにファームウェアアプデ―トを掛けたらサードパーティ製レンズに不具合が出る事があるのでそれも悩ましい。

今のところソニーの戦略は軌道に乗った感じで、サードパーティ製 Eマウントレンズ群の登場によりユーザーの選択肢が増え、ラインセンス契約によりユーザーも安心して購入できるし、ボディの販売台数にも貢献しているのかな~と思う事も。

国内カメラ購入者 年齢層に大きな偏りは無いが、若年層は減り続けている

購入者特性

上記はレンズ交換式カメラとコンパクトカメラを合わせた国内カメラ購入者を年齢層に分けたグラフになります。このところカメラ雑誌の休刊が相次ぎ、読者層の高年齢化の指摘も見受けられますが、このグラフを見る限りカメラ購入層に大きな偏りはない事が分かります。ただし30歳未満と30~39歳の層が少しずつですが着実に減ってきている事が確認できます。こういうデータは、各世代の出生率も影響するのかどうか気になるところ。資料には、レンズ交換式デジタルカメラとカメラ・コンパクトカメラ(レンズ一体型カメラ)それぞれのデータも掲載されています。

他にも一眼レフ用レンズとミラーレス用レンズの推移や、グローバルな地域別のシェアが分かるグラフなど興味深いものばかりです。