富士フイルム「X100にIBISを搭載するにはゼロから小型IBISユニットを開発する必要」
dpreviewが、X100V発表時にロンドンで行った富士フイルム 光学・電子映像事業営業部長 鵜殿真一郎氏、デザイナー 今井雅純氏 インタビュー記事を掲載しました。個人的に興味深かったポイントを構成し直してピックアップしてみました。
5世代目X100Vの開発ポイント
- 開発において、常にカメラコンセプト・スタイル・サイズ維持に気を付けている
- しかし高速AF、高解像度、高画質、色再現性などは非常に重要で、顧客に最新のテクノロジーを提供したいとも思っている
- カメラのスタイルを変更する事なく、どのように最高のパフォーマンスと機能を顧客に届ける事が出来るのか常に考えている
- 「X100V」における開発の最優先事項は、ハイブリッドビューファインダー
- 「X100F」ユーザーからの要望は、防塵防滴仕様やボディ内手ブレ補正機能(IBIS)で、X-T3発売以降は最新のイメージセンサーと描画エンジン
- 今回ボディ内手ブレ補正機構(IBIS)を搭載しなかったのは、ボディサイズが大きくなるため、基本コンセプトを優先した
- 「X100V」をレンズの再設計を行ったため開発に2年掛かった
X100シリーズの中で元も売れたのは「X100F」である事を明かし、この事を念頭に置き新機能を採用する事により「X100V」はこれまでの4モデルより売れる事を期待している抱負も語っています。X100シリーズの主要層は、フィルムカメラの経験がある少し高めの年齢層であるものの特に日本では若年層も多く購入している模様。
X100シリーズ ボディ内手ブレ補正機構(IBIS)搭載について
- 技術面において開発する機会があれば、ボディ内手ブレ補正機構(IBIS)を搭載できる可能性があるかもしれない
- しかし今あるX100スタイルを変更しようとは考えていない
- このスタイルとデザインを10年後も維持し続けていると思う
- この先まったく異なる技術を保有する可能性があるが、現時点で知る由もない
- 異なるスタイルのセンサー、AIテクノロジーなど新しい技術をX100シリーズに投入し続けるが、基本的なデザインコンセプトは維持していく
- 「X100シリーズ」にボディ内手ブレ補正機構(IBIS)を搭載する場合、非常に小型なIBISユニットが必要で、ゼロから開発する必要がある
あくまでも個人的な印象ですが、富士フイルムは競合他社に比べて小型化するのが苦手と言うかスピードが遅い印象で、IBISユニットは性能を維持しながら小型化するのが難しく、X-H1で初搭載しX-T3には搭載せずX-T4搭載の流れや、1億画素センサー搭載 中判ミラーレス機 GFX100のIBISユニットの大きさを考えると、X100シリーズに小型IBISが搭載されるのは早くても数年先な印象です。インタビューでは触れていませんが「X100V」にチルト式モニタを初採用したのも、ボディサイズを維持しながらデザインコンセプトを損なうことなく薄く綺麗に仕上げる事が出来たからではないでしょうか。
X100Vを発表した「X Summit LONDON」で行ったインタビューと思われ、あの件が炎上する前になり、それについては触れていません。