PC市場における半導体不足の実態と見通し
テレ東BIZが「半導体不足の実態と今後の展望」と題して日本エイサー 代表取締役社長 ボブ・セン氏 インタビュー動画を公開しました。MCはお馴染み豊島晋作氏。
カメラ市場ではなくPC市場の話になりますが、台湾PCメーカー Acer 日本法人社長 ボブ・セン氏が直接半導体不足の実態と今後の見通しを語っており興味深い内容となっています。なので現時点における半導体状況をピックアップしてみると…
半導体不足の3つの要素
- 半導体の需要が一気に高まっているが、半導体の生産側の投資が追い付いていない
- コロナ需要
- 戦争の影響とコロナの影響そして物流の分断が半導体不足の1つの要因として押し上げている
時代的に半導体が様々なモノに使われるようになった中でコロナが来て戦争が起こり物流も分断され、どんどん拍車が掛かり、現在のような半導体不足に陥っている事が伺えます。
半導体不足の現状と見通し
- PC業界で言うと、CPU・グラフィック(カード)などの在庫水準は少しずつ前のように戻って来た
- Acerの予測では、2022年Q2 (4月-6月) で100%ではなくてもコロナの前のレベルまで戻ってくると思っていたが、オミクロンがもたらした各国の行動制限・ロックダウンの影響で多くの工場の生産性が予想通り戻らなかった
- 戦争があって物流が大変な事になっており、コンテナが取れない、エアカーゴも取り合っている状態
- 正直に言うと(見通しは)分からない
- 楽観的に年内までに順調になると思う…と言うのは、リモート需要は先喰いしサイクルは年内に落ち着くと思っているが、この近年は今まで経験した事がない事ばかり発生しているので、そればかりは言えない
楽観的に見れば年内に半導体不足に解消されると見ていますが、現時点で不確定要素は多く、解消時期は言えない模様。AcerとTSMCは同じ台湾メーカーですが、TSMCからの融通はないとのこと。AcerはファブレスメーカーなのでTSMCとの直接的な取引はなく、Acerは設計を行い製造受託メーカーが半導体を直接調達するとのこと。ただし地理的な関係上、TSMCの情報は入り易く戦略的に色々判断しているそうです。
カメラ市場も半導体と素材・部品などの供給不足に陥っており、回復に向けて不透明感があるのも確か。今回はPC市場の話ですが、メーカーしかも社長自ら現状と見通しを語っており興味深く感じます。カメラメーカーも現状と見通しを示してくれると購入する側は1つの判断基準になると思います。