富士フイルムxシグマ対談 後編 レンズは解像度から味の時代に? MTFの話も興味深い
富士フイルムが「シグマ × 富士フイルム スペシャル対談 後編」を公開しました。前回に引き続き富士フイルム イメージングソリューション事業部 統括マネージャー 上野隆氏とシグマ 商品企画部長 大曽根康裕氏による対談となっています。個人的に興味深かったポイントをピックアップしてみました。
MTF(解像力)を上げるのは難しくはない?
大曽根氏的に企画者から設計者に解像力を上げてくれと言うのは、お願いとしてはし易いとのこと。コストとサイズと重量を気にしないのであれば設計は出来てしまうと上野氏は語っています。「美しい描写にしてくれ」と指示出しすると途端に大変になる模様。
シグマと富士フイルムで違うMTFの空間周波数
- シグマ … 10本/mm 30本/mm
- 富士フイルム … 15本/mm 45本/mm
APS-CレンズのMTFにおいてシグマはフルサイズレンズと同じ 10本/mm 30本/mm で測定しており、富士フイルムは 15本/mm 45本/mm で測定しています。上野氏は「富士フイルムはハードルを上げて15と45でMFTを出しているので、富士フイルムはMTFが悪いと言われる原因になっているのかなと思う」と語っています。一方シグマは「10と30が世界のスタンダードになっているイメージがあるので一応それに乗っ取ってやっている」と大曽根氏。
上野氏がシグマに出して欲しいレンズ
- 小型軽量標準ズームレンズ
- 小型軽量望遠ズームレンズ
- 40mm単焦点レンズ ※35mm換算
大曽根氏からシグマに出して欲しいレンズは何ですか?と聞かれ、富士フイルム 上野氏は上記のレンズ挙げています。
レンズは解像度から味の時代へ?
シグマはシネマレンズの展開を始めた事によりシネマ関係者からアナモフィックレンズの要望があるとのこと。大曽根氏は「アナモフィックレンズの欠点はたくさんあり、ゴーストは出ます、ディストーションは大きいです、ボケは卵型になってしまいます。」「それでもアナモフィックは良いんですか? 解像悪いですよね? でもこれが美しいんですと言う…そのせめぎ合いがあったんですけど…アナモフィックで撮影した映画をたくさん観てると綺麗です…確かに!」と語っています。
上野氏は過去にシネマレンズの商品企画を担当していた事があり、その時に接した撮影監督に「No more resolution / 解像度はいらない」と言われたエピソードを披露。「そろそろ静止画の世界も " 解像!解像!" ではなく…」と解像度から味の時代に移行する時代に期待するコメントも。オールドレンズは否定しないが、解像しない事で味を生み出す事は技術的な進歩はなく、最新なんだけど良い味があり魅力的な写りをするレンズが出来ると良いな~と上野氏が豊富を語っています。
シグマはXレンズを増やしていきたいと思っている
最後に大曽根氏は「Xマウントレンズを増やしていきたい」と語っており、シグマXレンズと富士フイルムXレンズの比較を楽しんで欲しいとXユーザーにメッセージ送っています。